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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

粉砕機や混合機の危険防止。

      2015/05/30

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製造とは、原材料に必要な加工を行い、製品にすることです。

製品にするためには、原材料を切ったり、曲げたり、穴を開けたりなど手を加えて、材料にして、これを元に製品に仕上げていくのです。

パンは、収穫したままの小麦では使えません。
小麦の皮をむき、乾燥させ、すりつぶし小麦粉にして初めて、パンの材料になるのです。

原材料の加工には、小麦を小麦粉にするように、粉にして使うものも少なくありません。

工場で使う機械ですから、家庭用のミキサーやブレンダーなどとは比べ物にならないほど、大きく強力です。

材料を粉々にするのならともかく、もしその中に人が巻き込まれたら。
とても恐ろしいことになります。

材料を粉にする機械を、粉砕機と呼びますが、その粉砕機や、材料を混ぜ合わせる混合機の規定についてまとめます。

【安衛則】

第6節 粉砕機及び混合機

(転落等の危険の防止)
第142条
事業者は、粉砕機又は混合機(第130条の5第1項の機械を除く。)の
開口部から転落することにより労働者に危険が生ずるおそれの
あるときは、蓋、囲い、高さが90センチメートル以上の柵等を
設けなければならない。
ただし、蓋、囲い、柵等を設けることが作業の性質上困難な
場合において、安全帯を使用させる等転落の危険を防止するための
措置を講じたときは、この限りでない。

2 事業者は、前項の開口部から可動部分に接触することに
  より労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、蓋、囲い等を
  設けなければならない。

3 労働者は、第1項ただし書の場合において、安全帯等の使用を
  命じられたときは、これを使用しなければならない。


粉砕機は、材料を粉々にし、すりつぶす刃を持っています。
混合機は、容器内に回転する刃を持ち、材料を混ぜ合わせます。

家庭用のミキサーが大きくなったものをイメージするとわかりやすいと思います。
ミキサーは回転する刃を持ち、これが高速回転することで、材料を細かくしたり、混ぜ合わせたりします。

家庭用のミキサーは蓋をしないと動かないようになっていますね。
これは容器の中の材料が、羽の回転で弾き飛ばされても、外に飛び散らないようにするためのものです。

そして、蓋にはもう1つの役目があります。
それは、運転中に中に手など体の一部を入れて、怪我をしないようにするためです。

ブロック肉を、ミンチにしてしまう機械です。
手を入れるわけにはいきませんね。

粉砕機や混合機も同様なのです。
これらの機械は大型なので、材料の投入口や開口部に、人が落ちないようにする必要があります。

粉砕機や混合機の開口部からの落下を防ぐために、蓋や覆い、高さ90センチ以上の柵を設けなければなりません。
どうしても、蓋や柵を設けられない構造の時は、開口部に近づく作業者に安全帯を着用させ、使用させなければなりません。


開口部の中は、刃が高速回転する恐るべき空間です。

ここに人が入らないことが何よりも重要な事なのです。

(内容物を取り出す場合の運転停止)
第143条
事業者は、粉砕機又は混合機(第130条の5第1項の機械
及び内容物の取出しが自動的に行われる構造のものを除く。)
から内容物を取り出すときは、当該機械の運転を
停止しなければならない。
ただし、当該機械の運転を停止して内容物を取り出すことが
作業の性質上困難な場合において、労働者に用具を
使用させたときは、この限りでない。

2 労働者は、前項ただし書の場合において、用具の
  使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。


機械の内部で、加工し終えた材料を取り出すときの注意です。

中で刃が回転してるのに、取り出そうと手でも入れようものなら、それは悲惨なことになります。

中身を取り出す時は、刃は止まっていなければなりません。

粉砕機や混合機の中身を取り出す時は、機械を停止させなければなりません。
機械の停止ができない場合は、適切な用具を使用しなければなりません。


機械を停止させた上で、中身を取り出すのが一番安全です。

仮に機械が動いている状態で取り出さなければならない時も、直接手を入れるなどはしてはいけません。
取り出すための道具や用具を使います。

動いている最中に、体の一部も中に入れてはならないのです。

機械の中には、加工が完了したら、自動的に取り出すものもありますが、この場合は、停止したり用具を使用する必要はありません。

粉砕機や混合機は、材料加工にとっては必要ですが、人が巻き込まれるのは、なんとしても防がなければなりません。

機械の事故を見ていると、長年使っていると、メンテナンスなどの効率を考え、安全装置を外してしまい、そのため巻き込まれたということが少なくありません。

粉砕機等の事故でも、蓋をあえて取り外しているというケースもあるようです。
さらに、容器の中でダマや固まりができていたりすると、材料の位置を変えようとして、開口部から手を入れてしまい、事故になるということも、少なからず起こっています。

中に落ちてしまう、巻き込まれてしまうと、まず助かりません。
しかし、慣れは、その危険意識を、麻痺させてしまいます。

仕事の効率を上げるのは、大事です。
しかし、効率だけを求めた結果、事故を起こしてしまうと、全てがストップします。
これこそ大ブレーキ、最も非効率的になることでしょう。

安全は、非効率的に見えるかもしれませんが、そんなことはありません。
効率化も、品質向上も、安全あってこそのことなのです。

まとめ。

【安衛則】

第142条
粉砕機又は混合機の開口部から転落防止の為、蓋、囲い、柵等を設けなければならない。
第143条
粉砕機又は混合機はから内容物を取り出すときは、当該機械の運転を停止しなければならない。

 

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