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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

熱中症対策にある「こまめ」に休憩の、「こまめ」って、どれくらい?

      2017/12/03

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例年よりも遅くなったものの、関東や東北も7月の末に梅雨明けしました。
梅雨が明けると、一気に夏です。
連日のように30℃を超え、35℃に迫る気温になります。
こんな日が、あと1ヶ月は続きます。

そして、4月から予測されていたことですが、今年の夏はかなり暑くなるとか。
過去最高気温を記録した多治見市や前橋市は、40℃に迫る日も出てくる可能性があります。

恐ろしい。

暑くなると注意しなければならなのが、熱中症です。
梅雨明けした7月末の段階で、週4000人の人が救急搬送されています。
大半は60代以上の高齢者ですが、そうではない年齢層もいます。

総務省消防庁 熱中症情報

こっちは日単位での搬送者数をまとめています。

厚生労働省 平成28年度熱中症入院患者等即時発生情報

熱中症を測る指数としては、WBGT値というものがあります。
これは温度、湿度、ふく射熱を合わせて、熱中症リスクを表したものです。
単位は℃ですが、温度の℃とは若干数値が異なります。少し低くなるのかな。

WBGT計というものもありますので、これで管理されているところもあると思います。



今年はタニタの携帯WBGT計がバカ売れして、メーカーも卸も在庫薄だそうです。
アマゾンではまだ在庫ありになっていましたが、もし買われるならお早めに。

さて、これだけ焼けるような暑さの中でも仕事を止めることはできません。
日差しを避けるため、スペインなどのように、気温が高くなる午後はシエスタ(仮眠)を許可している企業もほとんどないでしょう。

中でも、屋外での仕事は大変厳しいです。
建設業は屋外での仕事です。このジリジリと焼ける日差しの中、激しく体を動かすわけですから、危険度はこの上ありません。
当然ですが、暑いからといって、現場がストップすることはありません。

夏の建設業では、暑さとも戦わなければなりません。
熱中症対策に関しも、現場で様々な対策をとられています。

対策としては、こんなのが多いのではないでしょうか。

 ・WBGT計で管理する
 ・朝礼時に体調チェックする
 ・水分や塩飴の提供する
 ・こまめに休憩をとらせる
 ・救急グッズを準備する

WBTG計での管理では、先ほど紹介したタニタの熱中症計を現場に1つ置いたり、職長に持たせていることが多いようです。

多くの場合、天気予報などから気温、WBGT値を予測し、朝礼などで「こまめに休憩し、水分と塩分を摂ってください。」と注意喚起していることが多いのではないでしょうか?

おそらく毎朝こんな話をされているのではないですか?

私も7月にいくつもの現場にパトロールに行きましたが、全ての現場でこのような注意喚起がされていました。
KYにも、「こまめに休憩をとる」と書かれているのも多数見ました。

炎天下であっても、作業をストップできない作業では、最も効果的な対策は、休憩と水分・塩分補給です。
そのため、朝礼で離されている内容に、なんら間違いはありません。

ただ、気になることがあります。

それは、「こまめ」って、どれくらい?
ということです。

はたして、「こまめ」とは、どれくらいの頻度なのでしょうか?

index_arrow曖昧さをなくした指示

「こまめ」と聞いても、人によって捉え方が違うはずです。
仕事に慣れている人、暑さに慣れている人は、2時間間隔かもしれません。
しかし、新人など仕事に慣れていない人であれば、30分間隔かもしれません。

要するに「こまめ」とは、曖昧なのです。

この曖昧さのため、場合によっては、自覚症状ないまま脱水症状になったり、休憩を取り過ぎたため、仕事が予定通り進まなかったり。
後半はないでしょうが、前半はあるかもしれません。

熱中症で体調不良の人が出たとき、「なぜこまめに休憩をとらなかったんだ」と問いただしても、本人としてはしっかり休憩をとっていたつもりだったという、認識のズレが起こったりもします。

曖昧さを、誰でも誤解なく明確にすること。
これは、いわゆる「見える化」の取り組みといえます。

熱中症対策でも「見える化」は大事なのです。
この場合、何を「見える化」するかというと、それは「こまめ」を具体的にすることでしょう。

工事の統括安全衛生責任者や元方安全衛生管理者はしては、「こまめ」を別の表現に置換えて、朝礼で話す必要があります。

「こまめ」を具体的にするとどれくらいでしょうか?

1時間? 30分?
これは、どんな間隔でもいいと思います。
大事なのは、みんながわかる目安を作ること。

建設業の掲示物では、合図の標識があります。
これは合図を統一して、全員がどの合図が何を意味しているかを明確にすることが目的です。
合図一覧表は販売されていますが、別に現場特有のものを作ってもいいのです。その現場で統一的に使うのならばですが。

だから、「1時間おきに休憩と水分・塩分補給をしてください。」と伝えるのでもいいのです。
そうすると、そこにいる人たちにとって、「こまめ」=「1時間間隔」とインプットできるのです。

「こまめ」を「1時間間隔」とするだけでも、十分な目安です。

もう一つ曖昧なものとしては、水分の補給量ですね。
「適切に」では、いけません。人によって認識が異なります。

では、「1度に200ml」ではどうでしょうか?
確かに具体的な数字ですが、200mlはどう計ったらいいのでしょうか?
これは、具体的だけども、表現の仕方に問題があります。伝わららなければ、意味などありません。

「コップ1杯から2杯程度」ではどうか?
これだとわかりやすいです。屋内ならいいでしょう。しかし屋外作業ではコップがないことも少なくありません。
多くの場合、ペットボトルでお茶やスポーツ飲料で飲んでいることが多いです。

ならば分かりやすい表現をするならば、こんなではないでしょうか。

「1時間おきに、ペットボトル半分の水分と塩飴1個をとりましょう。」

かなり明確な基準ができたのではないでしょうか。

しかし私はもう一歩踏み込んでみたいと思います。
それは、時間を決めることです。

例えば、8時から作業が開始となると、9時に10分休憩し、10時には15分休憩というものです。
こうすると時計を見れば、休憩する時間がわかります。

もちろん作業の関係上、9時ぴったりに休憩がとれないこともあります。
その時は時間帯をずらして、設定すればよいと思います。

作業をしている人たちは、作業に集中しています。
そのため、余計なことには気が回りません。

休憩の間隔を考えることは、いわば余計なことです。
こういうものは、工事の監督者や管理者が考えればいいのです。

曖昧なものを、誰でも解釈の余地なく明確にするのが「見える化」です。
「見える化」することは、熱中症一つをとっても、十分に生かせるのではないでしょうか。

現場で使うのに、こんなのを作りました。

熱中症(危険)

WBGT値で31℃を超えると、「危険」という区分になります。
そのときに使える掲示物です。

要望のあった会社さんには、「危険」、「厳重警戒」、「警戒」の3種類の掲示物をお渡ししています。
この画像を現場で使っていただくのは構いませんが、コピーライトの削除は、何卒ご遠慮ください。

あと、暑くともヘルメットの下にタオルを巻くのは、控えてください。
理由は、衝撃を受けた時、ずれるからです。

もしヘルメットの下につけるなら、これとかはどうでしょうか?

 

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