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クレーンの安全その17。クレーン構造を変更した時の手続き

      2015/06/29

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クレーンが設置された時には、落成検査を受けます。
原則として、クレーンの使用は、落成検査を着けた時の条件のみ許可されます。

かってに改蔵や、構造変更などは許されません。

なぜ、許されないのか。

改造や変更しての使い方では、安全が確認されないからです。

改造を行い、負荷がかかる位置が変わるかもしれません。
中には構造変更をしたため、荷重に耐えれなくなる箇所が出てくるかもしれません。

要するに、落成検査とは「このクレーンの構造と使い方ならOKだよ」と、確認するものなのです。
「構造や使い方」の条件を変えたら、OKじゃなくるわけです。

しかし、いつまでも同じ使い方が続かず、途中で構造変更等を行なうこともあります。

そうなった場合は、また検査を受けなければならないのです。 これを変更検査といいます。

今回は、クレーンの構造を変更した場合の手続きについて、条文をまとめていきます。

index_arrow クレーン構造変更時の届出

【クレーン等安全規則】

第5節 変更、休止、廃止等

(変更届)
第44条
事業者は、クレーンについて、次の各号のいずれかに
掲げる部分を変更しようとするときは、
法第88条第1項 の規定により、クレーン変更届
(様式第12号)にクレーン検査証及び変更しようと
する部分(第5号に掲げるものを除く。)の図面を
添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

  1)クレーンガーダ、ジブ、脚、塔
   その他の構造部分

  2)原動機

  3)ブレーキ

  4)つり上げ機構

  5)ワイヤロープ又はつりチェーン

  6)フック、グラブバケット等のつり具

クレーンについて、変更をしようとする場合は、労働基準監督署長に変更届を提出しなければなりません。
変更届には、検査証と変更部分の図面も添付します。

労働安全衛生法様式集 クレーンに関する書式は、ページ中程にあります。

これをもって、労働基準監督署の審査を行います。
審査を通っても、使用にあたっては次の条文の検査も必要になりますので、注意しましょう。

クレーンはどんな部分の変更も届けをしなければならないかというと、そんなことはありません。
例えば、色を替えるなどは、わざわざ届出を出す必要はありません。
労働基準監督署も、色を変えますのでと届出を出されても、お好きにとしか言いようがないでしょう。

届け出を出すのは、主要な部分についです。
主要な部分とは、1号から6号まで挙げられている部分ですね。

1.クレーンのジブやアーム、本体部分
2.エンジン(原動機)
3.ブレーキ
4.吊上げに関する装置
5.ワイヤーロープやチェーン
6.フックなどの吊具

全てクレーン作業の主要な部分ですね。

これらの変更は、届出が必要になります。

index_arrow クレーン変更検査
(変更検査)
第45条
前条第1号に該当する部分に変更を加えた者は、
法第38条第3項 の規定により、当該クレーンに
ついて、所轄労働基準監督署長の検査を
受けなければならない。
ただし、所轄労働基準監督署長が当該検査の必要がないと
認めたクレーンについては、この限りでない。

2 第6条第2項から第4項までの規定は、前項の
  規定による検査(以下この節において
  「変更検査」という。)について準用する。

3 変更検査を受けようとする者は、クレーン変更
  検査申請書(様式第13号)を所轄労働基準監督署長に
  提出しなければならない。この場合において、
  認定を受けたことにより前条の届出をしていないときは、
  同条の検査証及び図面その他変更検査に必要な
  書面を添付するものとする。

クレーンの主要部分を変更し、労働基準監督署長に変更届を出すと、次は検査です。
この検査は、変更検査と呼ばれます。

クレーンの主要部分に変更を加えたら、労働基準監督署長による変更検査を受けなければなりません。
ただし、労働基準監督署長が検査不要だと判断した場合は、免除になります。

この検査は、落成検査と同等になります。
そのため、荷重検査等も含みます。 ジブなどに変更があれば、吊上げられる強度も変わっている可能性があるからです。

前条の変更届を出したら、検査日が決まるわけではないので、注意しましょう。
別途、検査申請書を出さなければなりません。 これは届出とは別になります。

もし届出の際に、検査証や変更図面などを添付していなければ、検査申請書に添付します。

index_arrow 変更検査を受けるときの措置
(変更検査を受ける場合の措置)
第46条
第7条の規定は、変更検査を受ける場合について準用する。

クレーンの変更検査の際には、落成検査と同様の準備を行います。

具体的には、荷重試験や安定度試験のための重りを準備したり、玉掛け用具を準備します。

また、検査によってはボルトやリベットを外して内部を確認ということもあります。

クレーン則の第7条については、こちらに書いています。 この内容と同じということです。

クレーンの安全 その2。 設置後のイベント。落成検査。

index_arrow 変更検査後、検査証の裏書
(検査証の裏書)
第47条
所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格した
クレーン又は第45条第1項ただし書のクレーンについて、
当該クレーン検査証に検査期日、変更部分及び
検査結果について裏書を行なうものとする。

クレーンの落成検査に合格すると、検査証が発行されます。
その後は、2年以内に1回など、性能検査を受け、有効期限の延期を行います。

クレーンに変更を加えると、検査証の発行条件が変わるので、そのまま有効とするわけにはきません。とはいえ、一度発行された検査証は、新たに発行しなおすということもありません。

そこで検査証に、このクレーンは変更を加えたよと付け加えてやる必要があります。

この変更については、検査証の裏面に記入するに出、裏書を付けると言います。

変更検査に合格したクレーンの検査証には、検査日や変更箇所、検査結果を裏書します。

免許証でも、「メガネを着用」などの条件は、裏面に記入しますね。
変更検査による裏書も、同じようなものと言えます。

クレーンは製造から廃止まで、徹底的に管理され、いつも正常に稼働することが求められます。 吊上げ機能など主要部分の変更は、正常な稼働に支障きたすかもしれないので、検査という形でチェックされるのです。

クレーンを一度設置すると、常に検査が必要になるんですね。

index_arrow 条文の要約

【クレーン等安全規則】

第44条
クレーンについて、変更しようとするときは、クレーン変更届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
第45条
クレーンについて、所轄労働基準監督署長の検査を受けなければならない。
第46条
第7条の規定は、変更検査を受ける場合について準用する。
第47条
所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格したクレーン検査証に検査期日、変更部分及び 検査結果について裏書を行なうものとする。

 

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