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アセチレン溶接装置とガス集合溶接の取り扱い。

      2016/08/23

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手溶接にはいくつかの種類があります。
工事現場でよく使用されるのが、電気を使用したアーク溶接ではないでしょうか。
アーク溶接は鉄骨などの鉄溶接でよく使用されます。

しかし異種間金属を溶接したり、薄い金属を溶接するのは苦手です。
そのような溶接を行うときは、ガス溶接が向いています。

ガス溶接では、可燃性ガスを使います。このガスにはアセチレンなどがあります。
ガスは容器の中で保管しておかないと、すぐに拡散してなくなります。

そして溶接時に高温を発するものですから、取り扱いを誤ると大爆発を起こしかねません。
取り扱いには慎重さを要します。

そのためアセチレンなどを使用したガス溶接については、安衛則で規定されているのです。

【安衛則】

第6節 アセチレン溶接装置及びガス集合溶接装置

第1款 アセチレン溶接装置

(圧力の制限)
第301条 
事業者は、アセチレン溶接装置(令第1条第1号 に掲げるアセチレン溶接装置をいう。以下同じ。)を
用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業を行うときは、ゲージ圧力130キロパスカルを
超える圧力を有するアセチレンを発生させ、又はこれを使用してはならない。

アセチレンは気体のままでは、不安性なので、アセトンなどの形で容器に保管されています。
そのため、アセチレンガスのボンベのなかには、アセトンが入っています。

このボンベとトーチ、そして管などをあわせて、アセチレン溶接装置と呼ぶのです。

気体を保管している容器内は、加圧され、高い圧力になっています。圧力がかけられているので、バルブ・コックを開くと、ガスが勢いよく出てくるというわけです。

高い圧力がかけられていますが、上限があります。

アセチレン溶接装置で溶接などの作業を行うときは、ゲージ圧力で130Pa(パスカル)を超える圧力で使用してはいけません。

あまりに高い圧力だと、ガスが大量に噴出し、火災や爆発の危険が高くなるので、圧力調整が必要なのです。

(発生器室)
第302条 
事業者は、アセチレン溶接装置のアセチレン発生器(以下「発生器」という。)については、 
専用の発生器室(以下「発生器室」という。)内に設けなければならない。 
 
2  事業者は、発生器室については、直上に階を有しない場所で、かつ、 
  火気を使用する設備から相当離れたところに設けなければならない。 
 
3  事業者は、発生器室を屋外に設けるときは、その開口部を他の建築物から 
  1.5メートル以上の距離に保たなければならない。

アセチレンは非常に不安定な物質です。
そのため普段は、安定した物質で保管し、必要時にアセチレンを発生させます。

アセチレンを発生させる装置のことを、アセチレン発生器と呼びます。
主なアセチレン発生器は、カーバイド(炭化カルシウム)と水を反応させるものです。

化学式で書くとこんな感じでしょうか。
CaC2+2H2O → Ca(OH)2+C2H2

C2H2がアセチレンです。昔はカーバイドを使ったカーバイドランプというものも使われていました。

アセチレンは非常に燃えやすい物質ですので、発生器の取り扱いも注意が必要です。

アセチレン発生器は、専用の発生器室内に保管しなければなりません。

そしてこの発生器室が屋内にある場合は、爆発時に備え直上に階がなく、火気からも離しておきます。
また屋外に設ける場合は、開口部を他の建築物から1.5メートル以上離さなければなりません。

発生室は、爆発に備える必要があるのです。

(発生器室)
第303条 
事業者は、発生器室については、次に定めるところによらなければならない。 
 
  1)壁は、不燃性のものとし、次の構造又はこれと同等以上の強度を有する構造のものとすること。 
 
   イ 厚さ4センチメートル以上の鉄筋コンクリートとすること。 
 
   ロ 鉄骨若しくは木骨に厚さ3センチメートル以上のメタルラス張モルタル塗りをし、
     又は鉄骨に厚さ1.5ミリメートル以上の鉄板張りをしたものとすること。 
 
  2)屋根及び天井には、薄鉄板又は軽い不燃性の材料を使用すること。 
 
  3)床面積の16分の1以上の断面積をもつ排気筒を屋上に突出させ、かつ、 
   その開口部は窓、出入口その他の孔口から1.5メートル以上離すこと。 
 
  4)出入口の戸は、厚さ1.5ミリメートル以上の鉄板を使用し、又は不燃性の材料を 
   用いてこれと同等以上の強度を有する構造とすること。 
 
  5)壁と発生器との間隔は、発生器の調整又はカーバイド送給等の作業を妨げない距離とすること。

発生器室を設ける場所には、爆発延焼が起こりにくいところにしなければなりません。
そして、位置だけでなく、構造にも決まりがあります。

発生器室は、爆発や延焼に備えた構造でなければなりません。

この構造としては、次のものです。

1.不燃性で、強度のある構造。
2.屋根や天井は薄鉄板などの軽量のもの。
3.排気管を設け、その開口部は出入口や窓などから1.5メートル以上離す。
4.出入り口の扉は鉄板か、不燃性の材料のものとする。
5.壁と発生器の間は、作業に必要な距離を取ること。


細かい数値も決められていますので、それらの基準を満たした構造でなければなりません。
屋根が軽量のものとは、爆発時の抜け道とするためですね。

(格納室)
第304条 
事業者は、移動式のアセチレン溶接装置については、第302条第1項の規定にかかわらず、 
これを使用しないときは、専用の格納室に収容しなければならない。 
ただし、気鐘を分離し、発生器を洗浄した後保管するときは、この限りでない。 
 
2 事業者は、前項の格納室については、木骨鉄板張、木骨スレート張等耐火性の 
  構造としなければならない。

大型のアセチレン発生器は発生器室に据え置きとなります。
しかし工事現場などに持ち運ぶ移動式のものもあります。

これら移動式のアセチレン溶接機も、取り扱いに注意が必要です。

移動式のアセチレン溶接機は、使用しない時は専用の格納室に収納しなければなりません。

ガスボンベなどは、この格納室に保管するということです。
この格納室も耐火性を備えたものでなければなりません。

アセチレンを用いたガス溶接は、火災や爆発の危険を伴うので、専用の部屋などで取り扱わなければならないのです。

まとめ。

【安衛則】

第301条
アセチレン溶接装置を
用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業を行うときは、ゲージ圧力130キロパスカルを超えてはならない。
第302条
アセチレン発生器は、専用の発生器室内に設けなければならない。
第303条
発生器室は、不燃性の材料を使用するなどの措置をとらなければならない。
、移動式のアセチレン溶接装置は、用の格納室に収容しなければならない。
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