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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

機械による危険の防止 共通一般その3

      2015/05/30

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機械とともに仕事をする時の原則は、作業中は距離を保つこと、直接触る場合は電源を切るか十分な準備をしてから行うことです。

近づかなければ、巻き込まれない。
触らなければ、怪我をしない。

家庭用ロボットなどであれば、コミュニケーションをとったり、人との触れ合いが需要視されます。
しかし工業用や産業用ロボットは、過度の触れ合いは、よい結果をもたらすとは限らないのです。

ほどよい距離を保ち、気を許し過ぎないこと、油断しすぎないこと。
これが機械との、付き合い方といえますね。


今回も機械共通の危険防止についてまとめていきます。

引き続き、安衛則の条文です。

【安衛則】

(ストローク端の覆い等)
第108条の2
事業者は、研削盤又はプレーナーのテーブル、シエーパーの
ラム等のストローク端が労働者に危険を及ぼすおそれの
あるときは、覆い、囲い又は柵を設ける等当該危険を
防止する措置を講じなければならない。


研削盤ば別名グラインダーとも言います。
プレーナーは、カンナのことです。

どちらも水平な台の上に木材や金属を載せ、表面を削ったり、磨いたりする機械です。

台の上に、材料を載せ、自動で送りながら表面を加工していきます。
材料を行き来させるような装置、つまりストロークする装置がある場合、人がその前後の位置に立つと、当たる危険があります。

ストローク端部などが、作業者と接触し危険を及ぼすおそれのある場合は、囲いや覆い、柵を設けなければなりません。

作業範囲には、人が入り込めないようにしなければなりません。

(巻取りロール等の危険の防止)
第109条
事業者は、紙、布、ワイヤロープ等の巻取りロール、コイル巻等で
労働者に危険を及ぼすおそれのあるものには、覆い、
囲い等を設けなければならない。


ロール機とは、布や紙など長いものを、くるくる巻いて大きな固まりにしていくものです。
最終的に、大小様々ですが、トイレットペーパーのようなものを作る機械といえます。

ロール機というからには、ロールがくるくると材料を巻きとっていきます。
この機械で気をつけなければならないことは、体が巻き込まれてしまうことです。

ロール機は、覆いや囲いを設けなければなりません。

危ないところには、近づかないというのが原則ですね。

(作業帽等の着用)
第110条
事業者は、動力により駆動される機械に作業中の労働者の
頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのあるときは、
当該労働者に適当な作業帽又は作業服を
着用させなければならない。

2 労働者は、前項の作業帽又は作業服の着用を命じられたときは、
これらを着用しなければならない。


機械を取り扱う上では、何より機械側で安全装置を備えなければなりません。
囲いや覆いや、安全装置の一部と言えます。

一方で、作業者も安全対策が必要です。
作業者が機械に挟まれたり、巻き込まれないように防ぐことも重要なのです。

作業者自身が意識していても、気づかぬ内に衣服の一部や、頭髪が機械に巻き込まれるということがあります。
手や足、指などであれば意識が行き届きますが、衣服とまでなると難しいものです。

当然ですが、ひらひらした服は作業に適しません。
長髪も巻き込まれる可能性を考えると、そのままでは不適と言えます。

機械に巻き込まれる恐れのある場合は、作業者に作業に適した帽子や服を着用させなければなりません。

多くの場合は、作業服やヘルメット、作業帽を着用して作業しなければならないはずです。

暑いからといった理由や、よく近づいて見るために帽子を脱ぐことはあるでしょうが、その場合は、回転している場所に近づくことは避けましょう。

服装を整えるということは、事故防止に大切なのです。

(手袋の使用禁止)
第111条
事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の
労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、
当該労働者に手袋を使用させてはならない。

2 労働者は、前項の場合において、手袋の使用を
  禁止されたときは、これを使用してはならない。


作業時は、手をけがしないように軍手や革手袋などを着用します。
滑りにくくなるとともに、不意の切り傷などは防いでくれます。

一方手袋を着用すると、精密な作業ができにくくなります。
手袋のままだと、物を掴みにくいことは経験があるかと思いますが、仕事上でもそのようなことが発生してしまうのです。

機械を取り扱っている時に、回転体に手袋の一部が引っかかり、そのまま引き込まれてしまうということがあります。
衣服が巻き込まれるのと同じ事故と言えますが、手元は注意していても、そんな事故が起こることがあるのです。

機械の回転体に手袋が巻き込まれるおそれがある場合は、作業者に手袋を着用させてはいけません。

注意しなければならないのは、「手袋を着けなければならない」ではないことです。
「手袋を着けてはならないということです。
この点を注意しましょう。

素手であれば、手袋の一部、繊維の一部が引っかかるということが防げます。

手袋をつけたほうが、怪我防止になりそうに思えますが、逆の場合もあるのですね。

機械の取り扱いは、機械側の安全対策と、作業者側の安全対策のどちらもが必要です。

一方だけでは、不十分なのです。

原則としては、稼働中は適度な距離を保つ、緊急時やメンテナンス等直接触る場合にはストップさせます。

これらが全ての機械において、共通する安全対策と言えます。

この安全対策に加えて、個々の機械特有の危険防止対策も有ります。

今後は、それらについて見て行きたいと思います。

まとめ。

【安衛則】

第108条の2
研削盤又はプレーナーのテーブル、シエーパーのラム等のストローク端が労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆い、囲いを設けなければならない。
第109条
巻取りロール、コイル巻等で労働者に危険を及ぼすおそれのあるものには、覆い、囲い等を設けなければならない。
第110条
動力により駆動される機械に作業中の労働者の頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのあるときは、作業帽又は作業服を着用させなければならない。
第111条
ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのあるときは、手袋を使用させてはならない。

 

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