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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

作業前の5分間ミーティングが、危険を回避する。

      2015/05/30

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事故は、2つの条件が重なることにより起こるとされています。

この2つの条件とは、1つは「不安全な状態」であり、もう1つは「不安全な行動」です。

「不安全な状態」とは、環境や機械、物が不安全状態、つまり危険をはらんでいる場合です。
いわば物的要因と言えますね。


「不安全な行動」とは、作業方法や不注意など、人が危険な行いをする場合です。
いわば人的要因と言えますね。


床に大きな穴があったとします。
これは「不安全な状態」です。
穴の中に落下するかもしれないので、危険なのは分かりますよね。

しかし、この穴に誰も近づかなければ、別に危険でもなんでもありませんよね。
それは、ただの穴でしかありません。

人が近づいて初めて、「落下するかもしれない」危険が生じるのです。

足元も見ずに、穴に不用意に近づく。
これは「不安全な行動」です。

「不安全な状態」、「不安全な行動」が接近しても、必ずしも事故には至りません。
しかし、事故の可能性は非常に高まります。

「不安全な状態」とは、機械や環境です。
移動式クレーンは、力があるので、万全に整備されている状態であっても、危険をはらんでいます。
どこかに故障がある場合は、その危険性は何倍にもなります。

工場で裁断機を使用する場合は、いつでも事故の危険があります。
車であれば、交通事故の危険があります。
建設業で、高所作業は、常に墜落の危険があります。

整備されていないなどの状態はともかく、正常な状態であっても、危険をはらむ物はたくさんあります。
仕事は、その危険にあえて近づかなければなりません。

機械や環境を点検、整備することで、ある程度「不安全な状態」を解消することができます。

事故を防ぐには、もう1つ「不安全な行動」を防がなければなりません。

つまり仕事の仕方が大切なのです。

前置きが長くなりましたが、今月の安全教育は作業場での行動についてです。

その日の作業を行う前には、その日何を行うのか、どんな危険があるのかを把握しなければなりません。

作業前には、作業内容とどんな危険があるのかをミーティングを行いますよね。
これをTBM(ツールボックスミーティング)やKY(危険予知)などといいます。

製造業、建設業など、TBMやKYは馴染みがあるのではないでしょうか。

私の会社でも、KYなどは励行しています。
しかし、実態はどうかというと、十分に時間をとっているとはいえません。

あちこちの作業場を見たことがありますが、私の会社だけではなく、朝礼やKYにしっかりとした時間をとらず、何となく作業を開始するというのは、見かけました。

あくまでも私が見た範囲ですので、きちんとやっている事業場はたくさんあると思います。

要因としては2つあると思います。

1つは、見知ったグループであり、やることが分かっているから、改めて打ち合わせない。
工場などでは、決まった作業を行うので、改めてというのはないかもしれませんね。
建設業でも、大体作業の状況を共有しているので、話すことはないというのがあるかもしれません。

もう1つは、朝は急いでいる、時間をとるのが惜しいと思っている。
または面倒だと思っているも含まれるかもしれません。

打ち合わせや、KYがなかったら、確実に事故が起こるものではありません。
むしろ事故の確立がのほうが低いと言えます。

しかし、こんな状況ではどうでしょうか?

クレーン作業を行うにあたって、誰が玉掛けをするかなどの役割はどうするのか、合図はどうするのか、荷物が頭上を通るルートはどこになるのか、他の作業に影響が出る場所はどこかなど。
曖昧のままだと、自分はどこにいて、何をしたらいいんだろうかと、考えてしまわないでしょうか?

ちょっとした判断の遅れ、迷いは、時として危険回避に支障をきたします。

宙に浮いた荷物を見ていて、他の作業を行っていたトラックにぶつかったなんてことも、事例としてあります。

まず状況を把握することが、危険回避に重要な事なのです。

そのために、今月の安全目標として、作業場についてから5分始めるのを遅らせてもらい、その5分でTBMとKY、そして機械の作業前点検を行おうとしました。

ほんの5分間でいいです。
作業長が、各人の役割と危険箇所の確認を行います。
危険箇所について、意見があれば作業員に聞いて、KYを行います。
そして機械を点検し、各持ち場に就くようにします。

だらだらと長いのは意味がありません。
短く、ポイントだけおさらいする。

当然、こういったことを実施されている事業所が多いと思います。
私の会社などで、目についたから励行しようとしているものです。

最低限のコミュニケーションではありますが、これで「不安全な行動」が減れば、しめたものです。

さらに現場ごとで行うので、作業長の自覚やコミュニケーションの促進に繋がれば、さらに嬉しく思いますが、そこまでは高望みですね。

まずは、作業員同士の作業内容を把握し、事故を起こさないようにすること。

これが何より得たい結果ですし、事故の条件の1つを解消することになります。

H2611月号

今月も、みなさまが安全に仕事されますように。

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