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有機溶剤取り扱い時の規則。その9

   

有機溶剤の業務では、第16条にあるように局所排気装置の形式や設置方法などに応じた、制御風速能力を備える必要です。
そして当然といえば、当然ですが、能力があるだけではダメで、活用されなければなりません。

局所排気装置などの換気装置の稼働についても、有機則に規定があります。

【有機溶剤中毒予防規則】

(換気装置の稼働)
第18条
事業者は、局所排気装置を設けたときは、労働者が有機溶剤業務に従事する間、
当該局所排気装置を第16条第1項の表の上欄に掲げる型式に応じて、
それぞれ同表の下欄に掲げる制御風速以上の制御風速で稼働させなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、第16条第2項各号のいずれかに該当する場合においては、
  当該局所排気装置は、同項に規定する制御風速以上の制御風速で稼働させれば足りる。

3 事業者は、プッシュプル型換気装置を設けたときは、労働者が有機溶剤業務に従事する間、
  当該プッシュプル型換気装置を厚生労働大臣が定める要件を満たすように稼働させなければならない。

4 事業者は、全体換気装置を設けたときは、労働者が有機溶剤業務に従事する間、
  当該全体換気装置を前条第1項の表の上欄に掲げる区分に応じて、それぞれ同表の下欄に
  掲げる1分間当たりの換気量以上の換気量で稼働させなければならない。

5 事業者は、局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を設けたときは、
  バッフルを設けて換気を妨害する気流を排除する等当該装置を有効に稼働させるために
  必要な措置を講じなければならない。

局所排気装置などを設置しても、稼働して蒸気を排出しなけれは意味がありません。
設備に応じた能力発揮が必要になります。

局所排気装置は、有機溶剤の作業中、型式に応じた制御風速以上で稼働させなければなりません。

制御風速については、第16条が規定値になります。

第16条第2項では、全体換気装置と併用する場合などは、本来の性能に至らなくとも、必要な制御風速以上であれば足ります。

プッシュプル型換気装置も同様に、作業中は稼働させ続けます。この時に風速も第16条の2の規定を満たすものでなければなりません。

全体換気装置で換気を行う場合は、第17条の換気量以上が必要です。当然、作業中はずっと稼働させます。

また各排気、換気設備は気流を阻害するような障害物をおいてはいけません。
確実に、本来の性能が確保するようにします。
つまり空気の通り道も、整理整頓が必要になるのです。

(局所排気装置の稼働の特例)
第18条の2
前条第1項の規定にかかわらず、過去1年6月間、当該局所排気装置に係る作業場に
係る第28条第2項及び法第65条第5項 の規定による測定並びに第28条の2第1項 の規定による
当該測定の結果の評価が行われ、当該評価の結果、当該1年6月間、第1管理区分に区分されることが
継続した場合であって、次条第1項の許可を受けるために、同項に規定する有機溶剤の濃度の測定を
行うときは、次の措置を講じた上で、当該局所排気装置を第16条第1項の表の上欄に掲げる
型式に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる制御風速未満の制御風速で稼働させることができる。

 1)次の事項を確認するのに必要な能力を有すると認められる者のうちから確認者を選任し、
  その者に、あらかじめ、次の事項を確認させること。

  イ 当該制御風速で当該局所排気装置を稼働させた場合に、制御風速が安定していること。

  ロ 当該制御風速で当該局所排気装置を稼働させた場合に、当該局所排気装置のフードにより
    有機溶剤の蒸気を吸引しようとする範囲内における当該フードの開口面から最も離れた作業位置において、
    有機溶剤の蒸気を吸引できること。

 2)当該局所排気装置に係る有機溶剤業務に従事する労働者に送気マスク
  又は有機ガス用防毒マスクを使用させること。

2 第13条の2第2項の規定は、前項第2号の規定により労働者に送気マスクを
  使用させた場合について準用する。

局所排気装置は、原則として型式に応じた制御風速以上で稼働させなければなりません。
しかし、条件によっては性能未満の風速でも良い場合があります。

その条件とは、作業環境測定の結果が第1管理区分と良好で、さらにその状態を継続していることです。

局所排気装置稼働の業務でも、過去1年6ヶ月作業環境測定の結果、第1管理区分を継続している場合、労働基準監督署長の許可を受けるために、濃度測定を行う場合は、制御風速未満の風速で稼働させることができる。

