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高さ5メートルの足場から転落、塗装作業の男性死亡(大阪府東大阪市)

   

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ここ最近ですが、ニュース記事として足場に関する事故をよく見かけます。

一概にニュースでよく見かけることが、すなわち事故が増えてきていると見ることはできませんが、実情として足場の事故は多いように思います。

先日も足場の解体作業中に、鉄パイプ(おそらく筋交い)が落下し、歩行者に刺さるという事故がありました。
このような落下事故もあるのですが、足場の事故で多いのは墜落でしょう。

高所から落ちる事故というものが、非常に多いといえます。

大阪府東大阪市で、塗装作業中に足場から落下する事故がありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow 事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

高さ5メートルの足場から転落、塗装作業の男性死亡 東大阪の工場 (平成28年9月16日)

16日午後3時15分ごろ、大阪府東大阪市寿町の工場から「同僚が足場から転落した」と119番があった。工場外壁の塗装作業をしていた自営業が病院に搬送されたが、死亡が確認された。

大阪府警布施署によると、足を滑らせ、高さ約5メートルの場所から転落したとみられる。同僚の男性が気付き、通報した。

産経新聞

この事故の型は「墜落・転落」で、起因物は「足場」です。

工場の外壁塗装工事を行っていたときに事故が起こりました。
高さ5メートルの作業床から足を滑らせてしまったのです。

5メートルというと、2層から3層程度の作業床のため、足場としてはさほど高くないかもしれません。
しかし、頭などを打ってしまうと、命に関わってしまうのです。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow 事故原因の推測

まず、墜落事故を起こしてしまったこの足場は適切な構造をしていたのかが問題になります。

足場の手すりは設置されていたか、幅木はあったかなどです。
比較的住宅や工場などの公共工事でない場合は、墜落防止設備が簡略化される傾向があるので、注意が必要です。

また塗装作業でよく見られるのが、手すりがじゃまになるので、一時的に取り外して作業することです。
この事故当時、手すりが取り外されていた可能性はあります。

足場の手すりなどがない状態では、安全帯などを使用しなければなりません。
墜落したので、安全帯はされていなかったようです。

足場作業を行う上で、作業計画なども検討されていなっかのではないでしょうか。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

高所作業の作業計画が作成されていなっかたこと。
手すりなどの墜落防止設備が不十分だったこと。
保護具を使用していなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow 対策の検討

足場には、手すりや筋交い、下さんや中さんといった墜落防止のための設備を設けなければなりません。
さらに落下防止のために、幅木なども必要です。

これらの安全設備は、原則として作業中取外してはいけません。
取り外すことによって、墜落の危険度が増してしまうのです。

塗装は、壁全体を塗らなければならないため、場合によっては手すりなどがじゃまになります。
そのため手すりが取り外されることもあるのですが、こういった場合は安全帯を使用しなければなりません。

高所作業は、危険を伴います。
このような作業では、どんなにやり慣れているといっても、作業計画やKYなどを疎かにしてはいせません。

対策をまとめてみます。

足場の墜落対策設備は取り外さない。
手すりを取り外すときは、安全帯を使用する。
作業計画を作り、作業前にはKYを欠かず行う。

公共工事よりも、民間発注の工事では、監視の目が緩いからなのか、安全対策が十分でないように感じます。
足場の構造でも、幅木がないだけでなく、作業者は安全帯を着けていない、ヘルメットさえかぶっていないことも見かけたりします。

指導したり監視したりする目がないと、どうも手を抜くのかもしれませんが、注意したいものです。

index_arrow 違反している法律

この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。

第519条 
高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等には、囲い、手すり、覆い等を設けなければならない。
第520条 
労働者は、安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。

最も多い事故。墜落・転落事故の防止。

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