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感電防止 その4。 高圧電気が通っている電線の取り扱い。

      2015/06/01

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電路や機械など、電気工事を行う場合は、原則として、停電状態で作業を行います。

しかし電柱工事や電柱間の電線工事などで、電気を切ってしまうと、供給先の家庭や事業所も停電させてしまいかねません。そのため、容易に電気を切ることはできないのです。
もちろん工事の間だけ、別経路で電気を通すなど仮設もありますが、いずれにせよ電気がすぐ近くを通っているという状態での作業となります。

また電気工事だけでなく、電線付近で作業を行うこともあります。
この場合も、すぐ近くに電気が通っている状態での作業になります。

電気が通った電線は、活線いいます。
電気工事では、時として活線を取り扱ったり、活線付近での仕事になるのです。

活線の近くでの作業なので、感電の危険があります。
しかも非常に危険度が高いと言えます。

電気は電圧により、分類されます。
電柱や鉄塔の間を走っている電圧は、非常に高く、危険度も増すのです。

今回は、活線近接作業についてまとめます。

その前に、電気の電圧による分類をまとめてみます。

電圧区分 電圧
低圧 直流 750ボルト以下
交流 600ボルト以下
高圧 直流 750ボルトを越えて、7000ボルト以下
交流 600ボルトを越えて、7000ボルト以上
特別高圧 直流・交流 7000ボルトを越える


低圧は、家庭用や事業用機械など、身近なものを扱うための電圧です。
高圧は、街中の電柱間の電線で流れていることが多いです。
そして、特別高圧は鉄塔間の電線で流れています。

高い電圧をかけるのは、発電所から各家庭や事業所へ、遠くまで通すためです。
水も高い圧力をかけて、遠くまで流します。それに似たようなものです。

当然、高い電圧ほど、危険度は増します。

それぞれの電圧区分で、取り扱い方は異なります。
今回は、高圧活線作業での決まりです。

【安衛則】

第4節 活線作業及び活線近接作業

(高圧活線作業)
第341条
事業者は、高圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を
取り扱う作業を行なう場合において、当該作業に従事する
労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、
次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

  1)労働者に絶縁用保護具を着用させ、かつ、
   当該充電電路のうち労働者が現に取り扱っている部分以外の
   部分が、接触し、又は接近することにより感電の危険が
   生ずるおそれのあるものに絶縁用防具を装着すること。

  2)労働者に活線作業用器具を使用させること。

  3)労働者に活線作業用装置を使用させること。
   この場合には、労働者が現に取り扱っている充電電路と
   電位を異にする物に、労働者の身体又は労働者が現に
   取り扱っている金属製の工具、材料等の導電体
   (以下「身体等」という。)が接触し、又は接近することに
   よる感電の危険を生じさせてはならない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の着用、
  絶縁用防具の装着又は活線作業用器具若しくは
  活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、
  これを着用し、装着し、又は使用しなければならない。


高圧電路の修理や点検など、活線にも関わらず取り扱いを行う場合は、感電しない対策が必要です。

対策のポイントは、電気を通さないことと、距離を保つことです。

まず電気を通さないこと、つまり絶縁する方法です。
絶縁の方法は、絶縁用防具と保護具です。

防具と保護具は、どちらも似た用語なので、整理しましょう。

絶縁用防具は、電路や充電部分に取り付けるものです。
電線にトラ柄のカバーが付けられているのを見たことはないでしょうか?
防具は、電気が通っているところに付けて、体が触れないようにするためのものです。

絶縁用保護具は、作業者が人体に身につけるものです。
ゴムの手袋やエプロン、靴など保護する箇所ごとに、装備は異なります。

高圧活線作業では、保護具を身につけ、作業を行う付近に防具をつけます。
どちらかではなく、両方必要なので、注意しましょう。


防具や保護具を使わない場合は、別の手段もあります。
それは、活線作業用器具を使うことです。

活線作業用器具は、素材として電気を通さないものが使われています。
最近はカーボンが多いようです。昔は竹なども使っていたようです。
器具には、先がフックになっているものや、マジックハンドのようになっているものなど様々な種類があるのですが、共通するのは、活線電路などから離れて使えるものです。
そのため、形は釣り竿のように伸ばせるものが多いです。

