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親孝行、家族孝行、友人孝行とは

      2015/12/27

entry-507

最近、「論語」を再度読みなおしています。

昔、何度か読みましたが、それは元々本を読むのが好きだったからです。そのため思想としての論語であったり、日本にどのような影響を与えたのかという観点からでした。いうなれば、知識としての「論語」ですね。

しかし「論語」は、日本の文化に深く根ざしています。
特に渋沢栄一の「論語と算盤」というのは有名ですね。


「論語」を読んでいると、なるほどなと思うことも多々あります。年齢的なものもあるでしょうが、読み方が変わってきています。

また、これは安全教育に使えるのではという内容もあります。
こういうのは「格言でこじつける」に似ているのかもしれませんが。
「論語」をビジネスに活かしている人も多いです。ならば安全管理に活かしてもよいのではと思うのです。

今回は、そんな「論語」の一節を引用してみようと思います。

index_arrow孝行とは

孔子の「論語」は儒学の基礎となっているものです。
儒学の重要な考え方には、「礼」や「忠」というものがありますが、その1つに「孝」というものがあります。

「孝」とは、親孝行という言葉に使われるように、「子供が自身の親に忠実に従うこと」です。こういった道徳のことです。
現在では、ずいぶん薄れてきてしまっている感がありますが、この言葉には馴染みがあると思います。

「孝」とは親に対してのものです。現代的には親だけに対してというのは、理解がされにくいかもしれません。拡大解釈するならば、親を含む家族に対してと考えるのも、馴染みやすいのではないでしょうか。

言葉として、親孝行だけでなく、家族孝行などというものも耳にしたりします。そのため、家族に対しての「孝」も、総違和感のある話ではないと思います。

さて、「論語」には孔子が「孝」について説いている箇所も多々あります。
その一つにこのような話があります。
「論語」の為政第二の6節です。

「孟武伯、孝を問う。 子曰く、父母は唯其の疾(やまい)を之れ憂(うれ)う。」



簡単に訳すと、こんな感じです。

孟武伯という人が、孔子に「親孝行とはどういうものか」と尋ねました。
それに対して孔子は、「親はあなたが病気していないかを、いつも気にかけているのです。」と答えられました。

という短い内容です。

解釈とするとこんな感じでしょうか。

親はいつも子どもが健康かということを気にしています。
だからまず第一の親孝行というのは、あなたが健康でいることです。

これは親に限りませんよね。家族であれば同じように考えるのではないでしょうか。
夫婦ならお互いを、子どもがいれば子どもの健康を気にかけるはず。

容体が悪くなれば、何を差し置いても、病院に連れて行くのではないでしょうか。
また、自分が住んでいる町などで大きな事故や事件があった時、直接関係がなくとも、遠くに住んでいる家族が安否の確認をしてきたりすることもあると思います。これも身を案じているといえますね。

あなたが家族の健康を願うように、家族もあなたの健康を願っているのです。
そして、その関係性は家族だけに限りません。
あなたの友人も、あなたの健康を気にかけているのではないでしょうか。

そう考えると、孔子の親孝行に関する答えを、拡大解釈させてもらえるならば、家族や友人にも広げられるのだと思います。

これは、何も健康だけではありませんよね。

index_arrow事故と孝行

健康を損なうのは、心身が正常でないとも言えそうです。そうすると、事故で死亡すること、けがをすることも含むと考えられます。

仕事に限りませんが、事故にあう、事件に巻き込まれてしまうことは、この上ない不孝であるといえます。
しかも事故にあい亡くなるという場合は、病気と違い突発的です。何の予想も、覚悟もなく、家族を失う現実に直面します。

ある日いるべき人がいなくなること。しかも今後永久に不在になること。
これを家族や友人に与えてしまうのです。

あなたが事故に巻き込まれるのと逆に、家族の誰かが急に永遠にいなくなったとしたらどうか。

このことが、事故の持つ本質的な問題なのです。
親不孝どころだけでなく、家族不孝、友人不孝になるのではないでしょうか。
家族は、あなたにそういう不孝を望むでしょうか。逆にあなたは家族にそのようなことを望むでしょうか。

親が常に子の健康を気にしているから、健康でいることが、何より最初の親孝行なのだと「論語」で説かれています。 これになぞらえるならば、健康で事故のない毎日を過ごすことが、何よりの親孝行、家族孝行、そして友人孝行になるのではないでしょうか。

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