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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

夏の感電リスクを防ぐ!

      2016/07/05

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夏を表す季語に、雷があります。
暑く晴れた日の午後、突如として雷を伴った夕立が発生しますね。

高い気温は、水蒸気を増やし、雷雲を育てます。
それがゴロゴロと鳴り、ピカピカと光輝きます。

この雷の音が怖く苦手な人もいますが、施設管理をしている人にとっては、落雷は停電や機械の故障を引き起こす厄介な存在とも言えます。
時々、落雷がひとしきりした後、電力会社がサイレンを鳴らして走っているのを見かけたりします。

雷は無論、電気ですよね。
この電気、雷以外の形でも夏場に猛威をふるうのです。

実は、夏は感電事故が多くなるのです。

今月の安全大会は、夏を迎えるにあたって、感電防止についてのお話です。

index_arrow 夏の感電事故

平成26年度の事故について、厚生労働省で公開されています。

それによると、死亡事故は15件。その内最も多い業種が、建設業で9件、次いで製造業の3件です。
また死傷事故は、116件。最も多い業種が建設業の59件、次いで製造業の29件です。

事故の比率としては、多いとは言えませんが、毎年これくらいの事故が発生しています。

建設業で発生件数が多いのは、電気工事を含むからです。
電柱や電線工事だけでなく、建築電気工事、また電気工具も扱うときに、感電してしまうのです。
製造業は、機械によって感電ということですね。

これを季節ごとの発生率で見ると、これが驚く事がわかります。

データであったのは、少し古いのですが、(株)レンタルのニッケンが平成20年に発行したニュースレターです。

レンタルのニッケン 安全ニュース NO.59(リンク切れ)

これによると、平成14年から19年までの5年間で感電による死亡者は全体で64人。
この内6月~9月の夏季に亡くなったのが44人で、約69%にもなるそうです。

非常に集中しているのが分かります。
正確な数字は出せないのですが、傾向としては今も変わりないようです。

建設業で、感電事故が多い傾向にありますが、電気工事は夏だけ行なうものではありません。 むしろ年度末にかけて仕事が増えます。
製造業も夏場だけ特に機械を使うこと訳ではないでしょう。

なぜ、夏に感電事故が多いのでしょうか。

夏といえば、高温。 これが原因のようです。

index_arrow 暑さと感電事故の関係

夏の暑さが、直接感電事故に影響するわけではありません。
暑くなると、汗をたくさんかきますね。

実は、この汗が感電事故を引き起こすのです。

水は電気を通しますよね。 それが塩水だと、なおさらよく通します。
汗といえば、塩分を含んだ水です。
電気が通りやすい条件をしっかり備えているのがわかります。

乾燥した状態であれば、空気中に逃げてしまう電気であっても、汗をかいた状態だと体に流れてしまうのです。

さらに、暑くなると薄着になります。 肌もむき出し、ゴム製の絶縁用保護具を着けるのも嫌になります。 ついついこれらの着用を怠ってしまうのも原因の1つです。

また暑くて頭がふらふらし、ついつい充電部に触ってしまうこともあるようです。

まとめると次のようなことが、夏の感電事故の原因です。

1. 発汗により、電気抵抗が低くなる。
2. 薄着で、肌を露出する。
3. 絶縁用保護具等の着用を怠る。
4. 判断力の低下、体の不調。

暑さは、このような原因を生み出してしまっているのです。

index_arrow 事故を防ぐには

対策として、汗をかくなというのは無理ですね。
またどうしても着こみたくもありませんよね。

そんな時こそ、感電防止の基本を守り、プラスαとして暑さ対策がよいのではないでしょうか。

基本とは、こんなことです。

1.作業場内のケーブルや電線は、被覆が破れていないかなどをチェックする。  
 少しの破損でも電気は漏れてきます。  
 もし見つけたら、ケーブルを取り替えるか、絶縁テープで補修です。

2.溶接機の出力側電圧端子、溶接棒ホルダー等について、絶縁被覆をチェックする。  
 被覆が破れていたら、補修します。  
 また自動電撃防止装置については、使用前に作動状況を確認します。

3.インパクトやグラインダー等の電動工具については、機器の端子と配線との接続部分の劣化をチェック。  
 劣化があると、その箇所より漏電する可能性があるため確実に補修します。  
 また湿度の高い場所で使用する場合は、感電防止用漏電遮断装置を備えます。

4.電線等の充電箇所の付近でクレーン作業を行う場合は、事前に囲いを着けるなどを行います。  
 何より、電力会社に相談しましょう。

5.電気機器については、接地を確実に行う。  
 万が一漏電した場合など、接地するとこで電気を逃せます。

これらの対策は、気温に関係なく行なうことですので、怠らず、むしろ感電リスクが高い時期こそ、入念に行います。

これに加えて暑さ対策です。
暑くなると、作業着の腕まくりをしたいですね。
絶縁用保護具も通気が悪いので、なるべく着用したくないですね。

しかし、充電箇所に近づく場合は、きちんと身だしなみを整えなければ、危険です。

汗は止められないのですが、今は送風機付きの服などもあります。
このような服で、内部から涼しくするのも手ですね。

私も暑いのが苦手で、漫画のような汗をかいてしまうものですから、何か露出を抑える工夫があればいいのですが、今思い浮かぶのは、送風機の作業服くらいです。

何かアイデアがあれば、ぜひ教えてください。

梅雨が終わると、本格的な夏です。
熱中症の危険もあるのですが、同時に感電も夏に増える事故です。

これも暑さとの闘いですね。
電気工事だけでなく、電動工具を扱う時も、よくよく注意してくださいね。

というわけで、今月もご安全に。

H2707月号

感電事故を防ごう(PDF)

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