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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

コンクリート橋架線作業を行う時の危険防止

      2016/01/25

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橋には鉄橋もあれば、コンクリートの橋もあります。
鉄橋より、コンクリートの橋の方が多いかもしれません。

鉄も同じですが、コンクリートも劣化します。ここ数年問題になっているもので、高度成長期などに作られたコンクリート橋の劣化があります。コンクリートの劣化により、表面が剥げ落ち、中の鉄筋が現れ、サビてしまいます。こうして劣化が進んだ橋は、いつ落ちるか分からないものですから、危なくて渡れません。

劣化した橋は架け替えたり、補修したりする必要があるのですが、莫大な費用がかかるので、簡単ではありません。

今後新しく架けられる橋もあるでしょうが、架け替えや補修が増えてくるはずです。

そんなコンクリート橋を架ける作業は高所作業も伴うこともあり、鉄橋の作業などと同様に、安衛則で規定されています。

【安衛則】

第8章の6 コンクリート橋架設等の作業における危険の防止

(作業計画)
第517条の20
事業者は、令第6条第16号の作業を行うときは、あらかじめ、作業計画を定め、
かつ、当該作業計画により作業を行わなければならない。

2 前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。

  1)作業の方法及び順序

  2)部材(部材により構成されているものを含む。)の落下又は倒壊を防止するための方法

  3)作業に従事する労働者の墜落による危険を防止するための設備の設置の方法

  4)使用する機械等の種類及び能力

3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項各号の事項について関係労働者に
  周知させなければならない。

令第6条第16号の作業とは、次の作業のことです。
【安衛令】

第6条
16 橋梁の上部構造であって、コンクリート造のもの(その高さが5メートル以上で
あるもの又は当該上部構造のうち橋梁の支間が30メートル以上である部分に限る。)の
架設又は変更の作業

コンクリート製の橋を架ける作業で、高さが5メートル以上のもの、または橋梁の支間が30メートル以上の場合です。 これらの橋の場合、条文が適用されます。

高さが5メートル以上または、橋梁支間が30メートル以上のコンクリートの橋の作業を行う時は、作業計画を定めなければなりません。

作業計画には、次の内容を盛りこまなくてはなりません。

1.作業の方法及び順序
2.部材の落下や倒壊の防止方法
3.作業者の墜落危険の防止方法
4.使用する機械の種類と能力

鉄橋架線作業と同じですね。橋梁と橋梁の間に、コンクリートを打込み橋渡しします。体一つと隣は空中という状況も少なくありません。かなり過酷な環境での作業です。そのため、どんな機械を使い、作業者が安全に作業を進めるのかという計画作りは非常に大事です。

計画がなければ、行き当たりばったりの作業になります。実際には、長年の経験により、作業手順は頭にあって進める、間違いなく事故が起こるということはないでしょうけども。
しかし、事前に作業する場所の特性を調査し、その特性に合わせた作業方法や機械の選定、そして安全に作業を進める方法を決めておくと、事故の可能生を小さくすることができるはずです。

(コンクリート橋架設等の作業)
第517条の21
事業者は、令第6条第16号の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。

  1)作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。

  2)強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、
   当該作業を中止すること。

  3)材料、器具、工具類等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を
   労働者に使用させること。

  4)部材又は架設用設備の落下又は倒壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、
   控えの設置、部材又は架設用設備の座屈又は変形の防止のための補強材の取付け等の
   措置を講ずること。

コンクリート橋の架線作業も、高所作業のため、墜落や落下の危険を防止しなければなりません。特に悪天候時の作業は、危険が高まるので、対応する必要があります。

コンクリート橋架線の作業の際は、関係以外の立入禁止、悪天候時の作業を禁止、材料工具の吊り上げ等では、つり綱などの使用などの措置をとらなければなりません。また、部材や設備の落下や倒壊の危険を防ぐため、部材や設備の座屈または変形防止の補強材の取付を行います。

橋は非常に重量があります。橋自身の重量のため変形し、崩壊することもあるのです。橋の崩壊は、作業者のみならず、場合によっては、周りに住んでいる人にも被害をもたらします。事故を防ぎ、被害を出さないためにも、補強材をつけることは大切な安全措置になるのです。

(コンクリート橋架設等作業主任者の選任)
第517条の22
事業者は、令第6条第16号の作業については、コンクリート橋架設等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、
コンクリート橋架設等作業主任者を選任しなければならない。

鉄橋と同様にコンクリート橋の架設作業も、危険と隣り合わせの工事です。
危険作業では、有資格者による作業の仕切りが必要になります。

高さが5メートル以上または、橋梁支間が30メートル以上のコンクリートの橋の作業を行う時は、作業主任者を配置します。

作業主任者は、コンクリート橋架設等作業主任者技能講習を修了した、有資格者から選任します。

(コンクリート橋架設等作業主任者の職務)
第517条の23
事業者は、コンクリート橋架設等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

  2)器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

  3)安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

作業主任者は、現場にいて、現場作業を仕切らなければなりません。

コンクリート橋架設等作業主任者は、現場で必要な措置をとらなければなりません。

作業主任者が行うことは、次のとおりです。

1.作業者の配置を決めて、作業を直接指揮する。
2.器具や工具、保護具の点検。
3.保護具の使用状況を監視する。

作業主任者は、他の作業主任者を必要とする作業と同様に、現場に常駐し、指揮にあたらなければなりません。

(保護帽の着用)
第517条の24
事業者は、令第6条第16号の作業を行うときは、物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、
当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

2  前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない

コンクリートの解体作業と同様に、コンクリート橋架線作業でも破片や材料、工具が降ってくる危険があります。これらが頭に当たると大怪我をしたり、打ちどころによっては命を落とします。

コンクリート橋の作業は、高所作業でもあるので、衝撃吸収ライナー付きの飛来・落下と墜落・転落兼用の保護帽の方がいいですね。

まとめ。

【安衛則】

第517条の20
コンクリート橋架線の作業を行うときは、あらかじめ、作業計画を定め、それに従って作業を行わなければならない。
第517条の21
コンクリート橋架線の作業を行うときは、立入禁止、悪天候時の作業中止等の措置を行わなければならない。
第517条の22
コンクリート橋架線の作業については、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を専任しなければならない。
第517条の23
コンクリート橋架線作業主任者は、作業方法の決定や指揮、器具等の点検、保護具の使用状況の確認を行わなければならない。

第517条の24
コンクリート橋架線の作業では、保護帽を着用しなければならない。

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