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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

ロープ高所作業。命綱の確保

      2019/02/16

entry-670

高所作業は、足場作業や高所作業車が一般的だと思います。
しかし、高所で作業する方法はそれだけではありません。

以前、ネタとしてストックしていたものの、そのまま日の目を見なかったものに「無足場工法」というものがありました。
これは上からロープで吊られて作業するというものです。つまり宙ぶらりんの状態で作業するというものです。

建物の外壁や崖、斜面など足場を組むことが困難だったり、高所作業車を使用できないという場所で効果を発揮します。

無足場工法とも呼ばれますが、法的にはロープ高所作業と呼ばれます。
ロープ高所作業については、今まで特に資格等は必要ではなかったのですが、平成28年1月より、作業者は特別教育を受けることが義務付けられました。

まだ一般に馴染みがある工法ではありません。しかし作業方法には細かな規定があります。

【安衛則】

第3節 ロープ高所作業における危険の防止

(ライフラインの設置)
第539条の2
事業者は、高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、
昇降器具(労働者自らの操作により上昇し、又は下降するための器具であって、
作業箇所の上方にある支持物にロープを緊結してつり下げ、当該ロープに労働者の身体を保持するための器具
(以下この条及び次条において「身体保持器具」という。)を取り付けたものをいう。)を用いて、
労働者が当該昇降器具により身体を保持しつつ行う作業(40度未満の斜面における作業を除く。
以下この節において「ロープ高所作業」という。)を行うときは、身体保持器具を取り付けたロープ
(以下この節において「メインロープ」という。)以外のロープであって、要求性墜落制止用器具を取り付けるためのもの
(以下この節において「ライフライン」という。)を設けなければならない。

ロープ高所作業を行うのは、足場などと同様に高さが2メートル以上の場所になります。
足場が設けられる場所であれば、足場を組めばいいのですが、困難な場所もあります。
例えば、高層ビルの外窓を掃除したりするとき、そのために足場を組むのは困難でしょう。また山際の斜面で作業する時も足場を組むのはこんなんです。

このような場所では、ロープ高所作業で行う方が効率です。
ロープ高所作業は、ビルの上方や斜面の上の木など、上方の堅固な箇所にロープを固定します。そのロープにハーネスなど体を支える器具(身体保持器具)を取付けて吊るされます。体を支えるロープはメインロープと呼ばれます。

作業中は、メインロープに支えられて作業します。これが上部なものでなければならないのと当然ですが、万が一切れてしまうと墜落することになりかねません。
万が一に備え、別途命綱が必要になります。

ロープ高所作業では、メインロープ以外に、安全帯(要求性墜落制止用器具)を取付けるロープが必要です。

この安全帯を取付けるロープのことをライフラインといいます。この2本のロープを使って作業することになるのです。

(メインロープ等の強度等)
第539条の3
事業者は、メインロープ、ライフライン、これらを支持物に緊結するための緊結具、
身体保持器具及びこれをメインロープに取り付けるための接続器具(第539条の5第2項第4号及び
第539条の9において「メインロープ等」という。)については、十分な強度を有するものであって、
著しい損傷、摩耗、変形又は腐食がないものを使用しなければならない。

2 前項に定めるもののほか、メインロープ、ライフライン及び身体保持器具については、
  次に定める措置を講じなければならない。

  1)メインロープ及びライフラインは、作業箇所の上方にある堅固な支持物
  (以下この節において「支持物」という。)に緊結すること。この場合において、
  メインロープ及びライフラインは、それぞれ異なる支持物に、外れないように確実に緊結すること。

  2)メインロープ及びライフラインは、ロープ高所作業に従事する労働者が安全に
   昇降するため十分な長さのものとすること。

  3)突起物のある箇所その他の接触することによりメインロープ又はライフラインが
    切断するおそれのある箇所(次条第4号及び第539条の5第2項第6号において
   「切断のおそれのある箇所」という。)に覆いを設ける等これらの切断を防止するための措置
   (同号において「切断防止措置」という。)を講ずること。

  4)身体保持器具は、メインロープに接続器具(第1項の接続器具をいう。)を
   用いて確実に取り付けること。

ロープ高所作業では、作業者はメインロープに身体保持器具を取付け、吊るされて作業することになります。
もしメインロープなど使用する器具が弱いと、命に関わってしまいます。

メインロープ、ライフライン、身体保持器具、支持物への取付金具などは十分な強度があり、異常がないものを使用しなければなりません。

器具に体全て、命預けることになるので、信頼のできるものでなければならないのです。

またこれら器具には次の要件を満たさなければなりません。

・メインロープとライフラインは、上部の別々の支持物に固定する。
 別々にするのは、1つが崩れても墜落しないようにするためです。

・メインロープとライフラインは安全に昇降する程度の十分な長さが必要です。

・ロープが突起物や角などに接触する時は、覆いなどをつけて養生します。

・身体保持器具はメインロープに確実に取付ける。

ロープ高所作業は、ロープで吊るされて空中で行う作業になります。
メインロープやライフラインはまさに命を支えるロープです。

これらの強度が十分にあり、安心して命を預けられるものでなければならないのです。

まとめ。

【安衛則】

第539条の2
高さが2メートル以上の箇所で上方にある支持物にロープを緊結してつり下げ作業を行うときは、身体保持器具を取り付けたロープ 以外のロープであつて、安全帯を取り付けるためのものを設けなければならない。
第539条の3
メインロープ、ライフライン、緊結具などは十分な強度を有するもので異常がないものを使用しなければならない。
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