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部活事故と労災事故の共通点。コピペ事故を知ること

      2015/12/06

 

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現代ビジネス の記事を見ていて、ハッとするものがありました。

それが、この記事です。

親が知らない「部活動リスク」 〜なぜ学校では「コピペ」のような事故が繰り返し起こるのか?柔道・野球・巨大組体操… (内田良 名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授)

学校の部活動では、怪我を負ったり、ひどい時には亡くなるという事故があるようです。
何年か前には、柔道で頭を打ち亡くなるという事故が報道されていたことも記憶にあります。

部活動ではありませんが、同じ学校活動での事故には、運動会で行う10段ピラミッドの組み体操なども、深刻な事故に繋がると取り沙汰されていたのは記憶に新しいと思います。

10段ピラミッドは安全確保の上に行われているのか

私が学生時代には、部活で怪我をするのはある程度覚悟の上でした。といっても、擦り傷や突き指程度ですけども。死亡するまたは骨折といった大事故はやはり、大問題です。

部活動の大事故の例として、記事では柔道をあげています。

「1983~2011年度にかけて計118件の死亡事故が起きてきた。多くは、中学1年生または高校1年生の事故である。部活動の練習中に、投げられて頭部を損傷(死因は主に急性硬膜下血腫)することによって発生している。」


図1として、柔道における学年別の死亡件数(1983~2011年度)が挙げられていますが、内訳は次のとおりです。
中学1年生 52.2%
中学2年生 35.0%
中学3年生 12.5%
高校1年生 65.4%
高校2年生 25.6%
高校3年生 9.0%

中学1年生と高校1年生の事故率が、突出しているのが分かります。これはなぜか。
理由は、初心者だからです。

柔道では最初に受け身を習います。
その受け身が十分に身についておらず、深刻な事故に至るといえます。

この問題を受け、積極的に注意することで、2012年から2014年は死亡事故がゼロだったそうです。
これを聞くと、やればできるんじゃないかと感じます。逆に言うと、今までやれるのにやっていなかったという事実に行き当たるのですけども。

しばらく死亡事故がゼロだったものの、2015年5月に死亡事故が起こってしまいました。
4月から柔道を始めた中学1年生が、先輩に大外刈りをかけられたとき、後頭部を打ち、亡くなってしまいました。

注目すべきは、この事故は典型的な事故ということです。
あまりに他に類似例が多く、報告書がコピペではないかと疑うほど、同じ状況での事故だったそうです。

中でも、大外刈りでの死亡事故は、突出して多く、もし指導者がそのことを知っていれば、注意できたかもしれません。

コピペ事故というくらい同じ状況の事故が多いのに、一向に減らないのはなぜか。
これは部活事故だけではなく、職場の事故も同じことが言えるんじゃないでしょうか。

この記事を読んだ時、労災事故と共通点が多いのではと、ハッとしたのでした。

index_arrowコピペ事故の背景は

コピペ事故というくらいですから、あちこちで同じような事故が起こっています。
どうして、同じような事故が起こるのでしょうか。

記事では、このように原因を述べています。

「事故の具体例を挙げていけば、キリがない。じつは、これらコピペ事故が起きる根本的な要因がある。それは、そもそも「事故情報の詳細が公表されない、共有されない」という問題である。」


事故があれば、報道はされます。しかしそれは個別の事故としてです。
時には、杭打ち不良や食品偽装のように、ブームになるとこぞって取り上げられることもありますが、背景まで踏み込みきれません。
そして、事故から次に繋げられるものが乏しいのです。

残念ながら、柔道の事例のように、大きな話題にならないと、今のやり方の見直しは行われません。同じような事故が頻発していても、自分たちとは関係がないのです。もちろん個々の指導者の中には、注意されていた方もいたでしょうが、標準化されていないと、津々浦々まで及びません。

事故事例はたくさんあったでしょうが、それを再発防止に役立てないと意味がありません。
もし再発防止が検討されていたならば、防げた事故も少なくないでしょう。

これは部活の事故だけではないのは、言うまでもありません。
建設業での事故、製造業での事故も同じです。

建設業では、よく三大事故防止をスローガンに掲げている事が多いです。
三大事故とは、「墜落」、「重機接触」、「倒壊・崩壊」です。

この3種類の事故が全体の6割以上を占めるのです。これらの事故を重点的に対応してくことが、全体の事故比率を下げることになります。

3大事故もコピペのように同じような事故が頻発しています。
このブログでも、事故事例を紹介していますが、いくつか傾向が見られます。

・土止め支保工をせずに作業していたところ、土砂崩れにあった。
・塀の側で掘削していたら、崩れてきた。
・足場作業中に、足を踏み外した。
・機械が動作しているのに点検しようとして、まきこまれた。

こういった事故は、幾度となく取り上げています。

間違いなく、これらの事故の関係者は、危険を認識していたと思います。
それでも、同じ状況で、同じような事故が繰り返されているのです。それこそコピペのように。

ここまで書いてみて、考えたのですが、安全指導の仕方をもっと具体的にするべきなのかもしれません。

部活の柔道の事故であれば、「柔道を始めて1年未満のものには、大外刈りをかけてはいけない。」などと具体的に、はっきりと誤解の余地のない指針を作ると分かりやすいのかもしれません。

土砂崩れであれば、法規制もあるのですが、「塀や壁の側では、土止め支保工などの支えを設ける。」というものです。短時間師から掘らない場合はどうするのかなどもありますが、明確な指針があると、始動もしやすくなります。

そのためには、事故事例をよく分析しなければなりません。
建設業組合などでは、情報が集まりやすいので、累計典型をまとめ、公表してほしいものです。
ある程度はできるのですが、いかんせん、事故報道だけでは、詳細な状況がわかりません。

特殊な事故というのは、それほどありません。
むしろ、ありふれた事故の方が多いです。ありふれた事故で、亡くなる人が多いのです。

コピペのように繰り返される事故に対して、具体的な対策を与え、注意していくのは、今後の課題です。 1つのパターンを潰せたら、拾う命が多いはずなのです。

部活の事故だけではなく、これを他山の石として、ぜひ各業界団体や協会にも、パターンを分類した情報公開してもらえたらなと思います。

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