さて、活線作業用器具までは、作業者が電路に近づいて作業します。
しかし近づかずに作業する方法もあります。
それは、活線作業用装置を用いる場合です。
活線作業用装置は、ロボットをイメージするとわかりやすいかと思います。
遠隔で操作したりしますので、感電の危険は小さくなります。

しかし、活線作業用装置も注意があります。
それは装置に電気が通り、それが人体にまで達し、感電することです。
要するに装置が電線代わりになることを、避けなければなりません。
感電しないように、電位を異なる金属を接しないなど、取扱には注意しましょう。

作業時には、絶縁用防具+保護具、活線作業用器具、活線作業用装置のいずれかを使って、作業しなければなりません。

ちょっと面倒だからといって、素手で触っては、いけません。
絶対だめです。

(高圧活線近接作業)
第342条
事業者は、電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の
電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する
労働者が高圧の充電電路に接触し、又は当該充電電路に対して
頭上距離が30センチメートル以内又は躯側距離若しくは
足下距離が60センチメートル以内に接近することにより
感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に
絶縁用防具を装着しなければならない。
ただし、当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を
着用させて作業を行なう場合において、当該絶縁用保護具を
着用する身体の部分以外の部分が当該充電電路に接触し、
又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのないときは、
この限りでない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用防具の装着又は
  絶縁用保護具の着用を事業者から命じられたときは、
  これを装着し、又は着用しなければならない。


直接、電路を取り扱わなくとも、高圧電線の近くで作業を行う場合も、感電の危険はあります。
近くでの作業というと、電柱の工事や点検、修理などがありますね。

高圧電線の近接作業を行う場合は、感電しないように十分な距離を保って作業を行わなければなりません。
高圧電線では、頭上から30センチ以上、体や足元からは60センチ以上の距離を保ちます。


もしこの距離よりも近くなる場合は、絶縁用防具を取り付けます。

作業中は不意に近づいてしまうこともあるので、防具を着けるのが安全ですね。

絶縁用防具を取り付け作業は、どうしても電路に近づいしまいます。
この時、感電しないように、防具取り付け時は、絶縁用保護具を身につけて行います。
一応、体に触れるおそれがない場合は、保護具は不要とされていますが、念のため着用するのがいいですね。

高圧活線の取扱は、十分な対策が必要です。
絶縁用防具と保護具などを取り付ける、または距離をしっかり保つことです。

これらの対策を行うのは、最低限のことです。
対策を十分に行っていても、感電はほんの少しの接触で起こってしまいます。

高圧に触れると、一瞬で死に至ります。
それほど慎重に対策を作業を必要とするのです。

(絶縁用防具の装着等)
第343条
事業者は、前二条の場合において、絶縁用防具の装着
又は取りはずしの作業を労働者に行なわせるときは、
当該作業に従事する労働者に、絶縁用保護具を着用させ、
又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置を
使用させなければならない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の
  着用又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置の
  使用を事業者から命じられたときには、これを着用し、
  又は使用しなければならない。


まとめ。

【安衛則】

第341条
高圧の充電電路の点検、修理等を行う場合は、絶縁用防具、保護具、活線用器具や装置を適切に子羽させなければならない。
第342条
高圧の電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等を行う場合は、適切な離隔をとらせなければならない。また接触のおそれがある場合は、絶縁用防具や保護具の着用しなければならない。
第343条
絶縁用防具の装着、取りはずしの作業を行う場合は、絶縁用保護具を着用させるか、活線用器具等を使用させなければならない。

 

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