猫井川、足場材に頭を削られる
2015/06/12
こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
犬尾沢と猫井川の今日の仕事は、コンクリートの仕上げ工事に来ました。 コンクリートは打ってから、一定の養生期間をとり、今日は型枠を外していきます。 作業の前に、犬尾沢が猫井川に指示します。 「この一体の型枠を取り外していくからな。 型枠をとった後は、セパ穴を詰めていってくれ。 今日は2人で仕事するから、段取りよくやってくぞ。」 はいっと返事をして、猫井川は道具の準備をしていきます。 「猫井川、あとすぐ側で足場を組んでいっているから、気をつけろよ!」 この後の作業のために、今日作業を行う場所をグルッと囲むように、足場組立作業が行われています。 そのため、作業場の周りがごちゃごちゃしています。 「早いこと型枠をばらしていかないと、邪魔になりますね。」 「そうだな。本当はもっと早くに型をバラせたらよかったんだけどな。 他の現場の都合で、バラすのが遅くなってしまった。 とりあえず、邪魔にならないようにしていこう。」 そう言うと2人で、ガンガンと型を叩きながら、取り外していきます。 「おい、猫井川!叩くのは型だけにするんだぞ。 コンクリートを叩くなよ。」 「はい。気をつけます。」 黙々と型枠を外側に叩き、釘を外していきます。 すべて取り外されると、固まったコンクリートが現れました。 「よし、うまく固まったみたいだな。 それじゃ、セパ穴用のモルタルを準備するから、取り外した型を片付けておいてくれ。」 「はい。」 型枠に使ったコンパネを持ち、猫井川は運んでいきます。 「足場が出来てきてるから、結構歩きづらいな。」 コンクリートの周りにはすでに足場が組み上がってきています。 支柱がいくつも建ち、1層目の作業床も置かれています。 「注意しないと、頭をぶつけそう。」 そんなことを考えながら、コンパネを運んでいきます。 少しガンガンと足場の支柱に、コンパネをぶつけながらも、最初の分を運び終えます。 コンパネを何度目か運んだ時でした。 足場の組まれている場所で、端材を落としてしまいました。 「おっと、いけね。」 猫井川は、落とした端材を拾おうと、片手でコンパネを抱えたまま、しゃがみ込みました。 端材を持ち、上体を起き上がらせた時でした。 ガチーン! 猫井川の耳の側で、びっくりするほど大きな音が鳴り響きました。 「なに?なに!?」 驚いて周りを確認します。 どうやら、足場の一部に頭をぶつけたようでした。 頭はヘルメットを被っていたので、痛みはありませんでしたが、大きな音から察すると、強くぶつけたようでした。 「あぶねー。びっくりした。」 少し驚きはあったものの、猫井川は気にせず、残りのコンパネを運びます。 全ての型枠を運び出してから、犬尾沢の手伝いに戻ります。 「犬尾沢さん、手伝います。」 「おう、それじゃ頼む。 ・・・て、その頭どうした?」 「え、何がですか??」 「いや、ヘルメット。すごい削れてるぞ。」 「まじですか!?」 そう言うと、猫井川はヘルメットを脱ぎ、確認してみました。 猫井川のヘルメットは、一部がざっくり削れています。 「さっき、足場でぶつけたところですかね。 何か思ったよりすごいことになってますね。」 「はは、もしヘルメットを被ってなかったら、頭が削れていたな。」 「そ、そうですね。。ヘルメット被っててよかった。。」 犬尾沢の言葉に、ぞっとした猫井川でした。 「ちゃんとヘルメットは被っててよかった。。」 そう思うと、少しあご紐を締め直したのでした。 |
今回は頭をぶつけてしまうというヒヤリハットですね。
建設工事などでは、ほぼヘルメットを被って仕事します。
そして、そのヘルメットは気づかぬ内に傷がたくさんついていたりします。
それほど頭部に何か接触したり、ぶつけたりすることが多いのです。
ヘルメットは頭部を保護するものです。
足場などでは、縦にも横にもパイプが走っています。
動くたびにどこか体が接触する、頭をぶつけることが多いのです。
注意してもしきれないのが、障害物の多い作業現場なので、ヘルメットは必須ですね。
今回の猫井川のように、思いの外強く衝撃を受けることもあります。
もしヒビが入るほど衝撃を受けた場合、ヘルメットは継続して使ってはいけません。
必ず交換しましょう。
そうでなければ、次に同じような衝撃を受けた時に、ヘルメットは機能しません。
少々もったいない気もしますが、衝撃を受けたら交換が必要です。
それでは、ヒヤリハットをまとめてみます。
ヒヤリハット | 足場で頭を強くぶつけた。 |
対策 | 1.ヘルメットは必ず着用する。 2.周辺への注意を怠らない。 |
ヘルメットは、いざという時に頭を守るものです。
きちんとかぶりましょう。
あご紐もきっちり締めないと意味が無いので、注意です。
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