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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

HAV(振動作業)をあなどるなかれ。

      2017/12/27

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Twitterで流れてきた記事で、興味ひいたものがあり、こりゃ役に立つぞと思ったので、紹介します。

流れてきた記事は、これです。

2 Million People at Risk – Do Your Workers Have HAVS?

英語の記事ですが、頑張って読みました。

HAVて何?ということですが、これはHand arm vibration syndromeというもので、日本語にすると振動障害ということです。

振動を長い間受け続けていると、手や腕に障害が出てくるのです。 イギリスでは、振動障害を発症している人が200万人もいるとか。 しかしこれは海外だけではありません。 当然、日本でも同様の障害をお持ちの方がいるのです。

林災防に、こんな資料がありました。

rinsaibo_HAVdata

平成17年から平成24年まで、約300人前後で推移しています。 業種別で見ると、建設業が最も多く、ついで林業です。

今回は、あなどると怖い振動作業についてす。

index_arrow 振動でどんな障害があるのか

そもそも振動を受ける仕事は、どんな仕事でしょうか?
工事現場の近くでは、体に振動を感じますね。 そういった振動でしょうか。

いえ、工事現場から出てくる振動どころではないのです。 主に振動作業というと、チェーンソーやコンクリートハンマなどの大きな電動工具を手に持って行なうものです。

チェーンソーは電動の刃が回転し、木を切ります。 エンジンの振動と木に接触して発生する振動が、ダイレクトに手に響くのです。

コンクリートハンマも同様です。 固いコンクリートを壊すために、杭の細かく振動する工具を使います。

私もコンクリートハンマを扱ったことがありますが、体全体が震えます。 マッサージチェアで、肩たたきモードにすると、ア゛ア゛ア゛ア゛と声が出てしまいます。 これのもっとすごいバージョンです。

ほんの10分程度扱っているだけなのに、しばらく指先がジーンとしびれたようになっていました。

この振動を長時間受けていると、障害が出てきてしまうのです。

長い間振動を受け続けるとどうなるか。

こんな写真があります。

hav_syndrome

これは、末梢循環障害の症状の中で特徴的なレイノー現象(白指発作)から、白ろう病という症状です。

見ての通り、指が真っ白になっていますね。実際にこんな風になるそうです。 これは、細かい振動をうけることにより、末梢循環障害、末梢神経障害、骨や関節など運動器障害が起こるからだそうです。

振動障害では、このような障害を引き起こしてしまうのです。

先に上げたブログでは、振動障害になりやすいのには、こんな特徴があるそうです。

1.建設業である。
2.作業者が振動する機械を使っていると、手や指にしびれや震えがあると文句を言う。
3.電動機やグラインダーなどの機械をしっかり持っている。
4.1日に15分以上、打撃系の電動工具を使用する。
5.1日に1時間以上、回転する電動工具を使用する。
6.日常的にグラインダーや、ハンマードリルなどの電動工具を使用する。

建設業や林業で使用する機械が、体に響いて障害になるようです。

何よりも、長時間振動を発生させる工具を使用することが、良くないようですね。

index_arrow 振動障害にならないための対策は

何よりも、長時間振動を持つ機械を扱わないことが重要です。

厚生労働省でも振動障害についてパンフレットを公開しています。

厚生労働省:振動障害の予防のために

ここには、振動障害になりやすい作業の一覧の他、管理の仕方について書いています。

1日の振動作業について、計算式があるのですが、少し小難しいかもしれません。 これは私がこういう計算式に苦手意識があるからでしょうが。

計算で細かく作業時間は算出できるのですが、目安は1日2時間以内です。
しかも連続2時間ではありません。 それでは、体がもちません。

せいぜい10~15分作業して、30分休憩というスパンでないと厳しいです。 途中休憩をはさみながら、トータル2時間ということです。

これが目安になるので、注意しましょう。

さて、振動障害を注意していても、完全に防ぐことはできません。

その徴候について、先のブログではこんなのをあげていました。

1. 指先にこまかい震えやしびれがある。
2. 指や手の感覚が鈍くなる。
3. 手に力が入りにくくなる。
4. 指先が白くなり、しばらくして血色が戻ると痛くなる。

こういった症状は、振動障害の予兆ですので、診断を受けましょう。

また振動障害のリスクを小さくするために、こんなことをやりましょうとまとめています。

1.一度に電動工具を使う時間を減らしましょう。休憩を適度に入れます。
2.振動が小さい機械を使いましょう。
3.工具の点検をしっかり行いましょう。機械の不備は余計な振動を生みます。
4.電動工具を強く押し付けないようにしましょう。 
5.電動工具は必要最小限の力で握りましょう。
6.電動工具はできるだけ室内などに保管し、持ち手が冷たくならないようにしましょう。
7.血行を良くするために体を温め、手が滑らないよう過剰な汗を拭いましょう。

このような対策で、多少はリスクを軽減できるようです。

さらに、振動に対しては、振動手袋などがあるので、それらもしっかり使うといいですね。

さまざまなメーカーが防振手袋を出していますね。

カミキ 防振手袋

アトム しんげんくん

丸五 防振万年・まもるくん

マックス マックグリーン

富士手袋工業 凸凹防振手袋

トラスコ中山 防振防滑手袋

シモン 防振手袋

ざっと調べただけで、これだけあります。きっと他のメーカーもあると思います。

うちの会社では何を使っているのかと、何人かの道具を見てみたら、カミキさんや丸五さんが多かったです。

体に振動を受け続ける仕事は、とても負担のかかるものです。
しっかりとした作業時間管理が事業者には求められます。

どのような仕事を、何時間行っているのか。

まず、しっかり把握して、作業方法の検討、機械の選定、時間管理を行なうことが、作業者の障害を防ぐことになります。

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