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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

鉄建建設大阪支店の道場生野作業所で行われている「安全八策」は使えるアイデアが満載のようです。

      2015/11/24

entry-477今回の労働新聞社の「安全スタッフ」(NO.2246(平成27年11月15日号))の特集は、非常に面白かったです。工事現場で使えるアイデアもたくさんあったので、紹介したいと思います。

今回の特集は、鉄建建設大阪支店の道場生野作業所で行われている安全政策と、高齢者の働きやすい現場づくりについてですが、まずは、鉄建建設の現場安全政策を紹介します。

これが、とてもすごいのです。

道場生野作業所は、兵庫県神戸市北区での工事現場です。
工事は長期に渡り、数多くの業者が出入りしています。様々な作業が同時に行われているので、全体を調整するのも一苦労です。

そこで、行われている安全対策が、「安全八策」というものです。
幕末に坂本龍馬が策定したという「船中八策」になぞらえたものですね。

八策には、このような内容が含まれています。

1.作業所長の安全周知方針
2.快適職場(メンタルヘルス)
3.安全啓蒙活動
4.他山の石
5.交通安全
6.安全管理
7.健康管理
8.安全設備


並々ならぬアイデアが込められています。
例えば、5の交通安全では、「ながら運転禁止」ということを徹底しています。「食べながらの運転禁止」、「メールしながら運転禁止」などの一覧ステッカーを作業者に配布したりしています。
これだけでも、使えそうですよね。

また8の安全設備では、ショベルカーの後進時の接触事故を防ぐために、自動車でよく使われるバックビューカメラを付けるということを推奨しています。

特に私が唸ったのが、足場のジョイント部には、どうしても隙間ができます。この隙間に対して私は、トラテープを貼付けて注意をうながす対処をしたことがあります。しかしこの現場では違います。完全に隙間を埋めてしまうのです。
うーん、この対処だけでもそれなりに費用がかかると思いますが、徹底しているなと思いました。私が担当している現場では、予算や手間を考えるとそこまでできません。

このように一つ一つが参考になるのですが、中でも注目したものを紹介してみたいと思います。
紹介したいのは、

1.作業所長の安全周知方針
3.安全啓蒙活動
4.他山の石


についてです。

これらの対策で共通していて、素晴らしいなと思うのが、双方向コミュニケーションを実現していることです。

index_arrow双方向コミュニケーションのある安全活動

1の作業所長の安全周知方針は、作業所長が、安全活動の指針を出し、みんなに伝えるということです。
何事も、一貫性がないと説得力はありません。安全に限りませんが、トップから作業者まで、全員が思いを一つにしてこそ、実現するのです。

もし「お客様第一」とスローガンを掲げているのに、トップが客を騙してでも売上を上げろと指示していたら、言ってることとやってることが違うと思ってしまいますよね。

安全活動でも、トップの姿勢が非常に大事です。
この現場では、作業所長が安全標語を出したり、顔が見えるようにして、安全文化を作っているといえます。こういった安全標語が定期的に更新されると、作業者の気持ちも新鮮になるものです。

3の安全啓蒙活動ですが、これがとてもすごい!
意図しているのは、掲示物などは見てもらえないと意味がない。だから目立たせ、見てもらえる安全掲示を作ることを心がけていることです。いわば安全見える化といえますね。

オリジナルキャラクターを使った、ポスターや掲示物などが、どでかくババーンと目につくところに掲げられています。墜落・重機接触、倒壊という三大事故というのがありますが、これもデデーンと目立つように描けば、また心への入り込み方が違ってくるのです。
しかも標語は、作業者から募ったりもあるそうです。

安全標語などの掲示物を数多く掲げるところは少なくありません。
多くの場合、それは市販のものですし、作業者の目につくことで、気を引き締める効果があります。しかし内容があまりに一般的すぎると、読み流されてしまうのです。

現場にあった注意を掲げ、足を留めさせる。
私も自分の現場で、「安全クイズ」というものを掲示しましたので、この取り組みは非常に面白く感じたのでした。

スルーされない安全掲示を作りたくて、安全のクイズを貼ってみた。

4の他山の石は、いわば事故事例研究です。
他の現場であった事故やトラブルを紹介し、自現場ではどうしていけばいいかと考えさせるというものです。事故事例は、それだけだとただの他人事にすぎません。事例が意味をなすのは、自分の身に置き換えたときです。

他の現場で起こることは、自分の現場でも起こる可能性がある。
きちんとシミュレーションさせることは、事故防止につながりますし、よい安全教育になります。

簡単にまとめると、こんなことになりますが、現場で使えそうなアイデアがたくさんあるのではないでしょうか?

いずれも、ただ一方的に元請けが協力会社に指示する、伝達していることではありません。
きちんと協力会社からの情報吸い上げを伴っています。

一方的な関係ではなく、きちんとお互いに情報を発信し、受信する関係は、信頼につながります。
安全は全員で実現することなのですから、双方向のコミュニケーションが築けていることは、非常に重要なことです。

index_arrow安全は凡事徹底

もう一つ安全活動で、大事なことがあります。
それは、日々行うこと。小さなことを徹底することです。

凡事徹底。

安全は革新的なイノベーションで、実現するものではありません。
ちょっとしたことを確実に行うことです。

所長方針表明も、続けているから意味があります。一言二言だけだから、ちょっとくらいサボってもいいだろうではなく、続けるからこそ、作業者に伝わるのです。

事故の芽は、小さな違和感から起こります。この小さな違和感を見つけるのは、小さなことに目を向けていないと難しいですね。

安全活動は、毎日行うことです。
積み重ねではありません。毎日新たに行うことです。
鉄建建設の現場では使えるアイデアがたくさんあります。すぐにとりいえ

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