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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

ベルトコンベアにはさまれ男性死亡 富山県射水市

      2015/05/30

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工場内では、加工用機械が動き、その側で人が働きます。

加工用機械は、力強く正確に作業を行い、スイッチが入っている限り持続することができます。

しかし同時に強力であるため、巻き込まれてしまった時には、人の体ではひとたまりもありません。
大怪我や死亡する事故になってしまいます。

機械と一緒に作業を行う時、しばらくは慎重に、適度な距離感を保って仕事をします。
要領が掴めず、オタオタすることはあるでしょうが、接触する危険は少ないです。

これが1年、2年と同じ機械を取り扱ってくると、慣れが生じてきて機械に対する、危険意識が低くなってきます。

機械に巻き込まれる事故は、新人でもベテランでも起こってしまうものなのです。

慣れていても、30代、40代であれば、周囲への注意ができています。
しかし高齢になってくると、危険と分かっていても、注意が欠けてしまうことあるのです。

富山県のリサイクル工場で、高齢者の方がベルトコンベアに巻き込まれるという事故がありました。

今回は、この事故を取り上げ原因を推測し、対策を検討してみます。

ベルトコンベアにはさまれ 重体の71歳男性死亡 富山県射水市
(平成27年2月18日)

18日午前、射水市のリサイクル会社の工場で71歳の男性がベルトコンベアーにはさまれ、意識不明の重体となっていた事故で、男性はおよそ12時間半後に収容先の病院で死亡しました。

18日午前10時ごろ、射水市片口久々江のリサイクル会社の工場で、アルバイトの男性は長さ6メートル、幅75センチのベルトコンベアに右腕や体を巻き込まれました。

被災者は腕や胸の骨を折り、意識不明の重体となっていましたが、事故からおよそ12時間半後に収容先の病院で死亡しました。

ベルトコンベアは木のかけらを細かく砕く粉砕機につながっていて、事故当時、被災者は1人で周辺を掃除していたということです。

警察で、事故の原因を調べています。

チューリップテレビ

この事故の型は「はさまれ・まきこまれ」で、起因物は「ベルトコンベア」です。

事故にあわれたのは71歳の男性で、正社員ではなくアルバイトでした。

この方についてはわかりませんが、最近は一度定年退職をされてから、同じ会社にアルバイトや嘱託として働くということも多いので、もしかすると会社OBの方だった可能性もあります。
しかし、OBでなかったら、危険意識は低かったかもしれません。

事故を起こした機械はベルトコンベアです。
ベルトコンベアは、リング状のゴムベルトがぐるぐる一定方向に回転し、上に載せた物を運びます。

工場では、材料や製品が一方向に動きながら、組み立てたり、必要な処置を取られていきます。
今回の事故現場は、リサイクル工場だったので、廃棄されたものを載せていたのでしょう。

ベルトコンベアは、ローラーがぐるぐる回転し、ベルトを先に送っていきます。
この機械で、最も注意すべきことは、ローラーの回転に巻き込まれてしまうことなのです。

回転に巻き込まれるのは、手や足だけでありません。
衣服の一部が引っかかり、そのまま体が引き込まれてしまうということも、珍しくありません。

今回の事故も右腕から引き込まれてしまったということなので、手先や衣服が接触してしまったのかもしれません。

事故の時、被災者は1人でベルトコンベアの周りを掃除していたとのことです。
その時に近づきすぎたのだと思われます。

高齢になると視界が狭くなります。
そのため注意できる範囲も狭くなってしまうのです。

作業に集中していて、近くのベルトコンベアに意識が向かなかったのかもしれません。
その背景には、日々行っている仕事のため、ベルトコンベアへの注意も低下していたのかもしれません。

それでは、原因を推測してみます。

1.回転中のベルトコンベアに接触してしまったこと。
2.ベルトコンベアに対する注意を怠ったこと。
3.接触防止のための対策がとられていなかったこと。
4.安全教育が行われていなかったこと。


直接的な原因は、ベルトコンベアに接触したことですが、接触させないような事故防止対策がとられていなかったことも問題です。

また高齢者の特性を考えると、注意を喚起したり、1人で作業を行わせないなどの配慮も必要です。

作業を安全に行ってもらうためには、安全教育を行わなければなりません。

高齢の方も安全に作業を行えるようにするには、十分な対策と教育が大切なのです。

対策を検討してみます。

1.ベルトコンベアの回転部に接触しないよう柵や覆いを着ける。
2.高齢者を1人で作業させない。
3.安全に対する掲示を行い、注意喚起する。
4.安全教育を行う。


今後は高齢者の方が働くことも多くなります。
本人が注意していても、注意しきれるものではありません。

今後は、そのような状況に備え、十分な対策が必要になりますね。

安全対策として、さらに費用もかかるようになりますが、事故を防ぎ、作業者の命を守るためです。

十分な対策を行うことが求められていきますね。

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