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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

低所からの墜落も命とり

   

 

墜落・転落の事故は、死亡災害としては最も多い比率を占めます。

平成28年度の死亡災害でも、平成29年1月までの速報で見ると、全死亡者数841人中、墜落・転落は223人と、約26%となっています。
例年の傾向として、4人に1人の方が墜落・転落の災害で命を落としているといえます。

どこから墜落というと、多いのはやはり高所からでしょう。
建設業であれば、屋根や足場、また機械の上からなどが事故が起こりやすい箇所といえます。また業種を問わずでいうと、床の開口部や階段といった場所も多いようです。

そして見過ごせないのが、2メートル未満の比較的低所からの墜落災害もあるということです。

脚立やはしごの低所からの墜落に注意しよう

この記事の中でも、少し触れているのですが、、はしごからは7%、脚立からは4%が墜落災害の割合を占めているとのデータもあります。

「1メートルは、一命とる」

とは、なかなかよく言ったもので、ほんのわずかな段差であっても、場合によっては命に関わる事故になる、こともあります。

2メートル以上の作業床(足場)を必要とする場所での作業は、墜落防止設備や安全帯などの注意を払うことが多いです。
しかし、高所作業と言うには大げさすぎる段差なども、注意を払い、何らかの対処が必要になるといえます。

先日、とある家の新築現場にパトロールに行ったときのことです。
木造の2階建て、パトロール時は柱や梁、屋根、2階の床は組み上がり、これから壁や内装に取り掛かるという時でした。
そんな状態ですから、階段もありません。床にぽっかりと穴が開いているだけです。

たくさんの大工さんが作業されている様子を見ていると、1人が階段の開口部の近くで、脚立作業をされているのでした。
開口部付近での脚立の使い方は注意が必要です。バランスを崩してしまうと、脚立から床の上に転がってしまうではすまない場合があります。倒れる方向によっては、1階まで墜落することもあります。

当然、階段の開口部付近でも脚立が必要な作業はあるでしょう。一切使用禁止となると、仕事ができませんが、対処はできるはずです。
一番よいのは、開口部を塞ぐことです。
常時塞いだままだと、はしごを使っての昇降に支障がある場合は、脚立作業中だけでも塞ぐことです。板で塞ぐことが困難な場合はネットを張るも選択肢の1つです。それも出来ない場合は、せめて安全帯を引っ掛けたいものです。

このケースは、たまたまパトロール時に見かけた光景ですが、実は日常的に気にせず行われていることではないでしょうか。

なお、この工事を行っている会社は、外部にパトロールを依頼するほどですから、日頃から安全管理に力を入れています。作業者への教育や指導も熱心にされていますが、それでも開口部で脚立などの光景は見られてしまうのです。

しかし車で走っている時に、屋根上作業もノーヘル、安全帯なしなんてことを見かけることも少なくありません。
それに比べたら、かなり安全に配慮されています。

建築現場の風景のように、自分たちが思っている以上に墜落の危険箇所というのは、多いものです。
階段やちょっとした段差などから、誰が落ちて大怪我すると思うでしょうか。

ところが、現実にはそのような事故もあることは忘れてはいけません。

墜落・転落防止のためには、防止する対策を行います。
足場では手すりなどの設備、開口部付近では、開口部を塞いだり、親綱を張り安全帯を使用するなどです。

作業の前にこれらの安全対策を行いましょう。
安全対策を行ってから、作業に取り掛かるということです。この順番がかなり大事です。

作業を開始してから、開口部を塞ぐなどすると、危険状態がしばらく放置されます。この間に事故になることもあります。

そして、高所以外の場所からの墜落・転落も注意です。
「1メートルは、一命取る」の言葉は、大げさでもありません。

わずかな段差でも、転倒事故を引き起こします。
そして、わずか1メートル程度であれば、墜落・転落の危険が増すのです。

段差があるところに、墜落・転落あり。

墜落・転落防止での事故を減らすためには、高低に関わらず、段差への対処を行いたいものです。

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