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諏訪の御柱祭で転落、男性死亡(長野県諏訪市)

      2018/09/18

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イレギュラーな作業は、普段やり慣れていないので、どうしても無理が出てしまいがちなのです。

祭りやイベントはイレギュラーの作業が多くなります。
特に祭りなどでは、氏子さんが普段とは全く違う作業をしたりすることもあります。
場合によっては、危険を伴う作業を行ったりもあるのです。

諏訪大社の6年に1度に開催される御柱祭りでは、大きな木材を斜面から滑り落とす行事が行われています。
これはニュースなどでもよく流れていますね。

御柱の逆落しでも死傷者が出ていますが、組付けでも事故があるようです。
垂直に立てた御柱から、作業をしていた氏子が落ちる事故がありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

諏訪の御柱祭で転落、男性死亡(平成28年5月5日)

5日午後4時半ごろ、長野県諏訪市にある諏訪大社の上社本宮で、御柱祭の行事「建て御柱」のため垂直に立てられた木の柱から、氏子が転落、約10メートル下にあった重機の屋根に体を打ち付け、同日夜に死亡した。

6年に1度開催される御柱祭では、前回2010年にも下社で柱を立てようとした際、男性2人が落ちて死亡している。

長野県警によると、この日、本宮の境内では4本の柱を立てた。行事が終わってから、うち1本に登って作業をしている際に転落した。県警はどこから落ちたのかなど、詳しい状況や原因を調べている。

共同通信

この事故の型は「墜落・転落」で、起因物は「柱」です。

この事故は、6年に1度の諏訪大社の行事で起きました。
氏子さんが御柱に登っていたところ、墜落したのです。

祭りの行事ということで、十分な墜落防止の対策はされていなかったと思われます。
長年続いてた伝統行事ということで、見過ごされていたのかもしれません。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow事故原因の推測

伝統行事ということ、作業にあたっていた氏子が高所作業に慣れていなかったことが原因として考えられます。
また同時に墜落対策がなかったことも被害を大きくしました。
安全帯の使用や、作業床がなかったのが問題です。

作業するにあたり、安全教育がされていなかったことが、問題だったといえます。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

高所作業に不慣れな人が作業にあたっていたこと。
墜落対策がなかったこと。
作業者の安全教育がされていなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow対策の検討

祭りの行事とはいえ、高所作業は高所作業です。
何の準備もなく作業するのは危険です。

本来2メートル以上の高さの場所で作業する場合は、足場などを組み作業床を設けなければなりません。
伝統行事なので大きく内容を変えるわけにはいかないかもしれませんが、安全に配慮した作業方法をとるのも大切ではないでしょうか。

足場が組めないならば、せめて安全帯を掛けられる設備を設け、安全帯を使用させることはできないものでしょうか。

また、作業する人には高所作業の注意など安全教育を行い、安全な作業方法をさせる必要があるのではないではないでしょうか。


対策をまとめてみます。

作業床を設ける。
安全帯取り付ける設備を設ける。
高所作業の安全教育を受けさせる。

伝統行事なので、作法は決まっているはずです。
しかし前回の下社のときも墜落による死者が出ていることなので、安全に配慮した方法も取り入れるのがよいかもしれません。

index_arrow違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

【安衛則】

第563条
高さ2メートル以上の作業場所には、作業床を設けなければならない。
作業床は、適当な強度や構造、設備を設けなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

通路と足場 その5。 足場の材料

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