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粉じんに関する事故 その2。爆発事故

      2016/05/26

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粉じん作業では、集めた粉じんに引火して、火災になるという事故があります。
しかし粉じんが関わる事故は、火災だけではありません。
爆発という事故もあるのです。

昔、炭鉱などでは舞い上がった粉じんが連鎖的に引火し、爆発する粉じん爆発というのが発生したそうです。
細かな粉じんは、一度引火すると爆発し、大きな災害になることもあるのです。

今回は、粉じんによる火災事故事例を紹介し、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow事故の概要

今回は厚生労働省の労働事故事例かち参照にしています。
労働事故事例

アルミホイールの研磨作業中、付設の集じん装置が爆発

この災害は、自動車用のアルミホイールをバフ研磨盤で研磨中に近くにあった集じん装置が爆発したものである。
災害発生当日、研磨剤を塗布したフェルト製のバフにより自動車タイヤ用アルミホイールを研磨する作業を行っていたところ、研磨盤の直ぐ横に設置されていた集じん装置が「ドン」という音とともに爆発し、集じん装置から火炎が噴出した。

被災者は集じん装置から噴出した火炎を浴びて火だるまになり、床面を転がった。その後救急車で病院に移送されたが、全身火傷で死亡した。

なお、爆発直後は集じん装置だけが燃えていたが、その後に研磨盤にまで火が拡大した。

NO.100716

この事故の型は「爆発」で、起因物は「集じん装置」です。

この事故は、自動車用のアルミホイールをバフで研磨していた時に起こりました。
研磨くずは集じん装置で集められていましたが、爆発し火災になりました。

集じん装置には、アルミの粉じんが堆積していました。そして堆積した粉じんの近くで、鉄の棒がバグフィルターを叩くことがあり、この時の火花が着火源となったようです。

爆発で作業者は火だるまになり、結果して亡くなってしまったのでした。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow事故原因の推測

この事故は集じん装置で集めたアルミの粉じんが爆発したことによって起こりました。
集じん装置の中には、アルミの研磨くずが堆積していたようです。本来ならば掃除して、粉じんを除去しなければならないのですが、不十分だったよです。

また集じん装置や局所排気装置の点検が、定期的に行われていませんでした。点検されていなかったため、粉じんの堆積状態も確認されていませんでした。

さらに粉じんが堆積するすぐ近くで火花が飛ぶような構造になっていたことも爆発の原因となりました。

作業者への安全衛生教育が十分でなかったため、火災などの備えができていなかったので、事故の時の対処できなかったとも考えられます。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

集じん装置の清掃や点検がされていなかったこと。
粉じんのすぐ近くで、火花が飛ぶ構造だったこと。
作業者の安全衛生教育がされていなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow対策の検討

集じん装置で粉じんを集めるのに、その扱いに無頓着だと意味がありません。
収集した粉じんは定期的に完全に取り除かなければなりません。
また局所排気装置などと合わせ、1年以内に1回は点検を行わなければなりません。

集じん装置の構造にも問題があるので、見なおしてやる必要があります。
特に、堆積した粉じんの近くで火花を出すような構造は改めなければならないでしょう。これに加えて防爆、静電気対策なども必要です。

粉じん作業を行う作業者への教育も重要です。安全衛生教育をしっかり行うことで危険性を知ることが出来るのです。

対策をまとめてみます。

集じん装置や局所排気装置を定期的に点検する。
粉じんの近くで火花が出ないような防爆、防火対策を行う。
作業者の安全教育を行う。

粉じん作業では、粉じんの取り扱いを誤ると火災と爆発の危険があります。
このような危険を防ぐためには、日頃の清掃や点検が重要なのです。

index_arrow違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

【粉じん障害防止規則】

第17条
局所排気装置、プッシュプル型換気装置及び除じん装置については、1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行わなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

粉じん障害防止規則 その9。 排気装置の自主点検

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