今日も無事にただいま

「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

酸欠作業 その3。 主任技術者と特別教育

      2015/05/30

8130442680_9daa1cb36c.jpg

酸欠作業を行うにあたっては、準備が大切です。
その準備の中には、作業者が酸欠作業について、十分理解していることも含まれるのです。
酸欠作業にあたる作業者は、まずその危険性を知らなければなりません。

どんなに安全対策をとっていたとしても、作業者が危険性を理解していないと、怖いことになります。

呼吸器がなぜ必要なのかを理解していなかったら、支給されても息苦しいからと、作業中取り外してしまうかもしれません。

換気を行っていても、送風機が邪魔だと、外に出してしまうかもしれません。

これらの例は、致命的なものですが、もっと些細な事であれば、知らずに危険を犯していることも十分あり得るのです。

酸欠にかぎらず、危険作業は、まず知ることです。
そのために教育が重要です。

酸欠作業の教育には、大きく2種類があります。
作業主任者のための技能講習と、作業者ための特別教育です。


それぞれ立場が異なる人への教育ですが、いずれも事故防止のために重要な教育です。

教育については、酸欠則に規定されています。

【酸素欠乏症等防止規則】

(作業主任者)
第11条
事業者は、酸素欠乏危険作業については、第一種酸素欠乏危険作業に
あっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習
又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、第二種酸素欠乏危険作業にあっては
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を
選任しなければならない。

2 事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る
  酸素欠乏危険作業主任者に、次の事項を
  行わせなければならない。

  1)作業に従事する労働者が酸素欠乏の空気を吸入しないように、
  作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。

  2)その日の作業を開始する前、作業に従事するすべての
   労働者が作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前
   及び労働者の身体、換気装置等に異常があったときに、
   作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を測定すること。

  3)測定器具、換気装置、空気呼吸器等その他労働者が
   酸素欠乏症にかかることを防止するための器具
   又は設備を点検すること。

  4)空気呼吸器等の使用状況を監視すること。

3 前項の規定は、第二種酸素欠乏危険作業に係る
  酸素欠乏危険作業主任者について準用する。この場合において、
  同項第1号中「酸素欠乏」とあるのは「酸素欠乏等」と
  同項第2号中「酸素」とあるのは「酸素及び硫化水素」と、
  同項第3号中「酸素欠乏症」とあるのは「酸素欠乏症等」と
  読み替えるものとする。


酸欠作業においては、作業主任者を選任して、作業の指揮をとらせなければなりません。

作業主任者は、酸素欠乏危険作業主任技術者技能講習等を受けたものから選びます。

技能講習には、第一種と第二種の区別があります。

第一種は、酸素欠乏危険作業で作業主任者になることができます。
いわゆる酸欠危険作業で必要になります。

第二種は、酸素欠乏に加えて、硫化水素が充満している場所で作業主任者になることができます。
酸欠危険プラス硫化水素現場です。
下水関係では、第二種が必要になりますね。

第一種と第二種では技能講習が異なるので注意です。
第二種は「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」と学習項目が増えた講習になりますので、注意が必要です。

さて、作業主任者の職務は、次のことを行います。

1.危険がない作業方法を計画し、指揮する。
2.作業前に、酸素濃度等を測定する。
3.測定器、呼吸器などの設備や器具の点検を行う。
4.作業中、適切に呼吸器などを使用しているか監視する。


第二種は、酸欠だけでなく、硫化水素等の測定も含まれます。

安全な作業方法決定し、安全に作業を進めることが職務と言えます。

途中で、作業者が呼吸器を外そうとしたら、止めなければなりません。

また、作業主任者の職務に含まれれているわけではありませんが、作業前と作業後の人員の確認も行わなければなりません。
もし人数が合わなければ、作業場で倒れている可能性があるので、この確認も大切です。

作業主任者だけでなく、実際に酸欠環境の作業場に入り、作業する人たちも、教育を受けていなければならないのです。 この教育は、特別教育になります。

(特別の教育)
第12条
事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を
就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について特別の
教育を行わなければならない。

  1)酸素欠乏の発生の原因

  2)酸素欠乏症の症状

  3)空気呼吸器等の使用の方法

  4)事故の場合の退避及び救急そ生の方法

  5)前各号に掲げるもののほか、酸素欠乏症の防止に
   関し必要な事項

2 前項の規定は、第二種酸素欠乏危険作業に係る業務に
  ついて準用する。
  この場合において、同項第1号中「酸素欠乏」とあるのは
  「酸素欠乏等」と、同項第2号及び第5号中「酸素欠乏症」と
  あるのは「酸素欠乏症等」と読み替えるものとする。

3 安衛則第37条 及び第38条 並びに前2項に
  定めるもののほか、前2項の特別の教育の実施について
  必要な事項は、厚生労働大臣が定める。


特別教育も、第一種と第二種の区別があります。
第一種では、酸欠作業にのみできますが、硫化水素などが充満している場所では作業できません。
第二種は、酸欠作業、硫化水素充満の危険がある場所での作業ができます。


特別教育の内容は、酸欠等の環境下で、安全に作業するために知っておくべき内容です。

教育で学ぶ内容は、次のとおりです。

1.酸欠の原因
2.症状
3.呼吸器の使い方
4.事故時の対応
などです。

特に呼吸器の使い方は、しっかりと身につけておかなければなりません。

また誰かが酸欠で倒れているのを発見した時、すぐに駆け寄るのが危険というのも知っておかなければなりません。

酸欠で倒れているのですから、当然その周りは酸欠状態です。
無防備に駆け寄ると、自分も倒れてしまいます。

酸欠事故では、呼吸器を装着して救助に向かいます。
こういった二次被害も多いので、注意が必要です。

酸欠作業は、危険な作業です。
危険な作業は、まずそれを知ることからです。

その上で、どのように作業を進めるのかが重要と言えます。

作業主任者も特別教育も、酸欠の危険を知ることからはじまります。

酸欠作業に携わる人は、確実にこれらの教育を受けなければなりませんし、事業者は教育を受けたものでないと作業に就かせてはならないのです。


まとめ。

【酸素欠乏症等防止規則】

第11条
酸欠等の危険作業では、作業主任者を選任し、指揮させなければならない。
第12条
酸欠等の危険作業では、作業者は特別教育を受けなければならない。

 

iQiPlus

 - ○安衛法と仲良くなる, 酸欠危険作業 ,