今日も無事にただいま

「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

必要な操作教育せず死亡事故に(滋賀県長浜市)

      2016/08/23

 

entry-750作業によっては、危険を伴うものがあります。
それらの作業は、必要な教育を受けたり、資格を得ないと仕事してはいけません。

資格とは、特別教育や技能講習などになります。
資格を必要とするものは約30種くらいあります。

この資格の中で主なものとしては、クレーン資格や玉掛けなどがあります。
特に玉掛けは、多くの方が持っている資格ではないでしょうか。

玉掛けは、クレーン作業では必ず必要となります。
一見すると、誰でもできそうな作業に見えますが、1つ間違えたら吊り荷が落下して、大きな事故になります。
また、クレーン作業も見よう見まねでできますが、これも安全に操作しなければ、自己を招きます。
そのため、必ず資格者が作業することが大事なのです。

滋賀県長浜市で、無資格者に作業させて事故になるということがありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow 事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

必要な操作教育せず死亡事故に 滋賀の会社、容疑で書類送検(平成28年8月2日)

滋賀県長浜市の鉄骨加工会社の工場内で4月、クレーンでつり上げた鉄骨が落下して作業員に当たり死亡する労災事故があり、彦根労働基準監督署は2日、労働安全衛生法違反の疑いで、専務と同社を書類送検した。

書類送検容疑は、4月23日、同社工場内で、クレーンの操作に必要な省令で定める特別教育を運転者の社員男性に行わなかった疑い。

同監督署や長浜署によると、事故は同23日午後2時15分ごろ、同工場内で、クレーンで運転者がつり上げた鉄骨(長さ約4・6メートル、重さ約800キロ)がフックから外れて落下。鉄骨の底の塗装の状態を点検中だった下請け業者の男性作業員の背中などに当たり、死亡した。長浜署は「発生当時、病死の可能性があった」として、事故を発表していなかった。

京都新聞

この事故の型は「飛来・落下」で、起因物は「クレーン」です。

鉄骨の加工を行う会社で、クレーン作業している時に、鉄骨が落下して、作業者を下敷きにしていまいました。

クレーンで鉄骨を吊り上げ、底の塗装を確認してたところ、掛けていたワイヤーがフックから外れて落下してようです。
ワイヤーが外れたということなので、玉掛けが悪かったといえます。

そしてこれらの作業は、無資格者が行っており、捜査の結果、書類送検されたのでした。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow 事故原因の推測

送検理由にあるように、事故当時玉掛け作業したのは、無資格者だったようです。もしかするとクレーンに関しても無資格だったかもしれません。

玉掛けは、1トン未満の吊り荷を玉掛けには特別教育を受講しなければなりません。1トン以上の場合は、技能講習を受講しなければなりません。
クレーンの場合は、吊り荷5トン未満の天井クレーンの操作は、特別教育が必要です。

これらの資格を受けていなったのが問題でした。

そして事故時の作業方法も大問題です。
クレーンで吊り上げ、鉄骨の底を確認するということやっていました。しかし吊り荷の下に入ることは、大問題です。

作業方法自体に、大問題が合ったといえます。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

無資格者に作業させていたこと。
吊り荷の下に人を立入らせていたこと。
作業方法が決められていなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow 対策の検討

まず、資格が必要な作業については、必ず有資格者が作業しなければなりません。

この作業では、少なくとも玉掛けの特別教育を持っていなければなりません。
もしクレーン作業を行うのであれば、クレーンの特別教育も受けていなければなりません。

また吊り荷の下に入り込んで、底の確認なども、作業方法として危険です。
鉄骨を置く台などに鉄骨を仮置きし、落下しないような措置が必要です。

このような作業方法を取らせないよう、事前に作業方法を決めておく必要がありました。

対策をまとめてみます。

玉掛けなどは有資格者に作業させる。
吊り荷の下に入らない。
作業計画や手順を決める。

有資格作業というものは、危険を伴うため、資格を必要とするのです。
作業者に資格をとさせるのは、1人数万の費用がかかります。また1日、2日作業の手を止めて、受講する時間投資も必要です。

負担になるのは間違いありませんが、これをけちって、事故になっていたら元も子もありません。

資格作業は、必ず有資格者が行いましょう。

index_arrow 違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

【クレーン則】

第221条
つり上げ荷重が1トン以上の玉掛け作業は、技能講習を修了したものに行わせなければなりません。
第221条
つり上げ荷重が1トン未満のの玉掛けの作業は、特別教育を修了したものに行わせなければなりません。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

クレーン則の玉掛け規定。その4

iQiPlus

 - ○事故事例アーカイブ, 飛来・落下 , , ,