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点検中、破砕機に巻き込まれる事故(香川県観音寺市)

      2016/05/06

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機械に巻きこまれてしまう事故というものは、かなり凄惨な結果になります。

岩石やスクラップを粉々に砕く機械は、内部に取り込んだものが人か、そうでないかの区別はしてくれません。
取り込まれたものを、ただ細かくするだけです。

使っている工場は少なくありませんが、身近だけに恐ろしい機械だと言えます。

この機械へのはさまれ、巻き込まれの事故は製造業では2番目に多い事故です。
頻繁に起きる事故と言えますね。

香川県の観音寺市のスクラップ工場で、破砕機に巻き込まれ死亡するという事故がありました。

この記事は、まとめサイトで見たのですが、コメントでも一様に衝撃を受けているようでした。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討してみます。

index_arrow 事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。 なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

破砕機に巻き込まれ死亡(香川県観音寺市)
(平成27年7月31日)

観音寺市にある産業廃棄物の処理会社の工場で、古い紙などを破砕する機械の点検中に 行方が分からなくなっていた男性社員について、31日、警察は現場の状況などから機械に巻き込まれて死亡したことが確認されたと発表しました。

死亡が確認されたのは、観音寺市大野原町にある産業廃棄物の処理会社の工場長です。 警察によりますと、被災者は30日午前9時ごろから工場で、古い紙などを破砕する 高さ5メートルの機械の点検をしていて、行方が分からなくなりました。

警察が現場の状況などを調べた結果、機械から血の跡が見つかったことなどから 警察は、被災者が機械に巻き込まれて死亡したことが確認されたと発表しました。

警察によりますと、被災者と一緒にいた別の40代の男性社員が 「点検中に自分が機械を動かした」 と話しているということで、警察は業務上過失致死の疑いがあると見て、 引き続き当時の状況などを詳しく調べています。

NHKニュース(元記事が消えていますので、トップです。)

この事故の型は「はさまれ・巻き込まれ」で、起因物は「破砕機」です。

廃棄物を細かく砕く、破砕機という機械の点検中に起きた事故です。 工場場が、内部に入り点検をしていたところ、別の作業員が機械を動かしたのでした。

機械の中にいる工場長は、逃げる間もなく巻き込まれ、死亡しました。 廃棄物を砕く機械の内部に巻きこまれたのです、その現場は凄惨なものだったと想像されます。

とてつもなく痛い事故です。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow 事故原因の推測

この事故の原因は何と言っても、点検作業中にも関わらず、別の作業者が機械を動かしたということです。
一緒にいた作業者ということなので、内部に入って作業していたことは知っていたと思うのですが。

なぜ動かしたのかは、不明です。
何か勘違いしたのか、意図的ではなかったと思うのですけども。

機械の点検や整備などの時、機械を停止させなければなりません。
それと同時に、事情を知らない第三者が勝手に動かさないように、表示をつけたり、監視人を配置するなどが必要です。

なぜこのような措置が必要かというと、今回の事故を見ると明らかですね。

作業時の状況についても調査に明らかになってくるでしょうが、点検作業にあたって、きちんと作業手順が作られていたのか、電源を入れないようにと明確に伝えていたのかなどが、焦点になってくると思われます。

それでは、原因を推測してみます。

点検作業中に電源を入れたこと。
点検作業時、電源を入れないようにする体制ができていなかったこと。
点検作業時の作業手順が定められていなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow 対策の検討

事故は定常作業より、点検や修理などの非定常作業で起こりがちです。
理由は、作業手順が明確でなかったり、慣れていないからなどです。

毎日繰り返される作業は慣れて、ミスは少ないでしょう。
慣れない作業は、どうしても失敗があり、それが事故になります。

また非定常作業は、機械が故障した場合など臨時で必要になります。
頻度もそう多くないため、作業手順書を作っておくより、慣れている人が対応する事が多いです。

そのため、慣れていない人はどう対処していいのかがわからず、時として危険な行動に出るのです。

点検作業中にもかかわらず、電源を入れるなどは、危険な行動です。
今回のような事故を見ると、絶対ダメな行動を、誰もが理解できるようにする必要がありそうですね。

作業手順を定めておくのも大事ですね。

また点検作業時には、禁止事項や各作業者の役割を明確にします。
そして、最も大事なことは、点検作業中は電源を切り、作業が終わるまで入電しないことを明確に表示することです。

非定常作業でも、どんな作業を行い、どんな危険があるのか、危険を防ぐための対策は何かを明確にしてから、作業に取り掛かると、不慣れによる事故を防げるのではないでしょうか。

対策をまとめてみます。

非定常作業では作業手順を定め、段取りを決める。
停電作業では、電源を勝手に入れられないようにする。
点検作業中ということが分かるように明示する。

点検修理などの非定常作業では、慣れていないだけに危険な行動をとることがあるので、抑える事が大事です。
破砕機に巻き込まれるなんて、怖すぎです。

コメントの中でもあったのですが、「セメント樽の中の手紙」という作品は読んだことがあるでしょうか?
教科書にも載っているのかな?

大正から昭和初期の作品なので、かなり古いですが、状況としては、この事故と似通っています。

またこの作品も取り上げてみたいと思います。

index_arrow 違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

第107条
機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止させなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

機械による危険の防止 共通一般その2

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