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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

資格について整理しよう

      2017/04/01

世の中には資格がたくさんあります。
独立の出来る国家資格もあれば、キャリアアップのための資格、独立するほどではないけれども、業務上不可欠な資格も少なくありません。

特に建設業や製造業の仕事は、資格により制限されている仕事も少なくありません。
この場合、制限されている仕事とは、主に危険を伴う仕事のことです。

危険を伴う仕事を行うためには、安衛法の言うところの特別教育や技能講習を受ける必要があるのです。

特別教育や技能講習の種類は豊富です。
そして大半が建設業と製造業の仕事が占めています。
例を挙げると、車輌系建設機械、クレーン、玉掛け、足場、溶接、酸欠、石綿などです。

さらには、特別教育ではないけれども、丸のこや刈払機などのような安全衛生教育というのもあります。
ゼネコンの現場などでは、丸のこ教育を受けてないと、丸のこ使用は禁止というのもあるようです。
また福島などの除染作業では草刈り機を使用するのですが、これも刈払機の教育を受けた人でないと作業させないというのもあるようです。

建設業に携わっていると、必然的に1人の作業者が多数の資格を持つということが珍しくありません。

いま何気なくやっている作業も、実は資格が必要だったということもあるので、確認が必要です。

特に、足場作業従事者の特別教育はお持ちですか?
平成27年の法改正で、足場の組立、解体作業するには、特別教育が必要になっています。

自分は足場屋じゃないから関係ないと思っているかもしれません。
しかし内装業で、脚立足場を組んだりすることもありますよね。
これも対象になるので、ご注意下さい。

足場の特別教育は、通常6時間教育です。ただし今年(平成29年)6月末までは、経験者に限り、短縮の3時間教育も可能なので、足場作業の経験者は、早めに受講されることをおすすめします。

私も今月、足場の特別教育を行いますので、どこかでお会いするかもしれませんね。

さて、資格は所有している、していないというのが大事ですが、もう1点大事なことがあります。

それは、資格によっては制限があるということです。
例えるなら、車の免許も中型、大型などの違いがあるということです。(最近、また区分が変わったようですが)
中型免許では、10tダンプは運転できないように、特別教育にも制限があることことです。

制限があるものとしては、車輌系建設機械、クレーン、移動式クレーン、玉掛け、高所作業車などがあります。
いずれも特別教育でも使用可能ですが、制限があります。

車輌系建設機械では、特別教育修了者は車体重量3t未満です。3t以上のもの使用するには、技能講習を受けなければなりません。
移動式クレーンや玉掛けなども、重量制限があります。

このように、技能講習を受けることで限定解除になるものがあります。
名称が同じだから何を使ってもよい、ではありません。
ややこしいのですが、この点も十分注意してください。

特別教育と技能講習で業務範囲が変わるものについて、リストにまとめてみました。

特別教育と技能講習で取り扱い範囲が異なるもの一覧

ついでに、同じ名称で、業務従事するのに必要な資格と作業主任者になるのに必要な資格一覧もまとめてみました。

業務従事と作業主任者選任に必要な資格

ややこしいといえば、こんな例もあります。
資格を管轄する省庁や協会が異なるケースです。

意外に多いのが、電気に関する資格です。

電気の資格として、電気工事士があります。これらは低圧の電気工事を行うために必要な資格です。
また電気主任技術者という資格もあります。こちらは工事ではなく、高圧や特別高圧設備の保守管理のための資格です。

有名な資格はこの2つですか、他にも資格があるのです。
それは、電気取扱従事者の特別教育というものです。種類には低圧と高圧・特別高圧があります。

実は、電気工事を行うためには、電気工事士に加え、特別教育も受ける必要があります。
なぜ別々の資格なのか。

理由としてこんなのが考えられます。
まず、電気工事士は欠陥工事を防ぐための技術や知識基準を問うものです。取得に際しては、試験は筆記と実技試験をクリアする必要があります。
一方、特別教育は、作業者の労災事故を防ぐための知識を学ぶものです。教育を受講すれば取得できます。テストはありません。

電気工事士の試験には、安全に関する内容は最低限しか含まれていません。しかし実際の作業は、危険が伴うものです。試験で欠けている分を、特別教育だカバーするということです。

では、特別教育を受けた人は、電気工事ができるかというと、ほぼ出来ません。せいぜい、開閉器(ブレーカー)の入り切り程度です。
やはり電気工事を行うためには、電気工事士を取得する必要があります。

電気工事士は持っているけれども、特別教育は受けていないという人も、時々いるようです。
別々の資格になるので、電気工事を行う人は、特別教育も忘れずに受けてくださいね。

正直な所、この2つの資格は管轄省庁が違うというのが一番の理由な気がします。
電気工事士は経産省、特別教育は厚労省の管轄なので。

同様のケースとしては、アーク溶接があります。
アーク溶接も特別教育があります。そして日本溶接協会の溶接技能資格というものもあります。こちらは品質管理のための資格です。
溶接技能資格は、特別教育の上位互換ではありません。全く別のもの資格です。

アーク溶接に従事する人は、両方の資格が求められます。

理由としては、何やら色々あるんでしょうけども、資格を発行している協会などは、山ほどあります。
その中で、何が必要かなどを探していくのは、困難です。

しかし、今やっている作業も実は資格が必要というものもあるので、今一度整理することも大事ではないでしょうか。

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