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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

熱中症指導員教育のススメ。熱中症対策には、まず知ることから

      2017/04/02

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熱中症対策については、何度もエントリーに書いていますが、今回も書いてみようと思います。

今年の4月にNASAがこんな発表をしました。

世界の4月の気温、観測史上最高 年平均も記録更新見込み 

どうやら観測の結果、海水温が高く、今年の夏はかつてないほどの猛暑になるとかの予想がされました。

この予測通り、インドでは最高気温51℃という熱波が襲ったりしたそうです。51℃となると、熱湯風呂です。ダチョウ倶楽部などが入る熱湯風呂は頑張っても1分程度ですが、これがずっと続く感じです。
暑すぎて、道路の舗装が溶け、人がくっついたりもしたとか。
想像を絶します。

インドだけではありません。日本の夏も猛暑が予想されています。
ここ数年は、南米沖の海水温が高いエルニーニョ現象が起こっていました。エルニーニョの時、日本の夏は冷夏になる傾向があります。

今年エルニーニョは終わりました。今は逆に南米沖の海水温が低くなるラニーニャ現象が起こっているそうです。
ラニーニャの年、日本の夏は35℃以上の日が続く猛暑になる傾向があるそうです。

今夏は猛暑の可能性 ラニーニャ現象推移で 気象庁

ここ数年で記録的な猛暑となった2010年は、ラニーニャが起こっていました。
2016年はその記録的猛暑の年と似ているそうです。

今年も5月から30℃を超える日が頻発していますね。予測を実感しています。

猛暑となるとエアコンなどの季節家電が売れるため消費行動にはいいようですが、体には辛いものがあります。
何より注意しなければならないのが、熱中症です。

夏になると熱中症の注意が呼びかけられますね。
ここ数年の熱中症での死亡者数の推移は次のとおりです。

H22年(2010年) 1733年
H23年(2011年) 953人
H24年(2012年) 952人
H25年(2013年) 1080人
H26年(2014年) 530人

毎年約1000人前後の方が亡くなられています。
特に2010年の猛暑の際の死亡者は、圧倒的なのが分かりますね。
今年の夏はこの多くの方が亡くなられた夏に似ているということなのです。

この死亡者の内訳として、約8割が60歳以上の高齢者の方です。特に70代以上の方が約6割を占めています。
熱中症は高齢者がかかりやすいのです。

業務上の熱中症死亡例も少なくありません。

H22年(2010年) 656 (47)人
H23年(2011年) 422 (18)人
H24年(2012年) 440 (21)人
H25年(2013年) 530 (30)人
H26年(2014年) 423 (12)人
H27年(2つ15年) 464 (29)人

これは熱中症での死傷件数です。()内は死亡者数です。
これでも2010年が圧倒的です。

業種の内訳としては、屋外作業である建設業が圧倒的です。

結論として、今年の夏は特に熱中症に注意が必要ということです。
家庭でもですが、事業場での熱中症対策は万全でなければなりません。

index_arrow熱中症対策は

このような状況に対して、厚生労働省が通達を出しています。

平成28年の職場における熱中症予防対策の重点的な実施について(H28.2.29付け基安発0229第1号)(PDF)

この中での対策として書かれているのは、次の通りです。

1.WBGT値で職場の環境
2.休憩場所の確保
3.適度な休憩
4.暑さに慣れる(熱順化)
5.水分・塩分補給
6.健康管理
7.安全教育
8.救急措置


いずれも大事なことです。
日常的に出来ることは、WBGT値での管理、健康管理、休憩、水分・塩分補給などではないでしょうか。
これらについては、別のエントリーでも書いているので、そちらに譲ります。

今回注目したいのは、安全教育です。

安全教育に関して通達には、このように書かれています。

「労働者に対する労働衛生教育が確実に実施されるよう、高温多湿作業場所 における作業を
 管理する者に対しては、別表1に基づく労働衛生教育を行う こと。
 なお、事業者が自ら当該教育を行うことが困難な場合には、関係団体 が行う教育を活用すること。」



これは作業管理者向けの教育というものです。
別表1にカリキュラムが掲載されていますが、3時間半とかなり長時間の教育内容です。

こんなのが義務化されているのです。
管理者向けですので、現場管理者(安全管理者やライン長、職長など)向けです。

現場でしっかり熱中症対策をしなさいと言うことなのです。

安全教育についての通達は、今年初めて出されたものではありません。

厚生労働省は、平成21年6月19日付け基発第0619001号通達を出し、翌平成22年7月27日付け基安労発0727第2号通達で、事業者が熱中症予防のための労働衛生教育を行うことを求めています。

どうやら契機になったのは、やはり2010年の猛暑による被害の大きさです。

これらの通達を踏まえ、中災防やその他の安全衛生教育機関では、熱中症の安全教育を行っています。

私も講師などをさせていただいている安全教育センターでも、熱中症の講習を行っていますので、1つ宣伝!

出張講習(熱中症予防教育) 

出張講習しますので、ぜひご用命をば!
もしかするとこの講習は、今後特別教育などの法定講習になるかもしれません。またすでに建設業の一部では、入札資格の要件や下請けで入る際に修了証がないと入れないということもあるようです。

宣伝はともかく、熱中症講習は重要です。
熱中症を予防し、発症時にいち早く対処するには、まず知識が必要です。

まずは管理者が正しい知識を身につけ、現場や家庭で共有することが重要です。

最後に、作業場には様々な熱中症注意の掲示がありますが、こんな掲示物はいかがでしょうか?
自社とお客さんに使っていただけるよう、作ってみました。
画像だけでなく、PDFでも置いてみます。ご入用ならダウンロードしてみてください。

尿の色で脱水チェック尿の色で脱水チェック

脱水状態の判断として、尿の色があります。
トイレに貼っておくと、良いかもしれません。便器の前に貼っておくと、見てしまうんじゃないでしょうか。

脱水状態だと、あまり尿が出ないこともあるので、あまりにもトイレにいかない人も注意しておかなければなりません。

今年の夏は猛暑が予想されるのですから、しっかりと知識を身につけ対処していきましょう。

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