有機則○安衛法と仲良くなる

有機溶剤取り扱い時の規則。その12

有機溶剤を使用した業務では、作業者の健康を守ることが大事です。
そのためには、作業者は取扱っている有機溶剤にどんな危険があるのかなどをしっかり理解しておく必要があります。

有機溶剤の危険性などを知らせるためには掲示を行い、事故が起こった場合には退避させるなどの備えが必要になるのです。

掲示や退避などについても、有機則に規定されています。

【有機溶剤中毒予防規則】

(掲示)
第24条

事業者は、屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、次の事項を、
作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならない。

 1)有機溶剤の人体に及ぼす作用

 2)有機溶剤等の取扱い上の注意事項

 3)有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置

2 前項各号に掲げる事項の内容及び掲示方法は、厚生労働大臣が別に定める。

屋内作業場等では、有機溶剤業務を行うと作業者が体内に吸引し、健康障害を起こす可能性があります。

局所排気装置などの設備で、飛散する前に排気する対策が必要になるのですが、一方で作業者に取り扱っている有機溶剤の危険性なども知っておいてもらう必要もあります。

屋内作業場等では、有機溶剤業務を行う作業者が見やすい場所に、必要な掲示物を設置しなければなりません。

掲示物には、次の内容を掲載します。

1.有機溶剤の人体に及ぼす作用
2.有機溶剤等の取扱い上の注意事項
3.有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置

作業者自身が、有機溶剤の危険性や取り扱いを

(有機溶剤等の区分の表示)
第25条

事業者は、屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、
当該有機溶剤業務に係る有機溶剤等の区分を、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、
色分け及び色分け以外の方法により、見やすい場所に表示しなければならない。

2 前項の色分けによる表示は、次の各号に掲げる有機溶剤等の区分に応じ、
  それぞれ当該各号に定める色によらなければならない。

 1)第一種有機溶剤等 赤

 2)第二種有機溶剤等 黄

 3)第三種有機溶剤等 青

掲示物には、作業者に危険性や取り扱い方を知らせる目的がありますが、一口に有機溶剤と言っても、様々な種類があります。そして種類よって危険性も異なり、気をつけかたも異なります。

有機溶剤を取扱う時は、有機溶剤の区分を色分けなどで掲示しなければならない。

区分は次の通りです。

第一種有機溶剤等 赤
第二種有機溶剤等 黄
第三種有機溶剤等 青

第一種になるほど、有害性は高くなります。
区分に応じて、局所排気装置などの設備や保護具などの備えが変わります。

(タンク内作業)
第26条

事業者は、タンクの内部において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、
次の措置を講じなければならない。

を次の措置を講ずること。

  イ 有機溶剤等をタンクから排出し、かつ、タンクに接続するすべての配管から有機溶剤等が
    タンクの内部へ流入しないようにすること。

  ロ 水又は水蒸気等を用いてタンクの内壁を洗浄し、かつ、洗浄に用いた水又は水蒸気等を
    タンクから排出すること。

  ハ タンクの容積の3倍以上の量の空気を送気し、若しくは排気するか、又はタンクに水を満たした後、
    その水をタンクから排出すること。

タンク内部などの閉鎖され、通気性の極めて悪い場所で作業する場合は、吸引しないように一層の注意が必要になります。

タンク内部などで有機溶剤作業を行う場合は、作業者が吸引しないようにするための措置を行わなければならない。

行う必要があるのは、次のことです。

1.有機溶剤等をタンクから排出する。
  タンクに接続するすべての配管から有機溶剤等がタンクの内部へ流入しないようにする。

2.水又は水蒸気等を用いてタンクの内壁を洗浄する。
  洗浄に用いた水又は水蒸気等をタンクから排出する。

3.タンクの容積の3倍以上の量の空気を送気するか、排気する。
  またはタンクに水を満たした後、その水をタンクから排出すること。

使用した有機溶剤とその蒸気がタンク内に溜まらないようにすることが必要になるのです。

(事故の場合の退避等)
第27条

事業者は、タンク等の内部において有機溶剤業務に労働者を従事させる場合において、
次の各号のいずれかに該当する事故が発生し、有機溶剤による中毒の発生のおそれのあるときは、
直ちに作業を中止し、労働者を当該事故現場から退避させなければならない。

 1)当該有機溶剤業務を行う場所を換気するために設置した局所排気装置、プッシュプル型換気装置
  又は全体換気装置の機能が故障等により低下し、又は失われたとき。

 2)当該有機溶剤業務を行う場所の内部が有機溶剤等により汚染される事態が生じたとき。

2 事業者は、前項の事故が発生し、作業を中止したときは、当該事故現場の有機溶剤等による
  汚染が除去されるまで、労働者を当該事故現場に立ち入らせてはならない。
  ただし、安全な方法によって、人命救助又は危害防止に関する作業をさせるときは、この限りでない。

タンク内などでの有機溶剤作業で事故が起こった場合、有機溶剤を体内に取り込み中毒になるおそれがあります。
事故が起こった場合には、迅速な措置が求められます。

タンク内などで事故が発生した場合は、直ちに作業を中止して、退避させなければなりません

作業を中止する必要がある事故とは、局所排気装置やプッシュプル型換気装置などが機能停止したり、有機溶剤が漏れ出すなどです。

退避した後は、完全に有機溶剤などが除去されるまで、立入禁止です。
ただし、タンク内に倒れている人を救出する場合は、立ち入る必要があります。その場合は、空気呼吸器などの保護具を使用します。

有機溶剤の作業を行う場合は、作業者に中毒にならないように、掲示や退避などの措置を準備することが必要になるのです。

まとめ。

【有機溶剤中毒予防規則】

第24条

屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、必要事項を見やすい場所に掲示しなければならない。

第25条

屋内作業場等において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤等の区分を、見やすい場所に表示しなければならない。

第26条

タンクの内部において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、必要な措置を講じなければならない。

第27条

タンク等の内部において有機溶剤業務で事故が発生し、有機溶剤による中毒の発生のおそれのあるときは、
直ちに作業を中止し、労働者を当該事故現場から退避させなければならない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA