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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

感電防止。電気機器使用時の感電を防ぐ。

      2015/06/01

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もはや日常生活で、電気のない生活など考えられません。

東日本大震災と福島第一原発事故をきっかけにして、原発の是非について議論されていますが、それも安全性もさることながら、電気の需要を満たすためにどうしたらいいかという問題があるからです。

もちろん、仕事においても電気は欠かすことができません。
事務所内で、電灯がなければ、暗くて仕事ができませんし、エアコンがなければ快適に仕事できません。
何より、パソコンは電気で動きますよね。

事務所以外、工場などでも莫大な量の電気を使用しますね。

電気はとても身近です。
とても身近ですが、とてつもなく危険な存在でもあります。

電気の危険性、それは感電という言葉で表されます。

感電とは、詳しい仕組みは省きますが、電気が体内を通ることで起こる障害です。
電気が通ると強い痛みを感じますが、場合によっては死亡することもあります。

感電は、落雷などでも起こりますが、身近なところでは通電している電線などに触れたりすることで起こります。
いわば、電気に触れると感電するのです。

家庭内では、電気製品のコードが破れていて、そこに触った時に感電したりします。
感電は、いつでも誰にでも起こりうる事故なのです。

電気が通った時の痛みといえば、静電気も思い浮かぶのではないでしょうか。
静電気程度であれば、少し痛い程度ですが、電気関係の仕事では、少し痛い程度では済まない電圧になります。
一瞬で死に至ってしまいます。

電気は満ち溢れているため、その分事故に遭う確率も高くなります。
電気工事はもとより、それ以外の仕事でも感電の危険はあります。

そのため、感電防止についても安衛則で規定されているのです。

今回より、感電に関する条文を見て行きたいと思います。

【安衛則】

第5章 電気による危険の防止

第1節 電気機械器具

(電気機械器具の囲い等)
第329条
事業者は、電気機械器具の充電部分(電熱器の発熱体の部分、
抵抗溶接機の電極の部分等電気機械器具の使用の目的により
露出することがやむを得ない充電部分を除く。)で、労働者が
作業中又は通行の際に、接触(導電体を介する接触を含む。
以下この章において同じ。)し、又は接近することにより感電の
危険を生ずるおそれのあるものについては、感電を防止するための
囲い又は絶縁覆いを設けなければならない。
ただし、配電盤室、変電室等区画された場所で、事業者が
第36条第4号の業務に就いている者(以下「電気取扱者」という。)
以外の者の立入りを禁止したところに設置し、又は電柱上、
塔上等隔離された場所で、電気取扱者以外の者が
接近するおそれのないところに設置する電気機械器具については、
この限りでない。


今や機械のほぼ全ては電気で動きます。
機械は電気を通すケーブルや電線が接続されています。
金属は電気を通しますので、接続部は金属です。
この金属部に触ってしまうと、感電してしまいます。

電気が通っている時に、この金属部は絶対に触っていけません。

家電製品であれば、この部分はカバーが覆われていて、カバーが破損していない限り触れることがありません。

しかし仕事で使う機械では、接続部がむき出しになっているものも少なくありません。
ケーブルの接続や取り外しを頻繁に行う都合上、カバーをすると不便になるからです。

しかしむき出しであるということは、そこに触れる可能性もあるということです。

そのため、作業中や通行中に接触して、感電しないように、囲いや覆いをつけなければなりません。
この囲いや覆いは、電気を通さない、絶縁性のあるものにします。

ただし、囲いなどが必要ない場合もあります。
それは配電室や電柱の上など、人が触れる可能性がない場所では、不要になります。

(手持型電灯等のガード)
第330条
事業者は、移動電線に接続する手持型の電灯、仮設の配線
又は移動電線に接続する架空つり下げ電灯等には、
口金に接触することによる感電の危険及び電球の破損による危険を
防止するため、ガードを取り付けなければならない。