ポイントの1つ目は、少なくとも過去1年6ヶ月以上の間、第1管理区分という良好な状態が継続していることです。

2つ目のポイントは、この段階ではあくまでも許可申請のために測定を行うためのもので、いわばテスト稼働でしかないということです。

測定が終われば、本来の風速に戻す必要があります。
局所排気装置の風速を抑えるなどの措置ができるのは、許可後です。

濃度測定するにあたっては、確認事項があります。
まずは、局所排気装置の稼働で、制御風速が安定していること。蒸気の吸引範囲が十分にカバーしていることなどです。

また、あくまでもテスト運用のようなものなのです。まだ十分に排気されているとは、実証されていません。
そのため作業者は送気マスクや防毒マスクを着用しておきます。

この測定結果によって今後の運用が変わってくるのです。

第18条の3
第18条第1項の規定にかかわらず、前条の規定により、第16条第1項の
表の上欄に掲げる型式に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる制御風速未満の制御風速で
局所排気装置を稼働させた場合であっても、当該局所排気装置に係る作業場の有機溶剤の
濃度の測定の結果を第28条の2第1項の規定に準じて評価した結果、
第一管理区分に区分されたときは、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、
当該局所排気装置を当該制御風速(以下「特例制御風速」という。)で稼働させることができる。

2 前項の許可を受けようとする事業者は、局所排気装置特例稼働許可申請書(様式第2号の2)に
  申請に係る局所排気装置に関する次の書類を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 1)作業場の見取図

 2)申請前1年6月間に行った当該作業場に係る第28条第2項及び法第65条第5項 の
  規定による測定の結果及び第28条の2第1項 の規定による当該測定の結果の評価を記載した書面

 3)特例制御風速で当該局所排気装置を稼働させた場合の当該作業場の有機溶剤の濃度の
  測定の結果及び第28条の2第1項の規定に準じて当該測定の結果の評価を記載した書面

 4)法第88条第1項 本文に規定する届出(以下この号において「届出」という。)を
  行ったことを証明する書面(同条第1項 ただし書の規定による認定を受けたことにより
  届出を行っていない事業者にあっては、当該認定を受けていることを証明する書面)

 5)申請前2年間に行った第20条第2項に規定する自主検査の結果を記載した書面

3 所轄労働基準監督署長は、前項の申請書の提出を受けた場合において、第1項の許可をし、
  又はしないことを決定したときは、遅滞なく、文書で、その旨を当該事業者に通知しなければならない。

4 第1項の許可を受けた事業者は、当該許可に係る作業場について第28条第2項の規定による
  測定及び第28条の2第1項の規定による当該測定の結果の評価を行ったときは、遅滞なく、
  文書で、第28条第3項各号の事項及び第28条の2第2項各号の事項を
  所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

5 第1項の許可を受けた事業者は、第2項の申請書及び書類に記載された事項に変更を生じたときは、
  遅滞なく、文書で、その旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

6 所轄労働基準監督署長は、第4項の評価が第1管理区分でなかったとき及び第1項の許可に
  係る作業場についての第28条第2項の測定の結果の評価が第28条の2第1項の
  第1管理区分を維持できないおそれがあると認めたときは、遅滞なく、当該許可を取り消すものとする。

前条では、局所排気装置の制御風速を規定未満にしての測定をする場合でした。

ここでは、測定結果に基づく措置についてです。

風速を下げるメリットとしては、消費電力が下がるので、その分電気代が下がるというものがあります。
またそれだけ良好な環境を保持しているという証拠にも鳴るのです。

局所排気装置の風速を規定未満にして測定した結果が、第1管理区分と良好だった場合、労働基準監督署長の許可を得て、制御風速を規定未満にして稼働させることが出来ます。

労働基準監督署長には必要な書類を作成し、申請しなければなりません。

申請にあたっては、少なくとも過去1年6ヶ月以上、濃度測定の結果が第1管理区分であったという記録が必要です。

局所排気装置を変えたり、設備の配置換えなど、申請内容に変更があった場合は、報告しなければなりません。

局所排気装置は、有機溶剤業務での重要な対策になるので、稼働運用には労働基準監督署の許可などが関係するのです。

まとめ。

【有機溶剤中毒予防規則】

第18条
局所排気装置を設けたときは、有機溶剤業務に従事する間、局所排気装置を規定の制御風速以上の制御風速で稼働させなければならない。
第18条の2
過去1年6月間、当該局所排気装置に係る作業場の結果の評価が行われ、当該評価の結果、第1管理区分に区分されることが継続した場合であって、有機溶剤の濃度の測定を行うときは、規定の制御風速未満の制御風速で稼働させることができる。
第18条の3
制御風速未満の制御風速で局所排気装置を稼働させた場合であっても、当該局所排気装置に係る作業場の有機溶剤の
濃度の測定の結果が第一管理区分に区分されたときは、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、当該局所排気装置を当該制御風速で稼働させることができる。
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