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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

スルーされない掲示物の工夫を

      2018/02/04

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みなさんの職場にはポスターや掲示物などがありますか?

工事現場や工場では、様々な掲示物を貼りだしているとこが多いのではないでしょうか。
これらの掲示物は内外に何かしらのことを伝えることが目的です。

掲示物の中には法的に義務付けられているものも少なくありません。
例えば工場では取り扱う危険物などを周知しなければなりません。
工事現場では、建設業の許可や建退共、労災保険加入についてなどの掲示物が義務付けられています。
また作業主任者を必要する作業があれば、氏名とその職務について掲示することも義務付けられています。

これらは、法的に決まっていることなので、必ず掲示します。

しかし掲示物には法的に義務付けられているもの以外に、自主的に貼り出すものもあります。
その一例が、安全啓発の掲示ではないでしょうか。

よくある安全掲示は、「安全第一」や「整理整頓」といったものです。
いわばこれは、スローガンといえます。
残念なから、この掲示を見て「よーし、安全第一でやるぞ!」と思う人はいないでしょう。当たり前すぎて、ただの模様になっているのではないしょうか。

100年以上前、USスチールでは、「Safety First」という方針を掲げました。これは当時としてはかなり画期的でした。今までは命よりも製品などが優先されていたのですから、命を守ることを第一としたことはインパクトがあったはずです。そして刺激的だったはずです。

この掲示は作業者の心に変化をもたらしました。
この掲示を見る度に安全に作業することを心がけ、実行していったことでしょう。結果的に、製品の品質向上などにもつながったのです。

しかし人は慣れる生き物です。どんな刺激的なものも、時間が経つと当たり前になり、刺激を感じなくなるものです。
「安全第一」の刺激は、次第に労働者にとってただの模様になってきたのでした。

これは他の掲示物にも言えることです。

作業場に貼られている掲示物の種類は様々です。
玉掛けの月次点検色、クレーン合図などは共通する掲示ですが、その他は注意を換気するものがあります。
これらの掲示物は中災防などで販売しているで買って使ったりすることもあれば、自作することもあるのではないでしょうか。

注意換気の掲示は、作業場で特に危険と思われるものについての内容です。
クレーン作業がある作業場では、「クレーンの荷の下に入らない」といったことが書かれます。
高所作業では、「安全帯を使用しよう」といったことが書かれるでしょう。

これらの掲示物を貼り出した人は、これを見た労働者が関心を抱いてくれ、安全行動を実行してくれることを期待しているのでしょう。

しかしそれは効果があるでしょうか?

実感としては、おそらくNOでしょう。
読んでもらっているでしょうが、行動に変化をもたらすほどではないでしょう。

どんなによい内容であっても、電車の中吊り広告程度の効果ではないでしょうか。
確かに掲示物はそれくらいの効果でも、十分役割を果たしています。

とはいうものの、できることならば掲示物が安全啓発の効果を発揮してほしいものです。

目を引き、行動を促す掲示物は意図的に作る必要があります。

index_arrow目を引き、足を留める

労働新聞社の安全スタッフのNO.2257号(平成28年5月1日)の特集は「建設現場の交通事故防止策 ダンプの運転マナーが向上 ハザードマップ作り注意促す」というものでした。この記事の本筋ではないのですが、こんな内容がありました。

東京外郭環状道路建設工事で、鹿島・大林・鉄建JVによる市川中工事では、JV従業員が考えたユニークな掲示物を貼りだしているようです。
中には、結構ユニークな掲示もあるようです。自分たちで考えてる内容ということもあり、興味深く見てくれたりして、効果があるみたいです。

私も自分で掲示物を作ったりしています。これはあんまり中災防で掲示物を買ったりすることがないから自作しているのですけれども。

ただ自作するので、通り一遍なものは作らないようにしています。
時には、「死ねる3か条」なんてのも作ったりして貼り出したりしました。これはあんまり評判が良くなかったので、二度は使いませんでした。

自作の掲示物は自由に作ることができます。しかし目を引く、足を留める掲示物を作るのはよくよく考える必要があります。

法則というものではないですが、私が気をつけているのはこんなことです。

1.文字が少ない
2.今やっている作業内容にあっている
3.上から目線じゃない


とりかく、わかりやすくです。

文字がたくさん書かれていると、一目で読む気をなくしてしまいます。だから多くとも2行以上は書かないよにしています。
身近な内容で、教えてやる、やらせるといった感はなくすことを心がけています。

目指しているのは、よく食べ物屋で見かけるポエムぽい感じの内容とは逆のものです。
あれは席で料理を待つ間に読むものなので、忙しない作業の合間に見るものではありません。

掲示物は意図的に使うと、安全意識を高めます。
しかし通り一遍ではスルーされます。

またどんなによく出来た掲示物もすぐに飽きます。
そのため定期的に更新してやることも重要です。

たかが掲示ですが、これはコミュニケーションツールです。
最も効果を発揮するのは、現場管理者が作業者に関心を持ち、そのことを表現することでなのです。

掲示物も少し工夫してみると、いいかもしれません。

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