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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

フォークリフトの接触事故を防ごう

      2016/02/12

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今月の労働新聞社の「安全スタッフ」(平成28年2月1日号・NO.2251)に、興味深い特集があったので、少しだけ紹介してみます。
特集は、「フォークリフトの接触事故を防ごう」というものです。

フォークリフトは、荷役運搬機械です。前面に突き出た2本の爪、フォークに荷物を載せ、運びます。
敷地内、建物内での物の運搬ではとても有用です。工場や倉庫などでは必須と言っていいほど使われています。
それだけ多くの場所で使用されているのですから、それだけ事故も多くなります。
フォークリフトの使用母数が増えると、事故も増えるというもことです。

フォークリフトは荷役運搬機械の中でも、群を抜いて事故が多く、約70%も占めます。この数字は圧倒的です。ほとんどフォークリフトの事故であると言えます。

フォークリフトの事故の中でも、特に多いのが、「はさまれ・巻き込まれ」です。
これは、作業者がフォークリフトと衝突し、ひかれたりする事故です。フォークリフトの形は車に2本の爪が付いたものですから、車と同様の事故が多くなるようです。

また転倒事故も少なくありません。あまりに重い荷物を載せてしまうとバランスが悪くなります。それがために不安定になり、運転者ごと車体が倒れてしまいます。結果として、フォークリフトの下敷きになってしまうこともあるのです。

記事では、こういった状況に対しての対策を実施している会社の事例を紹介しているのです。
どんな対策をしているのでしょうか。それを簡単に紹介します。(あまり詳しく紹介すると、元記事に申し訳ないので。)

index_arrow対策1「スピード違反をなくす」

まず記事内で紹介されているのは、千代田運輸さんの対策です。

フォークリフトが人と衝突したりする原因の1つは、スピードの出し過ぎです。
多くの会社では、フォークリフトの制限速度を定めています。大体時速20キロ以下で定められていることが多いと思います。

路上で時速20キロなど遅過ぎて、迷惑極まりないのですが、狭い敷地内では、これでも早く感じます。しかし日常的に運転していると、慣れてきてどんどんスピードアップします。
他社の工場などに行くと、人が歩いていたり,作業しているすぐ側をかなり早いスピードで荷物を運んでいる様子も見ます。端から見ると危なそうに見えるのですが、当の本人たちは平気そうです。

スピードアップすると、より短時間で物を運ぶことができます。
しかしスピードを出し過ぎると、コントロールが困難にもなります。これは車と同じですね。

フォークリフトの事故を防ぐためには、まずスピードの出し過ぎを防ぐことです。
最も重要な事は、運転者自身がスピードメーターを見つつ注意することですが、そればかりに頼れません。

そこで千代田運輸さんでは、運転者と周りの目でスピード出し過ぎを防止する対策をとっているようです。
その対策とは、タイヤの側面にマーキングするというものです。

タイヤの側面に点々と白いペンキを付けます。止まっている時には、これらの点は離れていますが、スピードが出てタイヤの回転が早くなると、点が一本の線に繋がるのです。
自転車ホイールのスポークに反射板が付いている物がありますが、高速で回転すると一本の線になるのに似ています。

線にならない程度のスピードで運転する。周りは線になっていたら指摘し、スピードダウンを促します。
運転者自身はタイヤの状態を見ることはできないので、指摘を聞きながら、どの程度のスピードなら大丈夫なのか確認して運転します。

自分だけで気をつけていると、時間が経つといい加減になってきます。
自分と周りのチェック体制を作るのが、このタイヤにマークの狙いのようです。

index_arrow対策2「作業場のレイアウトを変える」

次は横浜低温流通さんの対策です。

これは大掛かりですが、根本的に事故を減らす対策です。

フォークリフトが人と接触事故を起こすのは、距離が近いからです。
工場や倉庫で、同じ通路を作業者とフォークリフトが走っていることも多いのではないでしょうか。限られたスペースなので、ある程度は仕方ないのですが、衝突の危険があるのも確かです。

そこで横浜低温流通さんは、思い切ってレイアウトを変えて、人とフォークリフトの通路を分け、作業スペースも十分確保したのです。
人と車を分けてしまえば、接触はなくなります。

これが最も効果的な方法でしょう。
しかし導入にあたっては、大掛かりで多大な時間と費用が必要となります。

確かに全体的にレイアウトを変えるのは、簡単ではありません。
とはいえ作業場を整理整頓して、ある程度スペースを確保すること、多少の歩車分離は可能かもしれせん。

少なくとも、みんながここは危険だと思うポイントはあるかと思うので、そういった場所から見直すのがいいかもしれません。

2つの事例を紹介しましたが、これ以外にもフォークリフトの事故を防ぐ対策はあると思います。
人と接触する機械を減らすこと、この視点で作業方法を変えると事故を減らせるのではないでしょうか。

フォークリフトの事故は流通が増える3月と8月に増えるそうです。つまりこれからの時期は事故が増えてくるのです。
次の3月は、事故が減ってくるといいですね。

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