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「『いってきます』といった人は『ただいま』と言う義務がある。労働安全コンサルタント角田淳による、安全衛生で使えるアイデアや教育ツールのご紹介

くい打ち機、くい抜き機、ボーリング機械を使用する時の安全。その2

      2015/12/16

entry-499

くい打ち機やくい抜き機は、何十メートルものくいを垂直に立たせ、これを支える構造です。ボーリング機械も、これと同じで、長い掘削ドリルを立たせて支えています。

支持されたくいは、地中深く打ち込むために、上下させます。そのためにワイヤーを使用します。機械の形は違いますが、クレーン車がワイヤーで荷物を吊り上げるのと同じといえます。

長く重いくいを支えるワイヤーです。簡単に切れてしまったのは困ります。
相当の強度を必要とします。

本体と同様に、ワイヤーの強度についても、安衛則で規定されています。

【安衛則】

(不適格なワイヤロープの使用禁止)
第174条
事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの
巻上げ用ワイヤロープについては、次の各号のいずれかに
該当するものを使用してはならない。

  1)継目のあるもの

  2)ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。
   以下本号において同じ。)の数の10パーセント以上の素線が
   切断しているもの

  3)直径の減少が公称径の7パーセントをこえるもの

  4)キンクしたもの

  5)著しい形くずれ又は腐食があるもの

くい打ちなどに使用するワイヤーロープは、貧弱ではいけません。 また長年使っていると、どうしてもワイヤーロープは劣化していきます。劣化したロープは切れるおそれがあるので、これも使う時には注意が必要です。

くい打ちなどで使用するワイヤーロープは、破損や摩耗、直径が減少しているようなものを使用してはいけません。

中でも、次のようなワイヤーは使ってはいけません。

1.継目のあるもの
2.ワイヤロープ一よりの間において素線の数の10パーセント以上の素線が切断しているもの
3.直径の減少が公称径の7パーセントをこえるもの
4.キンクしたもの
5.著しい形くずれ又は腐食があるもの


1と5は分かりやすいのですが、2~4はわかりづらいかもしれません。

ワイヤーロープというのは、1本の鉄棒ではありません。ロープというくらいですから、最小単位になる1本1本の鋼線を素線といいます。そして素線を何本かより合わせた、少し太いロープのことをストランドといいます。つまりワイヤーロープは、ストランドをより合わせたものになるのです。

ワイアーロープが細くなると、本来の強度が発揮されません。
ワイヤーロープのベースになる素線自体は細い鋼線なので、衝撃や劣化で切断することがあります。
素線の切断が増えてくると、ロープの直径が減少し、強度が減るのです。細い細い糸のような鋼線ですが、切断数が増えくると、ワイヤーロープに影響するのです。

一よりというのは、ストランドがロープをぐるっと1周する間のことです。この一より間で素線の数が10%以上が切断されていると、本来の力が発揮されませんのえ、使用してはいけません。
仮にストランドが70本の素線で出来ている場合、7本以上切断されていたら、使用してはいけないということです。一よりの素線の数は、ロープの仕様を見ると確認できます。

同じようにロープ全体の直径が7%以上減少してるものも、使用してはいけません。これは素線の切断だけではありません。切れていなくとも、凹んで直径が減少している場合も同じです。

4のキンクというのは、折れ曲がった状態のことです。ワイヤーロープは非常に硬いので、Uのように、形がつくほど曲がってしまうと、元通り真っ直ぐになりません。こうなると曲がったところが、弱点になります。

ワイヤーロープを使用する前には、切断されたり形が崩れているものは使用してはいけません。使用前にはワイヤーロープの点検は重要になります。

(巻上げ用ワイヤロープの安全係数)
第175条
事業者は、くい打機又はくい抜機の巻上げ用ワイヤロープの
安全係数については、6以上としなければならない。

2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を
  当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で除した値とする。

ワイヤーロープは、くいの上げ下げにも使用します。破損していたり、摩耗しているようなものでは強度は十分ではありませんが、新品であってもあまりに細いものであっては、くいの重さに耐えられず切れてしまいます。

ワイヤーロープは十分な強度を持ったものを使用しなければなりません。 切れない安全な強度を持っていることを確認するのは、安全係数で確認します。

安全係数は、 
(ワイヤーロープ切断荷重) / (ワイヤーロープにかかる最大荷重) 
で計算します。

くい打ちなどで使用するワイヤーロープの安全係数は、6以上としなければなりません。 くいの重量やワイヤーロープの仕様などを確認して、十分な強度をもったものを使用します。

(巻上げ用ワイヤロープ)
第176条
事業者は、くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの
巻上げ用ワイヤロープについては、次の措置を
講じなければならない。

  1)巻上げ用ワイヤロープは、落錘又はハンマーが最低の
   位置にある場合、矢板等の抜き始めの場合、ロッド等の
   つり具が最低の位置にある場合等において、巻上げ装置の
   巻胴に少なくとも2巻を残すことができる長さのものであること。

  2)巻上げ用ワイヤロープは、巻上げ装置の巻胴にクランプ、
   クリップ等を用いて、確実に取り付けること。

  3)くい打機の巻上げ用ワイヤロープと落錘、ハンマー等との
   取付け又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープと
   滑車装置、ホイスティングスイベル等との取付けは、
   クリップ、クランプ等を用いて確実にすること。

くい打ち等でワイヤーロープは十分な強度がなければなりませんが、取付けにも十分な注意が必要です。

くいの巻き上げなどに使用するワイヤーロープは、確実に固定するなどの措置をとらなければなりません。

取り付け方には、決まりがあります。

ワイヤーロープは、普段は巻胴に巻かれていて、必要に応じて引き出されます。
掃除機の電源コードのようなものをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

ワイヤーロープはどんなに最大限引き出されても、多少の余裕が必要です。少なくとも2巻は巻胴に残っていなければなりません。 この2巻が、最後の引張力を作るのです。

またワイヤーロープは、本体に接続するのと、くいやハンマー、ドリルというものに接続しています。
どちらにも確実に強固に取り付けていなければなりません。取付金具としては、クランプやクリップといったものがありますが、これらで、しっかり固定します。

ワイヤーロープ自体の強度が十分でも、接続部が軟弱では、やはり切れてしまいます。

ワイヤーロープは、くい打ち機などでも重要な部品です。これが切断してしまうとどうしようもありません。
強度と確実な接続が、非常に重要なのです。

まとめ。
【安衛則】

第174条
くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープについては、適切なものを使用しなければならない。
第175条
くい打機又はくい抜機の巻上げ用ワイヤロープの安全係数については、6以上としなければならない。

 

第176条
くい打機、くい抜機又はボーリングマシンの巻上げ用ワイヤロープについては、長さや取付などについて適切な措置をとらなければならない。
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