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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

建設業の安全施工サイクルにも、新型コロナウイルスへの対策を盛り込もう

   

 
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、緊急事態宣言の範囲が全国となりました。
これに伴い、営業自粛や在宅ワークなどの対応がとられています。
 
しかし、在宅ワークなどが不可能な業種もあります。
例をあげると、工場での製造業や建設業などです。
これらは「現場」に行かなければ、仕事はできません。
 
工場や現場そのものを中止させているところもありますが、作業を継続させているところも少なくありません。
中止する、継続する、いずれの場合もリスクがあります。
 
私は建設現場でのパトロールが多いです。
そのため今回は、現場を継続する場合についてのアイデアを書いてみます。
 
建設現場では、一日の仕事を安全施工サイクルに従っているところも少なくありません。
(工期が短期や、小規模のところでは、やっていない現場も多いと思いますが。)
 
安全施工サイクルは一日の作業で、「この時間には、この安全衛生活動を行う」と示したものです。
例えば、「朝8時から、全員が集まって体操と朝礼を行う」というものです。
 
以下のサイクルの図は、大体含まれる内容を描いています。
もしかすると掲示板でよく見るものと違うかもしれません。
 
 
業者ごとに作業内容は異なりますが、打ち合わせや点検などの安全衛生活動は、時間を決めてやる。
これによって作業と安全衛生管理活動を一体化し、漏れや忘れなどを防ぐことを目的としています。
 
さて、この安全施工サイクルは、作業場の全員が行います。
中には、朝礼や事務所内の打ち合わせなど、三密を作り出してしまうものもあります。
新型コロナウイルスへの対策を考えると、各活動にも注意や対策も盛り込んだ方がよいのではないでしょうか。
 
実はこの話は、先日ある現場担当者から聞きました。
現場の詳細は伏せますが、大人数の方が作業されている場所です。
安全工程打ち合わせでは、集まるのが各社の職長・安全衛生責任者だけですが、一部屋に50人以上が集まる状態だそうです。
当然、社会的距離2mを確保できません。
最も避けなければならない状態です。
 
そのため、今後はMS Teamなどの活用を検討されているようです。
 
このような状況は、全国を見渡すと発生しているかもしれません。
 
感染防止のために、注意するポイントを書き込んで見ました。
 
 
 
ポイントは、
・三密を避ける
・同僚間であっても、接触を最小限とする
です。
 
また、作業場には消毒液は備えて置きましょう。
手指にはアルコール消毒がよいのですが、器物にはキッチン用漂白剤などを薄めても使用できます。
 
作り方はこちらを参考に。
アルコール消毒液は品薄ですが、キッチン用漂白剤は比較的店頭に並んでいるようです。
器物用の消毒液は、機械や設備などの消毒にも使えるので、複数準備しておくとよいですね。
 
それぞれの項目について、少し説明を加えます。
全ての項目で共通しているものとして、人と話す必要がある場合は、マスク着用が望ましいです。
マスクがない場合は、口元をハンカチやタオルで押さえて発言するのも、よいかもしれません。
ただものすごく声が籠もるので、聞き取りづらいかもしれませんが。
 
○朝礼・体操
 
作業開始時に、最初にやることです。
元請け、協力業者は請負次に関わらず、全員が集まります。
 
全員が一同に集まりますので、三密状態を作り出します。
 
そのため、集まるのは職長・安全衛生責任者だけにして、距離をとって整列してもらう。
職長・安全衛生責任者以外の作業者の方は、別の場所(後にミーティングを行う場所)に集まっておいてもらう。
このようにしてはいかがでしょう。
作業者同士でも、距離を取ることが必要です。
 
作業場の広さや立地などの条件によって、制約はあるので、工夫は必要です。
 
もし可能であれば、SNSなどを活用し、朝礼で話す内容を職長など送付する。
そして朝礼を行わないというのも一つの選択肢として考えてはいかがでしょうか。
 
○ミーティング
 
業者ごとに分かれての作業前打ち合わせ。
職長・安全衛生責任者をリーダーとして、業者の全作業者が集まります。
(作業内容に応じて、後次の業者も含む)
 
数人であっても、三密状態を作るので、作業員同士の距離をとる。
 
○KY
 
ミーティングに続けて、業者ごとに行います。
 
KY内容を用紙に記入し、最後に全員で署名します。
用紙を全員で回す時、ボールペン使い回す際に、接触が発生します。
 
そのため、用紙は机などに置いたままとし、署名する人だけが近づく。
ボールペンを各人のものを使用し、使い回しはしない。
 
KYの最後は、指差し呼称をしますが、この際もマスクやタオルなどで口元を覆う配慮もするとよいですね。
肩に手をおいて、タッチ・アンド・コールは止めた方がよいかもしれません。
 
○作業前点検
 
設備や機械、道具の点検です。
 
基本的には、個別に行います。
 
足場などの設備を複数の人が行っているのであれば、1人で行うようにするとよいのではないでしょうか。
重機や道具など手に触れるものは、消毒しておくとよいでしょう。
 
また重機などは一つの機械を複数の人が使うのではなく、機械ごとのオペレーターだけが使用するというルールも検討したほうがよいかもしれません。
これは電動工具やその他の道具も同じです。
 
○作業中の指揮・監督、安全巡視
 
対面で話すことが必要となりますので、マスクなどを着用して行いましょう。
 
○昼食時
 
レストランで一緒に食事を共にしていた人から感染という事例も報告されています。
 
そのため食事も、なるべく単独でとる、相席であっても対面に座らないほうがよいかもしれません。
食事をしながらの会話も控え、食べ終わったらマスクなどをしてから会話する配慮も必要でしょう。
 
また車の中で弁当を食べる、休憩室ではお互いに距離をとって食べるなども考えてみましょう。
 
○安全工程打ち合わせ
 
昼休憩明けに行わることが多いようです。
 
事務所に職長・安全衛生責任者が全員集まります。
三密状態となります。
 
集まる人数が少ない場合は、距離を開けて席をとるなどでもよいと思います。
 
また少ない人数であっても、なるべく広くスペースが使える部屋(休憩室)などを使うとよいですね。
 
しかし、10社以上が事務所に集まるのは、考えものです。
 
その場合の対策として、
全員が集まるのではなく、関連する数社ごとなど、分散して行う。
屋外で行う。
ネット会議、SNSを使用する。
 
などが考えられます。
全員が一同に集まらない方法を検討しましょう。
 
○後片付け
 
設備や機械には、消毒しておくとよいでしょう。
 
○終了報告
 
職長・安全衛生責任者が、元請けに作業終了と退場の報告を行います。
この時、KYなども提出します。
 
SNSなどを取り入れているのであれば、SNSでの報告にしてしまってもよいかもしれません。
提出物も直接手渡しをやめて、どこか場所を決めて提出してもらえればよいと思います。
 
建設現場での対応について、いくつか質問を受けてものですから、新型コロナウイルス対策を考えてみました。
 
すでに対応を検討し、実行されているところも多いと思います。
 
今回出した内容も、取り入れられる、取り入れられないなどもあるでしょう。
これを一つのアイデアとして、ご自身の現場ではどうするのかを考えてもらえればと思います。
 
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