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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

工事現場死亡事故 機械を無資格者に運転させる 福岡東労基署が業者を容疑で書類送検(福岡県東古賀市)

      2016/04/15

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建設業は資格ビジネスです。
ただ単に作業するだけならば誰でもできますが、やれることにはかなりの制限があります。

玉掛けもできませんし、ショベルカーなどの重機に乗ることもできません。
これらは資格を必要とするのです。

資格を得るためには、試験に合格しなけばならないものもありますが、大多数は特別教育や技能講習を受講することで得られます。

資格、資格でガチガチにしばられている感じもしますが、これには理由もあります。
その理由とは、危険な作業に対して、正しい知識を学ぶことで、安全に作業できるようにすることです。

時別教育などを受けなくとも、現場で見ていれば、やり方は分かります。しかしどこが危険かなど肝心なポイントを学べないのです。

特別教育などを受けて資格を得るということは、安全に作業をすすめるための教育を受けたという証明になるのです。
知っていると、知らないとでは、危険への向かい方が大きく異なります。

昨年の事故ですが、資格が関係する事故がありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。 なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。 引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

工事現場死亡事故 機械を無資格者に運転させる 福岡東労基署が業者を容疑で書類送検 (平成27年12月3日)

福岡県古賀市の工事現場で作業員が建設機械の先端部と鉄製の梁(はり)にはさまれて死亡した事故で、福岡東労基署は3日、無資格の派遣労働者に建設機械を運転させたとして、同市内にある土木工事会社と、現地代理人を労働安全衛生法違反容疑で福岡地検に書類送検した。

 調べでは、古賀市の水路付け替え工事現場で、旧水路の解体工事を行う際に使用する建設機械を、運転資格を持たない派遣労働者にやらせた疑い。

西日本新聞
この事故の型は「はさまれ・巻き込まれ」で、起因物は「解体機械」です。

この事故は、水路の付け替え工事で起こりました。
解体用機械を使用していたところ、機械の先端と鉄製の梁との間に別の作業者をはさんでしまいました。
はさまれた作業者は、亡くなられました。

この機械を運転していたのは無資格の派遣労働者でした。
無資格者に運転させていたとして、この工事を請け負っていた会社と現場代理人(工事責任者)は、書類送検されました。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow事故原因の推測

解体用機械を運転するのには、車両系建設機械(解体用)の特別教育を受けなければなりません。
この作業現場の代理人が、派遣労働者が資格を持っているかの確認ができていなかったことが問題です。もし知っていて作業させていたなら、またそれはそれで問題ですけども。

また有資格者に運転操作させる以外にも、安全に工事を行うための対策もされていなかったのではないでしょうか。

見通しが悪かったり、周囲に作業者がいるような場合であれば、作業範囲は立入禁止にするや、機械を誘導する人を配置するなども必要でした。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

車両系建設機械を無視書く運転させていたこと。
資格の有無を確認していなかったこと。
立入禁止や誘導者がいなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow対策の検討

資格を必要とする作業は、有資格者にさせなければなりません。
有資格に作業させれば、必ず事故が置きないというものではありません。
しかし、少なくとも何が危険で、安全に作業しなければならないかについては一通り教育を受けています。

知っているか知らないかということが、事故防止のためには非常に大切なのです。
なぜなら危険を知らないと、対処するという意識も持てないからです。

有資格者かどうかというのは、現場代理人が確認しなければなりません。事前に資格の有無を確認ておく必要です。現場代理人は事業者の代わりを務めるのですから、代理人が無資格者を使用すれば、事業者が使用したことになるのです。そのため事故などがあれば、事業者も代理人も責任が問われるのです。
代理人が勝手にやったというのは、言い訳になりません。

また有資格者がいても事故防止のためには、危険がないような作業方法をしなければなりません。
何よりも機械と接触するのを避けなければなりません。

そのためには、誘導者を配置して機械を誘導したり、立入禁止範囲を定めたりします。

対策をまとめてみます。

車両系建設機械は有資格者に運転させる。
作業前には作業者の資格を確認する。
立入禁止、誘導者を配置する。

建設業などでは何をするにしても資格資格と煩わしくなることもあります。

しかし車の運転で考えてみましょう。
無資格で作業するということは、無免許で運転するのと同じです。
そう考えると、無資格というのがどういうものか、わかりますよね。

特別教育などは何時間かの講習を受けることで、資格が得られます。
運転免許に比べると、ハードルは低いものです。
かかるのは、受講時間と受講費用です。

とはいうものの、その資格の数がものすごく多いというのが負担というのがあるんですけどね。

index_arrow違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。
【安衛則】

第158条
車両系建設機械に労働者が接触しないよう措置をとらなければならない。
第159条
車両系建設機械の運転について誘導者を置くときは、一定の合図を定め、誘導者に合図を行なわせなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

安全に車両系建設機械を使用するための措置 その2

第171条の6
事業者は、解体用機械を用いて作業を行うときは、立入禁止等の措置を行わなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

解体用機械を使用する際の措置

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