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コンクリートポンプ車を使用する際の措置

      2015/05/30

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安衛令別表第7には、車両系荷役運搬機が6分類されています。

安衛令別表第7
 1. 整地・運搬・積込み用機械
 2. 掘削用機械
 3. 基礎工事用機械
 4. 締固め用機械
 5. コンクリート打設用機械
 6. 解体用機械

土木工事では、ほとんど仕事内容によらず使用されるものとしては、ショベルカー等があ、2の掘削用機械でしょう。
逆に3の基礎工事用となると、橋脚や建物など基礎を必要とする工事以外では、使用しません。

その他の機械も、用途に応じて使用されますが、5のコンクリート打設用機械も、コンクリートを扱う土木工事や建築工事などでは、よく使う機械です。

今回は、コンクリート打設用機械の規定について、まとめます。

コンクリート打設用機械として、別表第7第5項に挙げられているものは、コンクリートポンプ車とそれ以外に厚生労働大臣が指定するものです。
代表は、コンクリートポンプ車です。

コンクリートポンプ車とは、車体本体にポンプで圧力をかけ、ドロドロのコンクリートをパイプを通して、任意の場所に打ち込むための機械です。
遠くまでコンクリートを運ぶために、長いアームを持っており、全体的にとても大きな機械です。

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      コンクリートポンプ車


コンクリートポンプ車を操作は、特別教育を修了したものではなけれればなりません。
他の機械と異なり、技能講習を終了する必要はありません。

なお、コンクリート工場から、打設する現場まで運ぶのは、ミキサー車というものです。
これは後ろにくるくる回転するタンクを持った車ですが、走っている姿を見たこともあるのではないでしょうか。
これはコンクリート打設用機械には含まれません。大型車両です。
そのため、免許は自動車の大型免許になります。

コンクリート打設用機械については、安衛則にまとめられています。

【安衛則】

第4款 コンクリートポンプ車
(輸送管等の脱落及び振れの防止等)
第171条の2
事業者は、コンクリートポンプ車を用いて作業を行うときは、
次の措置を講じなければならない。

1)輸送管を継手金具を用いて輸送管又はホースに確実に接続すること、
輸送管を堅固な建設物に固定させること等当該輸送管及びホースの
脱落及び振れを防止する措置を講ずること。

2)作業装置の操作を行う者とホースの先端部を保持する者との間の
連絡を確実にするため、電話、電鈴等の装置を設け、
又は一定の合図を定め、それぞれ当該装置を使用する者を
指名してその者に使用させ、又は当該合図を行う者を
指名してその者に行わせること。

3)コンクリート等の吹出しにより労働者に危険が生ずるおそれの
ある箇所に労働者を立ち入らせないこと。

4)輸送管又はホースが閉そくした場合で、輸送管及びホース
(以下この条及び次条において「輸送管等」という。)の
接続部を切り離そうとするときは、あらかじめ、当該輸送管等の
内部の圧力を減少させるため空気圧縮機のバルブ又はコックを
開放すること等コンクリート等の吹出しを防止する措置を講ずること。

5)洗浄ボールを用いて輸送管等の内部を洗浄する作業を行うときは、
洗浄ボールの飛出しによる労働者の危険を防止するための器具を
当該輸送管等の先端部に取り付けること。
(作業指揮)
第171条の3
事業者は、輸送管等の組立て又は解体を行うときは、作業の方法、
手順等を定め、これらを労働者に周知させ、かつ、作業を指揮する者を
指名して、その直接の指揮の下に作業を行わせなければならない。


条文は2条です。
これ以外にも、定期点検等の規定は適用されるので、注意して下さい。
第172条の2と3は、コンクリートポンプ車特有に講じなければならない規定です。

コンクリートポンプ車は、パイプを通して重いコンクリートを遠くまで運びます。
そのためには高い圧力をかけて、送り出します。
重量のあるドロドロのコンクリートが、高い圧力を掛けられて移送されているのですから、吐出し口からは、水鉄砲で発射される水のように、勢いよく飛び出してきます。

そんな状態ですので、吐出口の前に人が立っていたりすると、危険なのはわかりますよね。

またコンクリートポンプ車の特徴として、車体から遠くの場所にコンクリートを打設できます。
操作者と打設現場の作業者が、お互いの姿を見ることができないということも、よくあります。

