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電気が人体に及ぼす被害

      2015/05/30

entry-223

ここしばらく電気に関する規則をまとめてきました。
そして、最も注意すべきことは、感電であると繰り返し書いてきました。

感電というと、何となくのイメージは浮かぶのではないでしょうか。

感電をとても簡単に説明すると、人体に電気が流れることで引き起こされる被害のことです。
被害には、バチッと痛みを感じたり、火傷などの他、重いものになると壊死、心臓停止などがあります。

感電が引き起こされる原因の多くは、電気が流れている電線や機械に触れたところ、電流が人体を通り、大地に流れたことで引き起こされます。
この人体に通った時に、様々なダメージを与えてしまうのです。

感電の被害は、一様ではありません。
様々な要素が関わってくるのです。

要素としては、次のものがあります。

1.電流の大きさ(電流が大きいほど、ダメージが大きい)
2.電流が流れた時間(電流が長時間流れている方が、ダメージが大きい)
3.電流の経路
4.交流か直流か


1と2は、何となく分かりますね。
では、3の経路は何でしょうか?

仮に手で電線を触った場合、電気は手から人体に流れ込み、胴体を通り、足から大地に抜けていきます。
この時、どういったルートを通るかによって、被害は変わるのです。

仮に、体の表面近くを通った場合は、火傷になるかもしれません。
しかし、もし心臓を通ると、心臓は停止します。

電気が流れてアフロになる程度で済むのは、アニメの世界だけです。

実のところ、感電はかなり深刻な事態になりかねないのです。

4の交流・直流は、電気の波形のことです。
どう違うのかなどは、電気の詳しい解説を見て頂ければと思うので、省きます。
一般に、交流のほうが小さな電流でもダメージが大きくなる傾向があります。

そういえば、昔エジソンとテスラが直流、交流の論争を繰り広げたりしていましたね。

さて、感電の被害は、一般に電圧が高ければ、高いほど大きくなります。
低圧よりも、高圧。高圧よりも特別高圧のほうが、致命傷になりやすいのです。

しかし、高い電圧がかかっていても、電流が流れなければ、感電はしません。
とはいえ、高い電圧がかかっていると、大電流が流れるので、被害は大きくなります。

重要なのは電流が流れるかどうかなのです。

流れる電流の大きさで、体に受ける影響や被害は異なります。

電流値と体に受ける影響をまとめると、次のようになります。

電流名称 電流値 影響・被害
最小感知電流 交流 約0.5mA
直流 約2mA
電撃を知覚する最小の電流。
ビリッとする。
苦痛電流 交流で約7~8mA 命に別状はないが、痛みを感じる。
筋肉がけいれんをしたように感じる。
耐えられる限界の苦痛。
離脱電流
(可随電流)
交流で約10mA 筋肉はけいれんするが、運動は可能。 離脱可能の限界。 意識ははっきりしている。
不随電流 約20mA 意識ははっきりしているが、運動の自由を失う。
自力での離脱はできなくなる。
心室細動電流 3~10秒の間、約40mAが許容限界 心臓がけいれん(心室細動)を起こし、正常な脈が打てなくなる。
死亡に至る。


離脱電流までは、自力で逃げられますが、不随電流以上であれば、もはや電気をストップさせる他、救出することもできません。

よく救命のためにAEDが備えられているのを見ると思いますが、あれは心臓に電流を流し、停止した心臓を動かすために行います。

動いている心臓に、電流が流れると、逆にけいれんを起こし、止まってしまうのです。

心室細動を起こしてしまった場合、しばらくすれば回復するということはありません。
速やかに救急車を呼び、救命措置が必要になるのです。

今では通電しているかどうかは、検電器でチェックしますが、不明な場合、少し触れてチェックするということもあるようです。
そんな時は、決して手のひらで触ってはいけないそうです。

なぜなら、電流が来てた場合、手のひらで触ると、反射的に手を閉じ、通電部を握ってしまうんだそうです。
そうなると、もう自力では手放せなくなることもありえます。

もし、万が一、どうしても触ってチェックする場合は、手の甲で触れるのだそうです。
そうすると、手を閉じても、通電部から逃げられるのです。

しかし、電気が通っている場所を触るのは、基本やってはいけませんね。

さて、感電によって人体に引き起こされる影響を見てきました。

感電といえども、症状は様々です。
決して骨が透けて見えたり、プスプスと煙を出して終わりということはありません。

一瞬で、心臓が止まるということも起こってしまうのです。

身近なものですが、危険が大きいのが電気です。
電気を取り扱う仕事は少なくありません。

常に、感電リスクを考え、防止対策を行っていくのが大切ですね。

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