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足場の鉄板が倒れ、第三者を傷つける事故(東京都港区)

      2015/09/03

entry-391工事現場には、大きな重機や仮設材などがあります。
現場で作業を行う人にとっては必要なものですが、現場付近を通行する人にとっては危険なものだったりします。

工事では、周辺住民や通行者など、第三者が巻き込まれる事故は、とても注意をはらいます。
訴訟問題にもなりますからね。

しかし、街中のビル工事などでは、作業場のすぐ側を多くの人が行き交います。

工事用の機械や仮設材、資材などの取り扱いは、非常に気を遣います。
どんなに注意し、気を遣っていても、ほんの少しのきっかけで第三者を傷つける事故が起こってしまいます。

東京都の港区で、足場の鉄板が倒れ、通行者に当たるという事故がありました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

事現場で足場の鉄板倒れる、女性が軽傷(平成27年8月19日)

19日午後1時半ごろ、東京・港区の工事現場で足場に使う鉄板が複数枚倒れ、歩道を自転車で走っていた女性がけがをしました。

警視庁によりますと、作業員が足場を組み立てるために鉄パイプを吊り上げていたところ、立てかけていた鉄板に鉄パイプが接触し、複数枚が倒れたということです。

女性は鉄板にぶつかって転倒し、右腕と右足を打撲するなどの軽傷を負いました。警視庁が事故の原因を詳しく調べています。

TBSニュース(元記事リンク切れ)

この事故の型は「倒壊・崩壊」で、起因物は「鉄板」です。

歩道の直ぐ側での工事現場で起こった事故です。
足場を組んでいる作業中だったので、建物など高所作業のための仮設工事中でした。

クレーンで手すりなどに使う鉄パイプを吊り上げたところ、立て掛けてあった鉄板に接触しました。
接触した勢いで、鉄板は歩道側に倒れました。
ちょうどその時、自転車で通行している人がいたため、この方に接触しました。

怪我の程度は、軽かったものの、打ち所が悪ければ重症になっていたことも考えれます。

街中で足場を組み作業をしている様子は、頻繁に見かけるので、いつでも起こりうる事故と言えます。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow事故原因の推測

直接の原因は、鉄パイプが鉄板に接触し、歩道側に倒れたことです。
なぜ、接触したのでしょうか。そして、接触したとしても倒れるのを防ぐことはできなかったのでしょうか?

鉄パイプはクレーンで吊り上げていました。
吊り上げに際して、鉄パイプはワイヤーなどでくくります。これを玉掛けといいます。
吊り方が下手だと、宙に浮いている時にワイヤーが外れて落下するため、技術を要します。 そのため玉掛けは、有資格者しか行ってはいけない業務です。

鉄パイプがどのように玉掛けされていたかが分かりませんが、もし中心に1本のワイヤーを通しだだけの「1本吊り」という方法であったなら、問題です。
長い棒の真ん中で固定しているだけだと、宙に浮いている間、グルグルと回転してしまいます。 回転していて、鉄板に接触したという可能性はあります。

また鉄板を壁などに立てかけているのも問題だったように思います。 次の作業を考えてのことでしょうが、少しバランスを崩すと、倒れてしまうような仮置き方法だと、このような事故を起こしかねません。

さらに、作業場と通行者の距離が近いというのも問題でした。 何か材料が飛んでしまった場合に近くに人がいると、危ないですよね。

それでは、原因を推測してみます。

鉄パイプの玉掛けが悪かったこと。
鉄板を立てかけていたこと。
作業場と通行者との間が近かったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow対策の検討

街中での作業では、材料が倒れたり、飛んでしまったりしても、通行者に害が及ばないように、距離を取る必要があります。 警察との協議にもなりますが、歩道を一部制限して、作業場のすぐ側は通行できないようにする必要があります。
もし、距離が取れない場合は、ネットやフェンスで囲う必要があります。
これが一番の通行者などの第三者への被害防止です。

鉄板などを立て掛けて仮置きすると、倒れやすいので、避けたほうがよいでしょう。
積み重ねるのが一番ですが、作業の都合上、立てておきたい場合は、ロープでくくるなどして、固定する必要があります。

またクレーン作業中に、鉄パイプが回転したり、落下したりしないように、玉掛けは有資格者が行わなければなりません。 棒状のものを玉掛けする場合は、1本吊りではなく、2点吊りなどを行なうと安定します。

近くに関係者以外もいることを理解した上で、材料の置き方も考える必要がありそうです。

対策をまとめてみます。

通行者に害が及ばないように距離をとるか、フェンスなどを設置する。
材料を立てて置く場合は、固定する。
玉掛けは、有資格者が行なう。

街中や住宅街での作業は、近くに工事関係者以外もいる現場になります。
工事関係者以外は、作業場での危険がよく分かりません。
そのため、十分に注意を払ってあげる必要があります。

事故は、自分たちもですが、第三者にも及ばないようにする必要がありますね。

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