2 事業者は、前項のガードについては、次に定めるところに
  適合するものとしなければならない。

  1)電球の口金の露出部分に容易に手が触れない構造の
   ものとすること。

  2)材料は、容易に破損又は変形をしないものとすること。


作業時、十分照明がない場所では、仮設で照明をつけます。
仮設の照明は、必要な場所に置くために照明部分と電線でできています。

電球とケーブルの接続部などに触れてしまうと、感電してしまいます。

感電を防ぐため、口金などの露出部分には触れてないようにするとともに、電球が破損しての危険を防止するために、ガードを取り付けます。

仮設で照明を取り付ける場合も、感電を防止しなければならないのです。

(溶接棒等のホルダー)
第331条
事業者は、アーク溶接等(自動溶接を除く。)の作業に使用する
溶接棒等のホルダーについては、感電の危険を防止するため
必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、
使用してはならない。


金属同士を接続することを溶接といいます。
高熱で接続剤を溶かし、異なる金属同士を接着します。

溶接の時には高熱を必要とします。
そのために、ガスを使うこともありますが、電気を使うこともあります。
アーク溶接などは電気溶接の代表と言っていいでしょう。

アーク溶接などでは、大量の電気を必要とします。
電気を使うということは、感電するおそれがあります。

そのため、溶接棒のホルダーを取り扱うときに、金属部に触れないようにしなければなりません。
またとても高温なので、電気を通さないだけでなく、熱にも強い素材を使う必要があります。

特に電線の被覆が溶けてしまうと、中の導線がむき出しになるので、注意が必要です。

(交流アーク溶接機用自動電撃防止装置)
第332条
事業者は、船舶の二重底若しくはピークタンクの内部、
ボイラーの胴若しくはドームの内部等導電体に囲まれた場所で
著しく狭あいなところ又は墜落により労働者に危険を
及ぼすおそれのある高さが2メートル以上の場所で
鉄骨等導電性の高い接地物に労働者が接触するおそれが
あるところにおいて、交流アーク溶接等(自動溶接を除く。)の
作業を行うときは、交流アーク溶接機用自動電撃防止装置を
使用しなければならない。


アーク溶接機を取り扱うときの注意です。
アーク溶接機は電気で高温にしているので、溶接棒が接触している金属にも電気が通っているのです。

直接、溶接ホルダーや溶接棒に触れなくとも、この溶接箇所に触れるだけでも、感電してしまいます。
通常の場所であれば、体から十分離しているので、危険性はそれほど高くありません。

しかし場所によっては、その危険性が高まります。

それは、周りが金属で囲まれ、体が接触する場所です。
具体的にはピーとタンク内部や、ボイラーの内部などの狭い場所で、体の周りに接触するような場所です。
このような場所では、どんなに注意しても、周りの壁に体を触れないようにするのは難しいでしょう。

そのため、このような場所では、自動電撃防止装置を備えた溶接機を使用しなければなりません。

また2メートル以上の高所では、感電し気を失うと、墜落してしまいます。
そのため高所で溶接を行う場合も、自動電撃防止装置を備えたものを使用します。

自動電撃防止装置とは、体などが触れて通電した時、自動的に電圧を下げ、人体に電流が流れることを防ぐ装置です。

自動電撃防止装置は溶接による感電を防ぐ、安全装置ですね。

(漏電による感電の防止)
第333条
事業者は、電動機を有する機械又は器具(以下「電動機械器具」
という。)で、対地電圧150ボルトをこえる
移動式若しくは可搬式のもの又は水等導電性の高い液体に
よって湿潤している場所その他鉄板上、鉄骨上、定盤上等
導電性の高い場所において使用する移動式若しくは可搬式のもの
については、漏電による感電の危険を防止するため、
当該電動機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に
適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する
感電防止用漏電しや断装置を接続しなければならない。

2 事業者は、前項に規定する措置を講ずることが困難なときは、
  電動機械器具の金属製外わく、電動機の金属製外被等の
  金属部分を、次に定めるところにより接地して
  使用しなければならない。

