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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

通達や法改正で振り返る! 平成災害史1

      2019/06/28

◯はじめに
今年は平成という時代が終わり、新たに令和時代が始まりました。平成の30年余り、労働安全衛生に関しても、大きな変化がありました。
昭和に成立した労働安全衛生法は、平成30年間に、しばしば大きな改正がありました。
 
改正は社会や時代の変化に従ったものですが、その背景には、記憶に残る大きな災害が関係していることも少なくありません。
大きな災害の後は、注意喚起や点検を要請する通達が出され、場合によっては法改正になります。
 
未来への予測は、過去を学ぶことが重要です。
平成30年間の法改正や通達を振り返り、その時発生した災害を振り返ろうと思います。
 
事故と法改正の関連性については、少々強引な解釈もあるかと思います。
「そんな見方もあるな」と、大目に見ていただければと思います。
 
振り返ることで、新時代には同じような災害を防ぐ、決意を固めていきましょう!
 
目次
1. 平成の災害の推移を統計データで見る
 
2. 法改正などに影響を与えた災害
1. 平成の災害の推移を統計データで見る
平成元年から平成30年の災害統計の推移を見ると、死亡者数、死傷者数ともに減少しています。
30年間で被災者数は半減しています。
これは、行政や事業者、労働者が一体となって、労働災害減少に努めてきた結果です。
まだまだ課題は多く、今後も減少に努めていかなければなりません
 
大きな法改正は5年程度ごとに行われます。
細々とした法改正、例えば化学物質の追加などは、毎年のように行われています。
 
平成7年       産業医、有機則に関する変更
平成13年    ダイオキシンへの対策
平成16年    技能講習の指定機関登録
平成17年    石綿障害予防規則施工・石綿製造・販売・使用等の禁止
平成18年  危険性または有害性の調査(リスクアセスメント)の努力義務
平成21年    足場の構造改正
平成27年    足場改正、ストレスチェック、受動喫煙防止  化学物質のリスクアセスメント
平成30年  働き方改革・フルハーネス型安全帯の義務化
 
大きな災害、大きく報道された事故のあとは、点検や調査、業務の徹底について行政通達が出されます。(基発◯◯号など)
重大な事故や緊急対応が必要な内容について、法改正の契機となるものもあります。
 
法改正は、特定の事故が契機となるものは少ないです。
むしろ墜落・転落災害など長期の課題となる災害対策として、検討されることが多いのです。
 
また法令が定められるが、守られていないことが原因のケースも少なくありません。
この後紹介する平成で発生した大きな災害も、法令違反によるものが多いです。
 
平成で発生した災害は、法令遵守の重要性を気づかせ、徹底する意識をもたらしたといえます。
 
2. 法改正などに影響を与えた災害
まずは近年の事故から。
 
○新名神高速道路有馬川橋橋桁落下事故(平成28年4月22日)wiki
 
簡単な概要
 
  • 建設中の新名神高速道路の工事現場で、橋桁が落下し、建設作業員10名が死傷(死亡者2名・8名負傷)した事故。
  • 長さ約124m、重量約1350トンの鋼鉄製の橋桁の西側が約15m下の国道176号に落下した。
原因
 
  • 橋桁東側をつり上げていた「ベント設備」の北側支柱が南側支柱より約2・5センチ地面に沈み込む「不等沈下」が原因。
  • 沈下は事前に気づいていたが、工期に追われ、十分に対応できなかった。
総点検では、同様の作業場結果、作業手順書がないや作業主任者が配置されていないなどの違反が多数発見されました。
 
事故の影響や課題として、次のようなことが考えられます。
 
  • 現場管理のあり方を見直す
    作業主任者の掲示、作業関係者全体への安全意識の共有
  • 作業手順書の活用、変更時の修正などの徹底する
  • 予知された異変に対し、工程か安全かを選択することに責任がある
  • 一方で適正な工期設定についても、考える必要がある
現場での管理体制の徹底は、平成を通じての課題です。
また、作業のあり方、進め方なども新たな課題として検討していくことが求められます。
 
平成から令和へ。
労働災害を減らすための課題は、決して少なくありません。
 
では、平成元年の事故から振り返っていきましょう。
 
 
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