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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

通路と足場 その4。縦移動のためのハシゴ。

      2015/05/30

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人の移動は、水平方向だけとは限りません。
垂直方向、縦移動も実は非常に多いのです。

都会などで、ビル内にオフィスがある場合は、エレベーターを使いますよね。

このエレベーターは、縦移動と言えますね。

しかしエレベーター以外の移動方法もあります。
人力での移動です。

その方法としては、階段やハシゴです。
階段は歩いて登り降りしますが、ハシゴはほぼ垂直を手と足を使って、文字通り上り降りします。

当然ですが、疲れますので、長距離移動には向きません。

今回は、そんな縦移動のための通路、ハシゴ道です。

ハシゴ道も安衛則で規定されています。

【安衛則】

(はしご道)
第556条
事業者は、はしご道については、次に定めるところに
適合したものでなければ使用してはならない。

  1)丈夫な構造とすること。

  2)踏さんを等間隔に設けること。

  3)踏さんと壁との間に適当な間隔を保たせること。

  4)はしごの転位防止のための措置を講ずること。

  5)はしごの上端を床から60センチメートル以上突出させること。

  6)坑内はしご道でその長さが10メートル以上のものは、
   5メートル以内ごとに踏だなを設けること。

  7)坑内はしご道のこう配は、80度以内とすること。

2 前項第5号から第7号までの規定は、潜函内等の
  はしご道については、適用しない。


ハシゴ道には、色々と基準があります。その基準に適合したものでなければなりません。

人の体重を支えるんですから、まずは丈夫でなければなりません。

踏さんとはハシゴに足を掛ける横棒のことです。
この幅がマチマチだと、上り降りしづらいだけでなく、足を踏み外す恐れがあります。
踏さんは、等間隔であることは、必須です。

ハシゴは壁に接して掛けますが、ベッタリつけてしまうと、足を踏み入れるスペースもなくなります。
少なくとも土踏まずくらいの位置で、踏さんを踏まないと、滑ってしまいますね。
足を踏み込むスペース確保のためにも、踏さんと壁との間には適当な間隔を保ちます。

上り降りしている時に、ハシゴがグルっと回転してしまうと、危ないですよね。
そのような転位を防止のため、ハシゴの上下をしっかり固定しましょう。

ハシゴの掛け方ですが、上端は床から60センチ以上突き出します。
これは、突き出しが短いと安定が悪いこともありますが、ハシゴから床に移動する時、手すりの役割とする目的もあるのです。

登り踏さんでも踊り場を設けましたが、ハシゴでも踊り場に相当する踏だなを設けます。
高さが10メートル以上のものは、5メートル以内ごとに踏だなを設けます。


はしごは上り降りで、疲労するので、こまめに休憩が必要になるのですね。

ハシゴは垂直に立てるイメージがありますが、90度など全くの垂直だと登りづらいですし、登っている途中で後ろに倒れてしまう恐れがあります。

少しでも寝て傾斜がある方が、安定して登ることができます。
そのためハシゴ道の勾配は、80度以内としなければなりません。

さて、これらは一般的なハシゴ道での規定ですが、5号から7号、つまり60センチ突き出す、踏だな、勾配については例外があります。
それは潜函作業の時には、除外されるということです。

潜函は、高圧作業です。別途の安全対策が必要です。

(坑内に設けた通路等)
第557条
事業者は、坑内に設けた通路又ははしご道で、巻上げ装置と 労働者との接触による危険がある場所には、当該場所に 板仕切その他の隔壁を設けなければならない。


たて坑などで、ハシゴ道で人が行き来する場合の注意です。

たて坑は何本も掘れるわけでないので、必然的に同じ坑内で、人も物資の行き来があります。

つまり人が登るすぐ側で、資材がウインチなどで降ろされたりということもあるのです。

そうなると危険なのは接触ですね。

ハシゴ道なのですから、資材が迫ってきても避けようがありません。
ただぶつかり、その衝撃で墜落するしかありません。

このような事故を防ぐために、ハシゴ道と資材運搬用の巻上げ装置が近接している場合は、仕切りを設けなければなりません。

人と物とが接触しないようにするのが大切なのです。

(安全靴等の使用)
第558条
事業者は、作業中の労働者に、通路等の構造又は当該作業の
状態に応じて、安全靴その他の適当な履物を定め、
当該履物を使用させなければならない。

2 前項の労働者は、同項の規定により定められた履物の
  使用を命じられたときは、当該履物を使用しなければならない。


さて、通路についての規定はこれで終わりです。

最後は、通路そのものではなく、通行者についての注意です。

作業場で行き交うのですから、どんなに清掃していても、障害物があったりします。
歩いていて、通路や物にぶつけて転ぶ、怪我をすることも珍しくないでしょう。

通行者も積極的に身を守ることが求められます。

通行者は足元を保護するために、安全靴など通路に応じた履物を着用しなければなりません。

安全靴はつま先に鉄板などで補強しているものが多いですが、踏抜きを防止したり、滑らない靴底のものもありますので、用途に応じましょう。

通路は、作業場に行くまでの必要な設備です。
仕事の行き来であり、仕事そのものではないから、安全対策は二の次ということはないのです。

移動時間も、仕事時間です。
移動通路も、職場なのです。

すべての人が安全に行き来できる通路が、安全な仕事の道とも言えますね。

まとめ。

【安衛則】

第556条
はしご道については、丈夫な構造や勾配、踊り場などの適切な措置をとらなければならない。
第557条
坑内に設けた通路又ははしご道で、巻上げ装置との接触による危険がある場所には、板仕切その他の隔壁を設けなければならない。
第558条
作業中の労働者に、通路等の構造又は作業の状態に応じて、安全靴等の履かせなければならない。

 

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