  1)接地極への接続は、次のいずれかの方法によること。

   イ 1心を専用の接地線とする移動電線及び1端子を
     専用の接地端子とする接続器具を用いて接地極に
     接続する方法

   ロ 移動電線に添えた接地線及び当該電動機械器具の
     電源コンセントに近接する箇所に設けられた接地端子を
     用いて接地極に接続する方法

  2)前号イの方法によるときは、接地線と電路に接続する
   電線との混用及び接地端子と電路に接続する端子との混用を
   防止するための措置を講ずること。

  3)接地極は、十分に地中に埋設する等の方法により、
   確実に大地と接続すること。


移動式の機械は、どこでも持っていけるので便利ですが、その場その場で電線を接続して、通電させなければなりません。

電気を通しやすい鉄板などの上や、濡れた場所では、電気が周りに流れ出し、感電してしまいます。
そのため、電気が漏れ出さないように漏電しゃ断装置というものをつけなければなりません。
漏電しゃ断装置は、電気漏れだす、つまり漏電した時に、自動的に電気をストップさせるものです。

一歩間違えれば、漏電の危険があるのですから、準備が必要なのです。

しかし場合のよっては、漏電しゃ断装置を取り付けられない時もあります。
そのような場合は、別の対応をしなければなりません。

まずは、金属の箱などを、確実に接地をすること。

接地というのは、電気を大地に流すためのものです。電気の経路を安全な方向にしてやるものです。

接地は、接地極を地中に埋め込み、確実に大地と接続しなければなりません。

専用の端子や、コンセントの接地端子を確実に接地線でつなげます。
接地線は、原則緑色の被覆がつけられています。

機械から電気が漏れだすと、周りで作業をしている人にとって危険極まりありません。
漏電しゃ断装置は、そのような危険を防ぐための設備なのです。

(適用除外)
第334条
前条の規定は、次の各号のいずれかに該当する電動機械器具に
ついては、適用しない。

  1)非接地方式の電路(当該電動機械器具の電源側の電路に
   設けた絶縁変圧器の二次電圧が300ボルト以下であり、
   かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路が接地されていない
   ものに限る。)に接続して使用する電動機械器具

  2)絶縁台の上で使用する電動機械器具

  3)電気用品安全法第2条第2項 の特定電気用品であって、
   同法第10条第1項 の表示が付された二重絶縁構造の
   電動機械器具


漏電しゃ断装置を必要としない場合もあります。
それは次のとおりです。

非設置方式の電路に接続する場合や絶縁台の上で使用する場合です。
また電気製品で二重絶縁構造のものも漏電しゃ断装置を必要としません。


具体的には、条件を確認して使い分ける必要がありますね。

電気製品を使用する場合は、通電部、充電部に触れて感電することを何より防ぐ必要があります。

工業用や産業用の機械は、高圧で動くものも多く、すこし触れると多大な電流が流れてしまいかねません。
それは、命の危険にさらされていると言っても過言ではありません。

アーク溶接機の自動電撃防止装置や漏電しゃ断装置は、体に電気が流れないための安全装置です。

電気を使用するには、十分に安全を確保しなければなりません。

それは、電気機械だけではありません。
今後は、機械以外の感電防止についても、まとめていきたいと思います。

まとめ。

【安衛則】

第329条
電気機械器具の充電部分付近で作業する場合は、囲いや覆いを着けて、作業者が接触しないようしなければならない。
第330条
手持型の電灯、仮設の配線などを使用する場合は、感電防止のため、クチの覆いなどをつけなければならない。
第331条
事アーク溶接等の溶接棒等のホルダーについては、感電防止の絶縁効力及び耐熱性があるものを使用しなければならない。

 

第332条
船舶の二重底若しくはピークタンクの内部等、著しく狭あいなところ又は墜落により労働者に危険を 及ぼすおそれのある高さが2メートル以上の場所で、交流アーク溶接等の作業を行うときは、交流アーク溶接機用自動電撃防止装置を使用しなければならない。

 

第333条
電動機を有する機械又は器具で、移動式若しくは可搬式のもの、湿潤している場所などで使用する場合は、漏電による感電の危険を防止するため、感電防止用漏電しや断装置を接続しなければならない。

 

第334条
第333条は、一定の条件では、適用除外される。

 

第335条
電気機械器具の操作の際に、感電の危険、誤操作による危険を防止するため、当該電気機械器具の操作部分について必要な照度を保持しなければならない。

 

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