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鉄枠の下敷きに…作業中の77歳男性死亡(大阪府堺市)

   

スクラップ工場では、様々な形や大きさのものが運び込まれてきます。
ある程度の大きさを揃えるなどはあるものの、一様でない品々は、そのまま作業場のリスクにもなります。

また何の気なく、少し仮置きしたものが、思わぬ事故を招いてしまうこともあります。

大阪府堺市のスクラップ工場で、持ち込まれた部品が倒れてしまい、その下敷きになるという事故がありました。

今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。

index_arrow 事故の概要

事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。

鉄枠の下敷きに…作業中の77歳男性死亡 (平成28年10月29日)

29日午後0時半ごろ、堺市中区陶器北の金属スクラップを扱う作業場で、自営業の男性が鉄枠の下敷きになっているのを、関係者が見つけ119番した。男性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。

大阪府警西堺署によると、鉄枠は縦約240センチ、横約230センチ。

作業場のトラックに立てかけていたものが倒れたとみられる。いったん離れていた関係者が作業場へ戻ってきたところ、男性が下敷きになっていたという。同署が詳しい事故原因を調べる。

産経新聞

この事故の型は「崩壊・倒壊」で、起因物は「鉄枠」です。

スクラップ工場には、金属製品が持ち込まれます。
工場内で、大きなスクラップを小さく圧縮したり、細かく砕いたりします。

そのため持ち込まれる時は、大きな塊のものも少なくありません。
事故の原因となった鉄枠は2.4m×2.3mという大きなものです。これをトラックに立てかけていたところ、倒れてしまい、作業者が下敷きになりました。

それでは、原因を推測していきます。

index_arrow 事故原因の推測

そもそも鉄枠をトラックに立て掛けておくことが問題でした。
立てかける状態は、非常に不安定です。仮置きとはいえ、このような状態で放置しておくことは問題です。

さらに、そのような不安定な状態に、近づき作業していことが、被害を大きくしました。
通路や作業ヤードが危険箇所に近づくような、作業計画がよくなかったといえます。

被害あった作業者は77歳と高齢でした。
作業場は、高齢者でも安全に作業できるよう掲示や指揮をする配慮も必要だったのではないでしょうか。

それでは、原因を推測をまとめてみます。

鉄枠を不安定な状態で立て掛けていたこと。
仮置き方法など、作業計画が適切でなかったこと。
作業ヤード、通路が定説でなかったこと。

それでは、対策を検討します。

index_arrow 対策の検討

不特定なものが様々運び込まれるスクラップ工場などでは、荷降ろしする場所、仮置き方法、重機と作業者の作業ヤードの区分などを明確に決めてやる必要があります。
これらは、作業計画や作業手順書などで明記していくものです。

荷物のトラックに立て掛けての仮置きなど、通常では採用されない方法であるといえます。
このような作業を起こさせないために、作業手順を定め、それが守られるように職長や指揮者が作業監督する必要があります。

また高齢の作業者が安全に作業ができるようにしなければなりません。
安全通路の確保や作業ヤード区分の色分け、注意掲示などを工夫して、誰もが安全に仕事ができるようにする必要があります。

対策をまとめてみます。

作業計画、手順書を作成する。
職長や指揮者が作業を監督する。
高齢者も安全に働ける環境を作る。

スクラップ工場など産廃処分業は、死亡事故の発生率が非常に高いです。
(年千人率では9.83で最も多く、2番目に多い運輸業は2.77なのでその差は歴然)

これだけ事故が多い業種なのですから、事故のない作業場作りは急務といえます。

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