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危険物乾燥設備の取り扱い

      2015/11/25

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危険を伴う作業の1つに、乾燥作業というものがあります。

乾燥というと、ぱっと浮かぶのは、服の乾燥機ではないでしょうか。
もしくは、食器乾燥機などでしょうか。

もちろん、服や食器などの乾燥は、稼働中に手を入れると、火傷をする可能性があります。まあ、稼働中に手を入れることは、構造上無理ですけどね。
安衛則で、取り扱いを規定している乾燥設備とは、服や食器などではありません。危険物の乾燥です。

爆発したり、火災になりやすい危険物は、乾燥させるとその危険度は増します。
乾燥作業中に爆発や火災ということもあるのです。

そのため、安衛則では危険物の乾燥設備について、設備の構造などに規定を設けているのです。
【安衛則】

第5節 乾燥設備

(危険物乾燥設備を有する建築物)
第293条
事業者は、危険物乾燥設備(乾燥室に限る。以下この条において同じ。)を
設ける部分の建築物については、平家としなければならない。
ただし、建築物が当該危険物乾燥設備を設ける階の直上に階を有しないもの
又は耐火建築物若しくは準耐火建築物である場合は、この限りでない。

この条文で書かれている危険物とは、安衛令別表1にあるものを指します。
具体的な物質は、別表を参照してもらえたらと思うので、一々あげませんが、分類ではこんなのがあります。
「爆発物」、「発火性のもの」、「酸化物」、「引火性のもの」です。

爆発性のものというと、火薬などですね。火薬は湿気ていては使えません。乾燥させてやる必要があります。つまり火薬の乾燥設備などでは、これから挙げられる条文が適用されるのです。

さて、危険物乾燥設備を設ける時には、決まりがあるというのが、この条文です。

危険物乾燥設備は、平屋に設けなければなりません。
2階以上の場所には設けてはいけません。

ただし、2階以上に設けられる例外もあります。
それは、乾燥設備より上が吹き抜けになっているなど、上の階がない場合、または耐火建築物、もしくは準耐火建築物の内部に設けられる場合です。

原則1階の平屋に置きましょう。

これは、火災が起こった時に、火は上に上に燃えていきます。燃え広がりを防ぐ目的と言えるでしょう。

(乾燥設備の構造等)
第294条
事業者は、乾燥設備については、次に定めるところによらなければならない。
ただし、乾燥物の種類、加熱乾燥の程度、熱源の種類等により爆発又は火災が
生ずるおそれのないものについては、この限りでない。

  1)乾燥設備の外面は、不燃性の材料で造ること。

  2)乾燥設備(有機過酸化物を加熱乾燥するものを除く。)の内面、
   内部のたな、わく等は、不燃性の材料で造ること。
  3)危険物乾燥設備は、その側部及び底部を堅固なものとすること。

  4)危険物乾燥設備は、周囲の状況に応じ、その上部を軽量な材料で造り、
   又は有効な爆発戸、爆発孔等を設けること。

  5)危険物乾燥設備は、乾燥に伴って生ずるガス、蒸気又は粉じんで爆発
   又は火災の危険があるものを安全な場所に排出することができる構造のものとすること。

  6)液体燃料又は可燃性ガスを熱源の燃料として使用する乾燥設備は、
   点火の際の爆発又は火災を防止するため、燃焼室その他点火する箇所を
   換気することができる構造のものとすること。

  7)乾燥設備の内部は、そうじしやすい構造のものとすること。

  8)乾燥設備ののぞき窓、出入口、排気孔等の開口部は、発火の際延焼を防止する位置に設け、
   かつ、必要があるときに、直ちに密閉できる構造のものとすること。

  9)乾燥設備には、内部の温度を随時測定することができる装置及び内部の温度を
   安全な温度に調整することができる装置を設け、又は内部の温度を自動的に
   調整することができる装置を設けること。

  10)危険物乾燥設備の熱源として直火を使用しないこと。

  11)危険物乾燥設備以外の乾燥設備の熱源として直火を使用するときは、
   炎又ははね火により乾燥物が燃焼することを防止するため、有効な覆い
   又は隔壁を設けること。

乾燥設備は、爆発や火災の危険が付きまとうのですから、これらを防ぐことを念頭に置き作ります。

危険物乾燥設備は、一定の構造のものでなければなりません。
ただし、爆発や火災が起こらないものを乾燥させる場合は、必要ありません。

さて、守らなければならない構造は、次のとおりです。

1.外面は、不燃性の材料で造る。
2.内面、内部の棚、わくなどは不燃性の材料で造る。
3.側部と底部を堅固にする。
4.周囲の状況に応じ、上部を軽量の材料で造る。または爆発戸や爆発孔を設ける。
5.ガスや蒸気など爆発や火災の危険があるものを、安全に排出できるようにする。
6.液体燃料や可燃性ガスを使用する場合は、燃焼室や点火箇所を換気できるようにする。
7.内部は掃除しやすいようにする。
8.のぞき窓や出入り口などの開口部は、発火時に燃え広がる恐れのない場所に設ける。また直ちに密閉できるようにする。
9.内部の温度が測れるようにする。また内部の温度を自動制御できるようにする。
10.乾燥の熱源として、直火を使用しない。
11.危険乾燥物以外の乾燥で、直火を用いいる場合は、覆いや隔壁を設ける。


燃え広がらないようにすること。もし爆発や火災があった場合でも、なるべく被害を最小に留める構造にすることが求められるのです。

(乾燥設備の附属電気設備)
第295条
事業者は、乾燥設備に附属する電熱器、電動機、電灯等に接続する配線
及び開閉器については、当該乾燥設備に専用のものを使用しなければならない。

2 事業者は、危険物乾燥設備の内部には、電気火花を発することにより危険物の
  点火源となるおそれのある電気機械器具又は配線を設けてはならない。

乾燥設備の多くは、電気で制御されます。
これは家庭用の乾燥機や食器乾燥機を考えればわかりますよね。
前条にありましたが、危険物の乾燥で直火、つまり火を使うことは禁止されています。

電気も点火源になり、火災の原因になりますから、乾燥設備に接続する電気設備には、火災防止の構造になっていないとだめなのです。

乾燥設備に接続する電気設備は、その機械専用のものを使用しなければなりません。

電源が、他の機械にもつながっているといった、いわばタコ足配線のようなことはしてはならないということです。

また、乾燥設備の内部は、引火性のものに満ちているのですから、火花を飛ばすような配線や機器を置いてはいけません。

乾燥設備は、危険物がより爆発、燃えやすい状態にするための設備です。
そのため、火災に注意した構造にすることが求められるのです。

まとめ。
【安衛則】

第293条
危険物乾燥設備を設ける建築物については、平家としなければならない。
第294条
乾燥設備は、不燃材で造るなど、一定の構造を備えなけばならない。
第295条
乾燥設備に付属する電気設備は、専用のものを使用しなければならない。
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