こういった特徴を踏まえ、安全に作業することが求めらて、規定があるのです。

第172条の2は作業時にとらなければならない措置についてです。

コンクリートを移送するパイプ内は、高い圧力がかかっています。
そのため容易に振れてしまいますし、接続部が緩んでいると、そこから漏れてしまうこともあります。
特に吐出口付近で、パイプが左右に動いてしまうと、周辺で作業している人たちが危険この上ありません。
こんな危険を防ぐために、パイプは確実に接続し、出口はしっかりしたもの、例えば建築物などに固定しなければなりません。

当然ですが、吐出し口の前に、作業員を立たせてはいけません。
吹き出してきたコンクリートがぶつかってしまいます。

またコンクリートポンプ車の操作者と、打設作業を行う人とは、離れていることが多く、直接合図することは困難です。
しかし打設の準備ができていないのに、操作者がコンクリートを送り出したりすると危険です。
そのため、お互いが連絡できるように電話などの連絡装置を設けます。電話など以外にも、合図者を指名し、どちらからも確認できる位置に立ち、合図を仲介させる方法もとられます。

打設作業が終わった後も、パイプ内は圧力が残っています。
この状態で不用意に、パイプの接続を外そうものなら、吹き出してきます。
接続を外す時は、必ず減圧してからですね。

パイプ内はコンクリートが通るわけですが、コンクリートは時間が経つと固まります。
当然、そのまま放置しておくとパイプの中のコンクリートも固まり、次に使えなくなります。
打設した後は、固まる前に掃除しなくてはいけません。

しかしパイプの中の掃除は難しいです。
中にはいれませんし、手が届く範囲も限られています。
水を通して洗うのですが、どうしても洗い残しもあります。
しっかり洗浄するために、洗浄ボールというスポンジ等の球を水と一緒に流します。
このボールが内壁を、ゴシゴシこすって、コンクリートを落としてくれるのです。

洗浄ボールは、パイプの中をそれなりの勢いで流れていくわけです。
当然のことながら、ずっとパイプの中というわけではなく、出口からは出てきます。

勢いづいたボールが飛び出してくるのですから、出口の前に立つ人があると、ぶつかる危険があります。
この危険を防ぐために、先端にネット等を張っておき、飛び出すのを防ぐ措置をとらなければなりません。
なぜ、わざわざ、そんなことまでするのかと思うかもしれません。
しかし、洗浄ボールにぶつかって事故になったという事例もあるんですよ。

さて、コンクリートポンプ車は、公道を走る車両が多いです。
路上を走る時は、本体ポンプでパイプが繋がっていない状態です。
走る時に長いパイプがあれば、邪魔ですからね。

パイプは、現地で組立て、作業完了時には解体します。
この組立て、解体作業時には、必要な措置をとらなければなりません。
その措置は、作業方法の決定と作業者への周知はもちろんのこと、作業指揮者を指名し、この指揮のもとで作業を行わなければなりません。

コンクリートポンプ車は、ビルなど比較的大量のコンクリートを打ち込んだり、打ち込む場所までコンクリートを運べない時などに使用します。

ダムなど、毎日大量のコンクリートを打ち込み、とてもじゃないがコンクリートポンプ車では対応できない場合は、現地にコンクリートプラントを作り、現地生産、現地消費を行うこともあります。

そこまで大量に使用する仕事は、限られますが、コンクリートを扱う仕事は非常に多いです。
コンクリートポンプ車も多くの現場で活躍しています。

コンクリートに高い圧力をかけて、遠くまで送り出す機械ですので、相当の力も持っているのです、
当然のことながら、パイプの接続部のチェックを行っていなかったり、吐出口で出てくるかを除いて確認したりすると、事故につながります。

建設機械は、大きな力で仕事をするので、些細な事が大事故になりかねません。

建設業であれば、コンクリートを扱うことは多いと思いますが、構造物をいい仕上がりにするためには、まず安全な打ち込み作業が大切ですね。

まとめ。

【安衛則】

第171条の2
事業者は、コンクリートポンプ車を用いて作業を行うときは、輸送管等の脱落及び振れの防止等の措置をとらなければならない。
第171条の3
事業者は、輸送管等の組立て又は解体を行うときは、作業を指揮する者を指名して、指揮の下に作業を行わせなければならない。
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