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「夏への扉」のように人生はやり直せない

      2015/08/16

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最近SFの面白さに気づきました。

きっかけは、最近やたらとAmazonで一押しされているJ.P.ホーガンの「星を継ぐもの」シリーズを読んでからです。
「星を継ぐもの」、「ガニメデの優しい巨人」、「巨人たちの星」の3部作は、名作古典と言われるだけあって、非常に面白かった。

これに勢い込んで、別の作品も読みだしたのですが、 ハインラインの「夏への扉」も非常に面白かったです。

もう10年以上前に、一度この本を手にしたことはあったのですが、冒頭がだるくて読むのをやめてしまったことがあります。 そんな経緯もあり、本当に今更ながらなんですが、面白さを体感しました。

SFは何だか無機質な印象があったのですが、なんてことはなく、とてもヒューマン・ドラマなんですね。 科学理論をすっ飛ばしても、十分楽しめるんだなと思いました。

「夏への扉」は、バック・トゥ・ザ・フューチャーのように、いわゆるタイムトラベルの話です。

奇しくもこちらも、バック・トゥ・ザ・フューチャーと同じく、30年の時間を超えます。 一度は冷凍睡眠で未来へ飛び、タイムマシンで過去に戻る。

過去に戻れるとしたら、何をしたいでしょうか?

きっと、心残りなことをやり直したいと思うのではないでしょうか。

index_arrow 過去には戻れないから

あまりネタバレするつもりはありませんが、ほんの少しだけ内容を明かすと、「夏への扉」は、過去をやり直し、取り戻す物語です。 これがまた、非常に痛快なので、読後の爽快感がたまりません。

年をとってきたからか、若い時に比べ後味悪い作品は嫌になってきました。
だから、なおさら「夏への扉」が良いと思ったのでした。

それはさておき、主人公のダンは、不本意なまま冷凍睡眠で未来に行きます。 そこで、過去に戻る方法があることを知り、不本意なことのやり直しを試みます。

現実の話として、過去に戻ってやり直すことは、誰であっても不可能ですよね。

私も先日、少し車のドアをこすってしまってしまいました。 幸い傷は浅く、コンパウンドで目立たなくなりましたが、ふと跡が目につくと嫌になります。
あの時、もう少し周りを見て入ればと思うものの、どうしようもありません。

車を擦る程度ならまだしも、過去に後悔を残すことは誰でもあるのではないでしょうか。

学生時代、友だちといっぱい遊べばよかった。
彼女を作る努力をすればよかった。
強情にならず、気になっていた子に連絡を取ればよかった。
恋人にもっと優しく接していたらよかった。
仕事で、あのミスがなければよかった。
家族ともっと一緒の時間を過ごしていればよかった。
病気になるくらいなら、もっと普段の生活で節制していたらよかった。
あんな中二病な言動をしなければよかった。
20代の時、もっと違うことしていればよかった。
30代の時は・・・・

数限りなくあるんじゃないでしょうか。

当然ですが、全て過ぎ去ったことなので、どうすることもありません。
黒歴史もまた、どうすることもできません。

これは事故も同じです。 起こってしまった事故をなかったことにはできません。 事故で受けた怪我や物損なども、なくせません。

中には、怪我をした原因について、はっきりしていることもあるでしょう。 車でふとよそ見をしていた瞬間に、追突してしまったなどです。

原因は分かっているし、過去に戻れたら絶対注意するということも、多々あります。

繰り返しますが、過去には戻れないので、どうしようもありません。

起きてしまった事故は、止められません。 また事故で受けた被害や怪我、死亡も取り消せません。 残るのは事実と痛みと後悔です。

index_arrow やり直せないから

事故の事実は取り消せませんし、被害を軽くすることもできません。

私たちにできることは、過去ではなく未来に向けて、今どうするかだけです。

厳然たる事実、過去は変えられません。

一方、未来は変えられる、選択できると、よく言われます。 確かに、未来のことは分からないので、決まっていませんよね。

未来に思うような結果をもたらすためには、意図した行動が必要です。
その行動は、いつやるの?
今でしょ。(by林修) というわけです。

事故の後悔を、過去に残さないためには、今何を行うかが大事です。

危険だと分かっていることを、あえてやることは避けます。
安全帯を使わずに、高所作業をしません。
機械の調子が悪いと分かっていても、修理せずに放置しません。
作業を行う前に、少し時間を取って、危険なポイントを考えます。

ほんの些細なことが、事故を防ぎ、生死を分けます。
とるに足らないと思うことでも、致命的な結果を招くことがあるのです。

過去には戻れないから、過去になる前の今をやれることをやるしかないのです。
それ以外に選択肢はないのです。

事故は人生を大きく変えます。 時には、人生そのものを終わらせます。
事故を防ぐことは、何よりもやるべきことではないでしょうか。

「夏への扉」で、猫のピートは、冬になると家の扉の1つが夏につながっていると信じ、開けろとせがみます。

うちの猫は、朝カリカリをよこせと首の上に乗ってきたり、体を擦り付けてきます。 朝の4時に。たまに夜中にも。 うちの猫はこの迷惑極まりない習慣を身につける前に、何とか戻ってくれないものでしょうか。

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