今日も無事にただいま

「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

熱中症へ早めの準備をしよう

   

ここ数年、真夏の暑さが尋常ではない気がします。
 
昔と比べるのは年によるものかもしれませんが、20年以上前に気温が40度を超えていた記憶がありません。
 
歴代の最高気温を調べてみると、
 
1位 高知県江川崎 41.0 2013年8月12日記録
2位 埼玉県熊谷  40.9 2007年8月16日
  岐阜県多治見 40.9 2007年8月16日
4位 山形県山形 40.8 1933年7月25日          
 
とのことです。 
 
1位~3位は、ここ約10年の記録ですね。
それまでは、4位となった山形がトップでした。この記録を知った時、山形って東北なのに意外と思ったものです。
 
夏に山形でのパトロールに行ったこともありますが、確かに暑かった記憶があります。恐るべきフェーン現象を感じました。
 
近年は、40℃に迫る気温になることも少なくないようです。
 
結果、大いに関心が寄せられているのが、熱中症です。
環境省や厚生労働省も熱中症への注意喚起を行っています。
 
厚生労働省では、今年もSTOP!熱中症 クールワークキャンペーンを実施し、広く対策を呼びかけています。
 
 
今回のテーマは熱中症への注意です。
熱中症への対策は、5月や6月から始めるのが望ましいです。特に屋外にいる方は注意してください。
 
熱中症の現状
STOP!熱中症 クールワークキャンペーンには、ここ数年の熱中症の労災データが公開されています。
これによると、昨年(平成29年度)と、前年に比べ、死傷者・死亡者ともに増加しています。
近年の傾向を見ると、隔年で増減を繰り返している様子が伺えます。
 
しかし平成29年の夏は、東日本では平年並みかやや低め、西日本は気温が高いという傾向でした。
 
 
特に仙台では、36日連続雨という記録を作りました。
 
気温だけで見ると、西日本で熱中症を発症した方が多いようです。
東京消防庁の都道府県別の搬送者数を見ると、西日本で多いようです。
 
 
年齢別では、高齢者の比率が高い傾向に
高齢になると、暑さを感じにくい傾向や、喉の渇きを感じにくく水分摂取も十分でないということ等があるようです。
 
ニュース等でも、熱中症の注意喚起が繰り返されていますが、それでも発症してしまうのが熱中症といえます。
 
最高気温は目安に過ぎない
さて、熱中症への注意や警戒には、その日の最高気温が目安となります。
 
しかし、覚えて置かなければならないこととして、必ずしも最高気温は正確ではないのです。
 
最高気温の計測方法について、気象庁ではこのように紹介しています。
気温の観測は、風通しや日当たりの良い場所で、電気式温度計を用いて、芝生の上1.5mの位置で観測することを標準としています。また、電気式温度計は、直射日光に当たらないように、通風筒の中に格納しています。通風筒上部に電動のファンがあり、筒の下から常に外気を取り入れて、気温を計測しています。
 
風通しがよいや、芝生の上1.5メートルの場所等の条件で計測しています。
アスファルト等ではないのです。
当然、炎天下のアスファルトはもっと気温が上がりそうですよね。
 
つまり天気予報で発表される最高気温以上の、気温の場所も少なくないということです。
逆に言うと、上記の条件で40℃に迫るのは恐るべきことだとも言えますが。
 
やはり熱中症の管理には、作業場での温度管理(WBGT)が欠かせません。
 
熱中症アプリなどもありますが、ピンポイントの測定は、現地測定に勝るものはありません。
 
 
今は携帯用のWBGT計が販売されているので、現場監督の人は1つ持っておくことをお勧めします。
 
主な症状と対策
熱中症の症状をいち早く発見するために、どんな症状があるのか把握しておくことが重要です。
症状は主に、高温によるものと脱水によるものがあります。
 
体に熱がこもると、脳への血流が減り、ボーっとしてしまいます。これが初期症状。
放置し続けると、最終的には熱射病に至ります。
 
熱射病になると、いち早く医療機関に搬送する必要があります。
もはや専門のケアを受けることを必要です。
 
脱水症状も放置すると危険ですが、同時に塩分(ナトリウム)の補給も忘れてはいけませんね。
休憩で水分を摂取するとともに、塩飴などもとりましょう。
 
中には、水分摂取量や体温測定のチェックシートをつけているところもあります。
これも管理的には有効ですが、作業者としては手間が増えるので、相談しながら管理方法を検討するのがよいでしょう。
 
このように休憩や水分摂取の目安を示すのは良いかもしれません。
 
トイレにこんなのを貼ると、結構尿の色に注目してくれます。
 
もしものときは
体調不良を訴える人がいれば、直ぐに対応する必要があります。
 
意識の有無や自力で水分補給ができるかが、119番通報の判断基準となります。
もしそのような症状が見られる場合は、迷わずいち早く救急車の依頼をしましょう。
通報の際には、必ず熱中症の疑いがあることは伝えましょう。事前に伝えることで、救急隊員の方も準備してくれます。
 
もちろん救急車を待つ間も、放置してはいけません。
涼しい場所(エアコンのある室内や木陰等)に運び、体を冷やします。
 
まず衣服を少し緩め、風通しをよくします。
冷却は、首元や脇の下、足の付根など大動脈に氷嚢などを当てるのが効果的になるようです。
 
救急車が来て、救急隊員の方に引き渡すまで、決して一人にしてはいけません。
 
もし意識があり、倒れている本人が「仕事に戻ってもいいよ」と言ったとしても、放置してはいけません。
 
症状が重くない場合もしっかり休息と、水分・塩分の補給をとらせます。
なるべくなら、軽症でも一度は医療機関に診てもらうのが良いかもしれません。
一旦回復したと思っていても、後から悪化するケースもあるようです。
 
普段からの心がけ
熱中症は日々の備えが重要です。
 
まずは、規則正しい生活習慣を送ることです。

寝不足や二日酔い等は症状を悪化させてしまいます。
持病がある人は一層の注意しましょう。血圧を下げる薬の服用している人等は注意ですよ。
 
もう一つは、暑さに慣れることです。
5月や6月でも熱中症になるのは、体が暑さに慣れていないことも一因です。
 
梅雨が明け、本格的な夏になると徐々に体も順応していきます。しかしエアコンが聞いた部屋ばかりにいたり、暑い屋外と寒い室内を頻繁に出入りする場合は、体も慣れきりません。
 
普段からの生活習慣が、一番の熱中症対策になるのです。
 
今年も熱中症対策を必要とする季節が来ます。
誰もがいつ熱中症になるのかは分かりません。
 
早めの対策を行い、備えていきましょう。
 
最後に今回の内容をまとめた、安全通信と資料を掲載します。
 
 
 
 
資料を利用する時は、コメントをいただけると今後の励みになります。
 
熱中症に関する過去の記事も参考にしてください。
 
 
 
 
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