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クレーン則の玉掛け規定。

      2016/02/08

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クレーン作業は、物を吊る作業です。吊るためにはワイヤーやナイロンスリングなどの吊具が必要になります。
それらの吊具で物をくくったり、縛ったりすることを玉掛けといいます。

玉掛けは、数ある資格作業の中でも基本となるものといえます。
クレーン作業だけでなく、土木、建築といった作業でも必要になります。先日、「鳶 上空数百メートルを駆ける職人のひみつ」という本を紹介したのですが、とびの職人が最初に取得する資格も玉掛けの資格だそうです。
重いものを持ち上げる作業は、あらゆる作業で必要になるのです。

何より玉掛けはクレーン作業では欠かせません。
そのためクレーン関係の法律をまとめたクレーン則でも、玉掛けについての条文がまとめられています。

【クレーン則】

第8章 玉掛け

第1節 玉掛用具

(玉掛け用ワイヤロープの安全係数)
第213条
事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛用具であるワイヤロープの
安全係数については、6以上でなければ使用してはならない。

2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、当該ワイヤロープに
かかる荷重の最大の値で除した値とする。

玉掛けは重量のある物を、ワイヤーロープなどでくくり、吊り上げます。
そのため玉掛けでもっとも重要なものは、ワイヤーロープといえます。
ワイヤーロープが貧弱だと、吊っている最中にちぎれ、物が落下します。機械で吊るような重量物が落下するということは、危険極まりないことは分かりますよね。
ワイヤーロープは何より丈夫でなければなりません。

ワイヤーロープの丈夫さは、安全係数というもので確認します。安全係数とは、ワイヤーロープの切断荷重の値を、ワイヤーロープにかかる荷重の最大の値で除した(割った)値です。

安全係数の値は、使い続け、古くなると下がります。そのため古くなったワイヤーロープの強度には注意が必要です。

(玉掛け用つりチェーンの安全係数)
第213条の2
事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛用具であるつりチェーンの安全係数については、
次の各号に掲げるつりチェーンの区分に応じ、当該各号に掲げる値以上でなければ使用してはならない。

 1)次のいずれにも該当するつりチェーン 4
  
   イ 切断荷重の2分の1の荷重で引っ張った場合において、
     その伸びが0.5パーセント以下のものであること。

   ロ その引張強さの値が400ニュートン毎平方ミリメートル以上で
     あり、かつ、その伸びが、次の表の上欄に掲げる引張強さの値に
     応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上となるものであること。

引張強さ(単位 ニュートン毎平方ミリメートル)伸び(単位 パーセント)
400以上630未満20
630以上1,000未満17
1,000以上15

  2)前号に該当しないつりチェーン 5

2 前項の安全係数は、つりチェーンの切断荷重の値を、当該つりチェーンに
  かかる荷重の最大の値で除した値とする。

玉掛けで使用する吊具には、ワイヤーロープ以外もあります。ワイヤーロープ以外でよく使うものとして、チェーン・鎖があります。

太いチェーンであれば、重いものも吊ることができます。しかし重いものを、細いチェーンで吊ることはできません。もしそんなことをすると、吊り上げている途中で切れてしまいます。

つりチェーンを使う時は、一定の安全係数以上の物を使用しなければなりません。

つりチェーンの安全係数はワイヤーロープよりも複雑です。

つりチェーンの安全係数は一定の条件を満たした場合は4以上で、その条件を満たさない場合は5以上です。

一定の条件とは、

1.切断荷重の2分の1の荷重で引っ張った場合において、その伸びが0.5パーセント以下のものであること。

2.引張強さの値が400ニュートン毎平方ミリメートル以上であり、かつ、その伸びが上記の表の引張強さの値であること。


を満たすことです。
条件が色々あるので、チェーンの仕様や劣化状態を確認しなければなりません。

(玉掛け用フック等の安全係数)
第214条
事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛用具であるフック又は
シャックルの安全係数については、5以上でなければ使用してはならない。

2 前項の安全係数は、フック又はシャックルの切断荷重の値を、それぞれ
  当該フック又はシャックルにかかる荷重の最大の値で除した値とする。

玉掛けの用具には、ワイヤーロープやチェーン以外にもあります。
それはフックやシャックルといったワイヤーロープと物をつなぐものです。
これらはいわば物を固定する用具といえます。

フックやシャックルなどの用具の安全係数は、5以上でなければなりません

ワイヤーロープと同じ安全係数ですね。
安全係数の値の出し方は、ワイヤーロープなどと同じです。

ワイヤーロープなどの吊具は、玉掛け作業を行う上で最も重要なものです。
何より丈夫でなければなりません。

やわな吊具を使用していたら、途中で切れて落下してしまいます。
用具の確認は十分に行わなければなりません。

まとめ。

【クレーン則】

第213条
玉掛用具であるワイヤロープの安全係数は、6以上でなければなりません。
第213条の2
玉掛用具であるつりチェーンの安全係数については、区分に応じ、必要な値以上でなければ使用してはなりません。
第214条
玉掛用具であるフック又はシャックルの安全係数については、5以上でなければ使用してはなりません。
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